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祝福のエピローグ  作者: アレン
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第9話

天后『まぁとにかく移動するから、ちゃーんと僕に着いてきてね〜』



と、天后は改札の方へと向かい各々ICカードを改札口にかざして通り抜けるがここで一人置いていかれてる人物がいた



天后『……ねぇ、何してるの青龍?拗ねてるの?』


青龍『は?拗ねてなんかない』




またもや青龍だ、青龍だけが未だ改札を通らずにいるのだ



天后『じゃあ何?どうしてこっち来ないの?』


青龍『………』




天后のその問いかけに青龍は黙ってしまう




朱雀『あっはは〜!もしかして青龍、ICカードの使い方分からないとか?』



流石の朱雀も冗談でそう言ったが、朱雀のその問いにコクリと青龍は頷きそれに対し賑やかに笑っていた朱雀もピタリと笑うのをやめてしまった



大陰『ねぇマジでその冗談笑えないんだけど、早くして青龍』


青龍『冗談じゃないと言ってるだろ、本当に分からないんだ』


大陰『お前今まで何見てきたの??』



まさかの青龍がICカードの使い方が分からないとなると大陰も呆れてため息ついては毒を吐いてた



六合『ま、まぁまぁみんな、青龍、そこの改札口にある丸く他の色と違う感じに光ってるところがあるだろう?そこにその手に持ってるカードをかざして、そうしたら通れるから』



直ぐに仲裁に六合が入り、優しく青龍に使い方を教え無事青龍も他のみんなと合流出来た



天后『青龍そんなに使い方分からなかったっけ?冗談抜きで本当に分からなかったの?』



流石に今この現代の東京に使い方を知らない者がいるのかと天后は目を丸くして驚いていた



青龍『知らないし教えられていたのかもだが覚えてない、俺はそういう西洋文化か現代のものから引き離されて過ごして来たからな』




淡々とそういう青龍にその言葉に他の十二天将は「あ〜……」と納得の様子を見せていた



純桜寺家は古くからの文化を大切にしてきた一族だった、その為昔から南蛮文化と呼ばれていた頃からそれが日本に入ってくるのは酷く反対し嫌っていたくらいだ、流石に今となってはそれ無しでは過ごせないのは分かっている為、ある程度は黙ってはいるが


全員が全員反対している訳でもない、古くからいる者達が勝手に反対しているだけだ


そんな者達の元で最初から今に至るまで過ごしてきた青龍は、あまり使い方に詳しくなく疎い方だ


それに常に主人のそばにいる為、使う必要もなく家の中にいれば勝手に誰かが持ってきたり作ってきたりとしている


その為か存在は知っていてもいざ使うとなると話が別になってしまうのだ



こうして主人のそばを離れて出かけるというのも戦いが終わり平和になったからこそ出来ることであり青龍の呼び出されてから今に至るまで一度たりともない初めての経験でもある



他の十二天将達は元は別の家にいて他の主人と過ごして来ており、純桜寺家に配属になったからとはいえ今までのスタンスを崩すはずがなく自由に動き回るのだ


青龍は元からいる為純桜寺家の家の者の言うことを素直に聞いてきた


その為にこうも格差が生まれてしまったのだった



天后『まぁ…それなら仕方ないね、今度からは使い方分からないから言って、教えるから』


貴人『そうだよ青龍、私は無知は恥とは思わないよ、誰しも知らない事なんて山ほどあるだろうからね』


青龍『…分かった、助かる』




天后達の言葉に素直に青龍は頷き、これから先美澪達と仮にどこか行った時に美澪の手を煩わせないように、困らせない様にと今日はしっかり学ぼうと青龍は決心した





朱雀『ねーねー、無知は恥だと玄武は思うー?ねーねー、思う?俺は思わなーい!』


玄武『そうですね、無知よりも車内で大声で喋る方が私は恥だと思いますよええ心底思います』


朱雀『ふーん、でも今大声で喋ってる人いないよ?』


玄武『あなたの事ですよ!!?』



現在は電車に乗り揺られながら移動しているはものの、朱雀の賑やかさぶりは健在だった、それに遠回しに玄武は静かにしろと釘を刺すが当の本人には全く伝わっておらず思わずツッコミを入れてしまった



