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Beyond of Cosmos =星巡りの物語=リゲル・ラナ編  作者: 詩紡まりん
『スチュアートリア帝国とその歴史』=運命の出会いと黒い影= リゲル歴3809年

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26/72

エド・ブロ第二回戦 =Black Mageの暗躍=

 引き続き、ガブリエラ先生の

『第二回エド・ブロ戦争』についての講義です。


 アリーチェ様の「帝国神聖力術士養成大学」の入学の手続きが進み、正式に入学できることとなり、母君であるのジョアンナ様はエド・ロアに戻られることとなりました。


 両陛下の申し出を断られ来た時と同じく徒歩で帰るというジョアンナ様を説得されて、国境付近までマリエッタ皇后陛下が馬車で送ることとなりました。


 アリーチェ様は入学準備の為、陛下と殿下は執務の為に帝都に残られました。

 ラファエル陛下は、胸騒ぎがしてマリエッタ皇后陛下をひとりで行かせたくないと思われましたが、長期休暇明けで溜まった仕事を片付けなければなりませんでした。

 歴戦の猛者のブルーフォレスト少将と警備の騎士を付き添わせたので大丈夫だ!!と、自分に言い聞かせて皇后陛下を送り出されました。


 皇后陛下一行が、ブルーフォレスト辺境伯の領土に入った頃でした。


 アレクサンドル殿下が慌てて兄のラファエル陛下に思念(テレパシー)を送りながら皇帝執務室に向かって駆け出されました。

「兄上、大変です。ブロッサン国が動き出しました。エド・ロアに向けて進軍しているようです」

 アレクサンドル殿下が宮殿内でこんなに慌てた姿を見せたことは、未だ且つてありません。

 アレクサンドル殿下が執務室に駆け込んで参られると同時にラファエル陛下も、いつになく慌てて立ち上がられました。


「すみません、兄上、予知が遅れてしまいました。私が浮かれていたのが悪かったのだと思います」

 と、アレクサンドル殿下は、息を切らしながらも済まなそうに兄に平謝りされました。

「いや、おまえは悪くない。きっと敵も前回のことで学んだのだろう。こちらに悟られないように魔術を駆使して準備したのに違いない。ジョアンナ伯母上が、あのように平民に紛れていらしたのも、エド・ロア国内に危険を感じていたからなのだろう」

 陛下も平静を装いながらも焦りを隠しきれていませんでした。


「とにかく、兄上、ジョアンナ様とマリエッタ姉上が危険です!」

 いつもおっとりしておられるアレクサンドル殿下がここまで取り乱されるのは珍しいことです。


「今から、エド・ロアの国境まで馬を走らせても間に合わないかもしれん。トリスタンを飛ばしてブルーフォレスト少将に連絡をする。アレクサンドルは、アーサーを飛ばして西の各基地に戦争準備をするように伝令をだしてくれ」

 対して、いつも冷静沈着ながらも、常に全てに気を配られているラファエル殿下も、この時ばかりは取り乱されたご様子でした。


「マリエッタを行かせるのではなかった…」

 ラファエル陛下の胸騒ぎが的中してしまったのです。


 その頃、ブロッサン国とエド・ロアの間では、静かに戦闘が始まっていました。

 前回の失敗からブロッサン国軍は、国内で国王とその一族を拘束し軍部が王宮を占拠。

 軍に加担する者とBlack(ブラック) Mage( マギ )がエド・ロアの各地に潜み、一斉に各地から行動を開始したのです。


 マリエッタ皇后の叔母ジョアンナ様は、ブロッサン国がエド・ロアへの戦争準備をしている事に気づいてはおられませんでしたが、White(ホワイト) Mageとして国内に不穏な動きがあるのを感じとられていたので、念のため王族であることを気取られないように平民の姿で移動して来られたのでした。


