綴屋 蜜凛の場合:02「無表情の裏に秘めた顔は─」
ピリリリ…ピリリリ…
スマホがけたたましく鳴り響く、俺は手探りでスマホを探し出してアラームを止める。
ベッドから足を下ろして座る、ぼやけた頭で今が何時なのか確認。
朝7時…設定したアラームの最初の時間に起きれた様だ、俺は立ち上がり背伸びをする。
しばらくボーっとして徐々に頭のエンジンを始動させ始める。
「…動くかー」
ベッドから立ち上がり洗面所で歯を磨く。
次にキッチンで食パンをトースターに突っ込んでその間にベーコンと目玉焼きを焼く。
ベーコンの焼けるいい匂いが台所に充満する。
焼けたパンを皿に入れてその上にベーコンと目玉焼きをのせる。
それをリビングに持って行く。
「いただきま〜」
手を合わさてトーストに齧り付く。
うまい、まぁ美味いものしかないから当然といえば当然だ。
食べ始めると止まらず空っぽ胃が満たされゆく
「ごちそうさま」
それからは少ない洗い物をパパッと済ませてた
溜まった家事もなくのんびりした朝を過ごす。
時計を見ると時間は9時に差し掛かろうとしていた、そろそろ着替えて家を出ないといけない
洗顔などを手早く済ませ服を着替える。
先輩との約束時間まで1時間半前、今から行くと30分前には着くかな。
「っし…行くかぁ」
──「ふふ…そっかぁ、今から来てくれるんだ」
私はイヤホンからその言葉を聞いて席を立つ
喫茶店を出て駅へ向かう、彼より一本遅い電車に乗りこむ。
楽しみで仕方がない、楽しみすぎて朝から彼の音を聞いていた…あぁ、いっその事もう今日にでも押し倒してしまおうか?
ダメだ…そんな事をしてしまったら彼に嫌われてしまう、本当にもどかしい。
電車に揺られる事数十分…私は目的の駅に到着、最後に化粧室で身だしなみを整える。
二人で遊びに行くのは初めて…今まではなんだかんだ言いつつバイト後に食事を誘ったり大学で一緒に過ごすくらい。
私はそれだけ慎重に彼との関係を進めてきた
「長かったなぁ…」
後は彼が私を異性として意識してくれれば
一気に攻め落とせるのに…その気配がない。
「…よし、行こう」
気合いを入れて化粧室から出た。
待ち合わせの場所は駅を出た広場にあるオブジェの近く、私はそこへ向かい歩みを進める。
改札をくぐり抜けて晴天の青空と太陽が差す外へ──
ピコン、電子音とバイブレーションが通知を知らせた、俺はスマホを取り出して確認する。
[今、駅すぐに向かうわ]
綴屋先輩からだ、もうすぐここに先輩が来る…
その事実になんだか緊張して気持ちがソワソワと落ち着きがない。
きっと…異性と、しかも二人で遊びに行くなんて今までなかったからだろう。
「賽我くん、おまたせ」
俺の背後から声が掛かった、澄んだ綺麗な声
聞き慣れたその声の主──
「綴屋先輩!今来たとこで───」
振り返り目に映る先輩はめちゃくちゃ綺麗だった、かなり見惚れてしまった。
大学とバイトで顔を合わす機会は多い…なのに今日の先輩はすごい。
周りの人の視線が先輩へ向けられているのがよくわかる、いくつかの視線は俺にも刺さる
嫉妬と羨望…それに好奇。
「さ、行きましょう」
「あ、あぁはい!」
いつも通り堂々として無表情……?なんだか楽しそうに…見える…か?
今日行く所が楽しみなんだろうか?
とりあえず…先輩と並んで歩いてゆく
無表情な先輩だが道中の会話は楽しく弾んだ。
あっという間に目的地である水族館に到着。