 エド・ロア国側は、予期せぬブロッサン国の攻撃ではありましたが、10年前の「エド・ブロ戦争」以降、警戒を強めて対応策を講じていたので、すぐに応戦できました。

 戦闘に関しては、数で勝るエド・ロア軍が優勢ではありましたが、Black Mageらを配してのテロ活動には対応しきれていませんでした。

 そんな状況で、タイミング悪くマリエッタ皇后一行が国境に近づいていたのです。


 ブロッサン国とエド・ロアの両国と国境を接するブルーフォレスト辺境領では、いち早く両国の動きに気づき、帝国側に被害が及ぶ場合は、いつでも対応できるように準備をしておりました。

 そこに、領主のイーサン・バルナバーシュ・ブルーフォレスト少将が、皇后陛下と共に領土入りするとの連絡を受けたのでした。

 息子のブルース・カイザー・ブルーフォレスト卿が急いで自分の使徒である竜に乗って、ブルーフォレスト辺境領へ向っている一行に報告に行かれました。


「父上、ブロッサンとエド・ロアの様子がおかしいので使徒に偵察に行かせましたところ、ブロッサンがエド・ロアに攻め込んで来たようです」

 マリエッタ皇后とジョアンナ様を乗せた馬車の警護をしながら自己領内向かわれていたブルーフォレスト少将は、予期せぬ自己領の危機にかなり険しい表情になっておられました。


「こちらの防衛準備は大丈夫なのか?」

「はい。街道や、隣接地の防衛は完璧です。『魔の森』を超えてまで、こちらの領土内に入る敵国の者はいないかと思いますが、偵察はかかさぬように使徒と他のドラゴン達を巡回させています」

 ブルーフォレスト辺境伯領には、多くのドラゴンが生息しており、使徒ではないドラゴン達も使徒のドラゴンと共に使えていました。


「今、国境を超えない方が良いな。まずは、皇后陛下とジョアンナ様には我が城で待機して頂こう」

 そう言うとブルーフォレスト少将は馬車の窓を軽くたたき、マリエッタ陛下に馬上から伝えられました。

「皇后陛下、緊急事態です。今、国境超えるのは危険ですから、まずは我がブルーフォレスト家の城で待機願います」

 と、マリエッタ皇后への報告を終えると、すぐに予定を変更し辺境伯領内のブルーフォレスト城へ馬車を向かわせられました。


 その頃、気が気ではないラファエル陛下は、自ら国境まで行く準備をしておられました。

 10年前の「第一回エド・ブロ戦争」の時に、ブロッサン国に派遣していWhite (ホワイト)Mageは全員、帝国内に帰国させたままでしたが、エド・ロア国内のWhite (ホワイト)Mage( マギ )はそのまま残っていました。

 いま、そのエド・ロア国内に潜住しているWhite (ホワイト)Mage( マギ )たちの使者からの報告が続々と届いていました。


「戦況は、エド・ロアに有利のようだが、国内各地でのBlack(ブラック) Mage( マギ )の動きが問題のようだな。アイザックたちのような呪いをかけられた者が出ても困る。今回は、我々だけでなく、エド・ロア国内のWhite (ホワイト)Mage( マギ )に頑張って貰う必要があるだろう」

「そうですね。我々もエド・ロア入りしましょう」

 と、アレクサンドル殿下とラファエル陛下がエド・ロアへ行く準備をされていると、そこへアラン皇太子とアリーチェ姫がいらして

「父上、私も連れて行って下さい!」

「私もご一緒に!」

 と、おっしゃいました。


 しかし、陛下と殿下はふたりとも首を横に振られました。

「ふたりの気持ちはよくわかるが、しかし…」


「アラン、お前はここに残って私の代わりに帝都を守らねばならん!わかるだろ?私とアレクサンドルが留守の間に皇太子のおまえがするべきことが!!」


「アリーチェ姫、せっかく平民のふりまでして帝国内に来られたのに戻られてどうするのですか?必ず姉上を無事に連れ帰ります。叔母上もお守りします。ですから、あなたは私を信じて、ここでお待ちください。あなたが待っておられると思えばこそ、私も必ず帰って来ねばと思えます」 


 ラファエル陛下とアレクサンドル殿下は、それぞれご自分の大切な方に留守を任せ西の国境へ向われました。


 国境に向けて馬を走らせている途中、ラファエル陛下の使徒のトリスタンがブルーフォレスト少将からの連絡を受けて戻って来ました。

「マリエッタと伯母上は、ブルーフォレスト城に向かっているらしい。まずは我々もブルーフォレスト城に行って、そこで指揮をとろう」

 アレクサンドル殿下の使徒のアーサーも西方の軍の基地への伝令を滞りなく済ませて戻って来ました。

 ラファエル陛下とアレクサンドル殿下は、帝都からの臣下は伴わず、おふたりだけでHoly(ホーリー) Mage( マギ )としての力をお使いになり、通常のスピードよりも数倍速く移動されました。

 おふたりが、ブルーフォレスト城に到着されると、マリエッタ皇后陛下が駆け寄って来られました。

 ラファエル陛下は、そのお姿をご覧になると周りも気にせずマリエッタ皇后陛下を抱き寄せておっしゃいました。

「ああ、良かった。もう、二度とひとりではどこにも行かせない!」

 マリエッタ皇后陛下もラファエル皇帝陛下の胸にご自分の顔を埋められるようにされながら

「ご心配をおかけして、ほんとうに申し訳ありませんでした」

 と、涙されました。

 このブルーフォレスト城は、おふたりが初めて出会った場所であっただけに、マリエッタ皇后の胸を熱くさせておられました。


「ブルーフォレスト少将、状況報告を頼む!」

 ラファエル殿下はマリエッタ皇后を片手でがっしり抱きかかえながらおっしゃいました。

 大切な妻を我が腕に取り戻されて、いつもの頭脳明晰でクールな皇帝の声が室内に響き渡りました。

「はい陛下!!」

 少将は、ブルーフォレスト辺境伯領内と、西方の軍事基地および海軍の出動準備状況、エド・ロア国内の情報報告をされました。


「戦況とエド・ロア国内の様子はだいたいわかった。」

「問題は、ブロッサンからのBlack(ブラック) Mage( マギ )がどこにどれくらい入り込んでいるかだ。エド・ロア国内に入らせているWhite (ホワイト)Mage( マギ )だけで対応可能なのかだな」

 と、帝国軍総司令官でもあらせらせれるラファエル陛下がおっしゃいました。


「やはり、王宮のある首都が狙われているのが確かそうです」

 ブルーフォレスト辺境伯が報告されました。

 すると、アレクサンドル殿下がおっしゃいました。

「兄上、首都周辺で貴族の館を占拠しているBlack(ブラック) Mage( マギ )が見えました。名誉挽回するわけではありませんが、私が、そこへ向かいましょう!!」

「いや、アレクサンドル、急いては事を仕損じるというぞ。焦って動くな!」

 すっかり冷静さを取り戻された皇帝陛下は、すぐに頭の中で作戦を練られました。

 このスチュアートリア帝国を治められている陛下の指示に逆らう者など誰もおりません。


「いきなりお前が行っても目立つだけだ。まずは偵察に使徒を使わせる」

「今回は、ウラジミール・ロウのねずみを送り込もう」

 ウラジミール・ロウは、エド・ロア国に定住している帝国から派遣されたWhite(ホワイト) Mageです。

 White (ホワイト)Mage( マギ )でも、神聖力(ホーリーパワー)を持つ者は使徒が使える者もいました。

 ウラジミール・ロウは、そんなWhite (ホワイト)Mage( マギ )のひとりでした。

 但し、White (ホワイト)Mage( マギ )の使徒は人間に化身することは出来ません。


 陛下は、ウラジミール・ロウをブルーフォレスト城に呼び寄せて、エド・ロア国内の報告を受けておれました。

「ウラジミール・ロウ。おまえの使徒を偵察に行かせることは可能だな?」

 ウラジミールは、懐のねずみのステファンを取り出して

「いつでも行けます」

 と、答えました。


 ステファンは、ウラジミール・ロウのねずみの使徒です。

 今回は、出来るだけ目立たないようにラファエル陛下使徒の(イーグル)のトリスタンと、ねずみのステファンが偵察部隊として派遣されました。


 アレクサンドル殿下の予知通りBlack(ブラック) Mage( マギ )が貴族の館に入り込み、そこの家の者たちに呪いをかけて操ろうとしていました。

 マリエッタ皇后によると、その貴族の一族は、国王の信任が厚い忠臣だということでした。

 「国王は、その者の言葉に信頼を置いているので、誤った情報を知らせれても信じてしまうでしょう」

 と、皇后陛下も心配されました。


「まったく、相変わらずBlack(ブラック) Mage( マギ )のやり方は許せん!」

 トリスタンとステファンの報告を受けて、ラファエル陛下、アレクサンドル殿下は、直接そのBlack(ブラック) Mage( マギ )達と対峙されることを決断されました。

 Holy(ホーリー) Mage( マギ )である皇帝の闘い方は、『可能な限り人知れず動き、短時間で決着をつける!!』なのです。

 そこで、陛下と殿下が、それぞれ辺境伯家の使徒のドラゴンを借りて、その背に乗りブルーフォレスト少将と三人で、Black(ブラック) Mage( マギ )が潜むその貴族の館へ向われました。


 決戦の時は深夜。

 ブロッサン国との戦場となっている北の国境付近から遠く離れた首都は戦争中とはいえ街中は静かでした。

 目標の貴族の邸宅も、周囲の家々の灯りも消え、星々だけが夜空で輝いていました。

 その星空の中を流れ星のように光輝きながら移動する六つの光る目。

 三頭のドラゴン達のものです。

 もちろん、先頭の(ドラゴン)は、「赤い荒野の闘い」でも活躍したクロヴィスです。

 その背には、もちろんブルーフォレスト少将。

 続いて、ブルーフォレス辺境伯の竜のコルトン。

 その背には、ラファエル殿下。

 三頭目は、クロヴィスの息子のクレイヴ。

 その背には、アレクサンドル殿下。


 三匹の竜と陛下たちが目的の貴族の館に着くと、中に忍び込んだステファンが中から鍵を開け、トリスタンとアーサーがそこから中に忍び込み一番大きな窓を開け放っていました。

 その開いた窓から次々と三匹の(ドラゴン)が突入し、その背に乗ったラファエル達が、貴族の邸宅内を突っ切って急下降。

 ドラゴン達は邸宅内に潜むBlack(ブラック) Mage( マギ )たちに知らせるように鳴き声を轟かせました。

 その声に邸宅内が地震のように揺れ、予期せぬ侵入者に驚いたBlack(ブラック) Mage( マギ )と黒魔術師達が次々に廊下に出てきました。

 翼を畳んで急降下したドラゴンの背から飛び降りた陛下たち三人は、黒魔術師達を次々と聖剣で切って行かれました。

 予期せぬHoly(ホーリー) Mage( マギ )達の襲撃に何の抵抗する間もなく、聖剣に黒魔術を封じられたBlack Mageも切り捨てられました。

 無駄な殺生をしないHoly Mageですが、今回は彼らを生かしておいては同じことを繰り返すとして止む無く、致命傷にならない程度に黒魔術師とBlack Mageを打ち、しばらく動けない状態にして打ち捨てられたのです。

 ラファエル陛下たちが黒魔術師とBlack Mageを成敗している間に、トリスタンとアーサーが、閉じ込められていたこの貴族の邸宅の者たちを助け出していました。

 Black(ブラック) Mage( マギ )に襲撃されて呪いをかけられていたこの家の者は、魔術で洗脳されていたようでした。

 BBlack(ブラック) Mage( マギ )達を成敗された陛下たちは、その家の者たち全ての解呪をされ、再び竜の背に乗って風のように去って行かれました。

 Black(ブラック) Mage( マギ )達に監禁され疲れ切っていた家の者たちは、陛下たちに解呪された後もしばらく気を失っておりました。

 朝になり目が覚めた時に、Black(ブラック) Mage( マギ )たちが深手を負って倒れているのを見て驚かれたことでしょう。

 そして、一体何があったのかわからぬまま自分たちを襲撃したBlack(ブラック) Mage( マギ )たちを拘束したのでした。

 おそらく、戦争が終わったら処刑されることでしょう。


 他にも、国王の側近たちを狙っていた黒魔術師達も、ラファエル陛下の指示をうけた帝国側のWhite(ホワイト) Mage達の活躍もあり全て拘束され幽閉されました。


 Black(ブラック) Mage( マギ )たちからの脅威が取り除かれれば、エド・ロアとブロッサン戦は、人対人同士の普通の闘いとなります。

 今回も数で勝るエド・ロア王国の勝利となりました。


 前回のエド・ロア王国侵略戦争も、今回の戦争も、軍事侵攻の指揮したのはブロッサン軍の将軍です。

 いずれの侵略戦争もブロッサン国王の命に背いたものでした。

 その戦犯であるブロッサン軍の将軍は、エド・ロア軍に捕縛されました。

 エド・ロア軍は、戦犯としてブロッサン国に将軍を引き渡し、ブロッサン国王はエド・ロア国との和平条約に調印しました。

 その後、ブロッサン国王は、将軍とその一派、そこに担したBlack(ブラック) Mage( マギ )がはじめとする反国王勢力を一斉に処刑しました。

 これにて「第二回エド・ブロ戦争」は終結したのです。


 戦争の終結を待って、マリエッタの叔母であるジョアンナ様は、エド・ロア国内の離宮に戻り、ラファエル皇帝一行もスチュアートリア帝国のロス・トロア宮殿に戻られました。


 そして、それからまもなく、アリーチェ姫とアレクサンドル殿下の婚約が発表され、年内にご成婚、翌年にはウィリアム殿下がお生まれになりました。


 その後、43年間は何事もなく月日が流れましたが、常にラファエル皇帝の頭の片隅には、海の向こうの大陸のBlack(ブラック) Mage( マギ )のことがお有りでした。

「赤い荒野の闘い」の際に逃したヘドウィックは、Black(ブラック) Mage( マギ )としては、雑魚だったとしても、そのような事を企むBlack(ブラック) Mage( マギ )が居る限り、似たようなことが起こるかもしれないと思うと油断はできないと思えたのでした。


 そして、ラファエル皇帝は、リゲル歴3863年にレッドリオン公国を建国。

 二年後に帝位を弟のアレクサンドル殿下に譲り、自分は、レッドリオン公国大公となられました。


 二度の「エド・プロ戦争」によって西側のBlack(ブラック) Mage( マギ )は一掃されましたが、東のシャバラリオは、国とはいうにはいまだ不安定で、いつまたBlack(ブラック) Mage( マギ )が暗躍するかわからないという不安があったのです。

 そこで、西の要はブルーフォレスト辺境伯に任せ、帝国全土は弟アレクサンドル陛下に、そして東のレッドリオン公国をラファエル大公様が守ろうと心に決められたのでした。


 父ラファエル皇帝陛下が退位し、叔父のアレクサンドル殿下が皇帝として即位された時には、アラン様も55歳におなりでした。

 帝国神聖力術士養成大学でHoly(ホーリー) Mage( マギ )としての修行を積み、当代一の神聖力(ホーリーパワー)を持つと言われた父ラファエル大公様に負けない程の神聖力を持つ立派なHoly(ホーリー) Mage( マギ )とおなりでした。

 アラン様の使命は父上と同じく、帝国民の平和な生活を守ることでした。


「ということで、これが『第一回エド・ブロ戦争』『第二回エド・ブロ戦争』及びレッドリオン公国建国までの歴史です」


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 


 ガブリエラ・サーシャ・ラング先生、255歳は、自分の青春と共にスチュアートリア前皇帝夫妻と、現皇帝ご夫妻のなれそめを交えて、帝国の歴史を語ってくれた。


 リリアーナとアイラは、今回も自分たちの故郷のレッドリオン公国の話にドキドキわくわくで夢中でカブリエラ先生の講義に聞き入っていた。


 しかも、今回は、それぞれの恋愛話まで聞けて大満足であった。

 特にリリアーナは、アラン様のお父様とお母様のお話は素敵だったなぁ。

 わたしも、Holy(ホーリー) Mage( マギ )になって魂を磨いていたら、いつかツインレイに会えるのかしら?と思っていた。



挿絵(By みてみん)

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