騰蛇『……はぁ……朱雀、もう少し静かに…声量下げて……』



窓の外の流れていく景色を眺めながら騰蛇はボソッと朱雀に注意をしている



騰蛇『うるさい……周りにイチャモンつけられるのもめんどくさい……それに対応するのもめんどくさい……力の加減するのもダルい…から静かにして…それが一番…めんどくさくない…』



ボーッと外の景色を眺めながらボソボソと注意を続けてる



白虎『まぁ誰も騰蛇に喧嘩売ろうとは思わないけどね〜』


大裳『それは…同感』



かなりの高身長、闘将ともあってかなり体格も良い、そして既に朱雀の騒ぎで疲れたのかどこか気だるそうにした目を細めている為目付きが悪いと思われても仕方ない様な表情もしている


誰しもそう簡単に鼠がライオンに喧嘩を売ろうとは思わない、つまりそういう事だ



天后『まずはあそこのお店行ってー、その後ここのカフェ行きたいなー』


天空『ならこのルートでこう行った方が早いからこうして…』



天空と天后は席に座っており天空は天后の行きたいルートを聞きどの道が行くが早いかをスマホでささっと調べている、隣にいる天后は他に何かあるかなとスマホでまた違う店を調べている


十二天将の中で一番最初にネット環境に慣れたと言えばきっと天空だろう、なので十二天将の中でも誰よりも慣れてる天空にルートの事など難しそうな事は任せれば安心だと思っていた


天空本人は「そんなに難しい事なの…?」と疑問そうだったが




そしてしばらくすれば、目的の駅に着いた



天后『はい着いたからみんな降りて〜』



他の人達もゾロゾロと降りる中、十二天将達もそれに続いて駅のホームへ出るとそのまま改札へと向かい、駅の外へと出た



天后『はい、みんないる?点呼とる?』


大裳『いらないでしょ、そんなの』


青龍『俺はいる』


天后『置いてかれるかもしれない、もしくは僕達が青龍のこと置いて行っちゃうかもしれないという自分が不安要素のひとつになってるとこ自覚してるんだね青龍』


青龍『うるさい天后』



ムスッとしながらも素直に不安要素のひとつになっている事は認めた青龍、周りに迷惑かけないためにも自ら出来ることはしようとしている



天后『ま、あまりいじりすぎると青龍も拗ねちゃうし、目的のとこに行こ〜!』



と、天后は先頭を切って歩き出した








青龍『……おい、いつまでこのファッションショーを開催するんだ天后』



試着室の中にあれこれ30分閉じ込められている青龍、場所は最初の目的地へとなっていた衣服店だ


目的地へとついたら早速天后は青龍の手を引いて服をざっと見回ったあと何着か手に取り服と共に青龍を試着室へと押し込んだ



そして現に至るという訳だ


因みにだがこの店はメンズ、レディースどちらも売られている



天后『ちょっとうるさいよ青龍、悪いけど何着か買って貰うから、良かったね青龍最初に出かけたのが僕達で、それで美澪の隣歩いてみなよ、美澪泣くよ』


青龍『泣……ッ!?』




天后は淡々と言い切り早く次着て、と言い残しこれじゃないと思った服を回収するとまた次の服を選びに行き、「美澪が泣く」というワードを聞いた青龍はそんな事があってたまるかとワナワナと震えながらまた次の服へと着替えていく



朱雀『あれやこれやと着替えさせられていく青龍見るの意外に面白いね〜』


大裳『まぁそれは同感』


六合『こ、こらこら…』



特に何も買うものがない朱雀達は天后のファッションショーを遠目に見ながらボソッと呟いていた





結局、更に15分経った後にやっとファッションショーが終わった



天后が店員に訳を話し話を聞いた店員も色々と同情したのかそのまま買ったものはタグを切るからと着て行って良いと言われた




そして着替えて試着室から出た青龍は灰色の無地のシャツに黒のズボンとなった、ズボンもまぁマシはマシであったが「青色」の主張が強過ぎた為なしとなった、上着は全然大丈夫ではあった為今着る用に買う必要はなしと判断し、更にセットで三着、別で買ってある




朱雀『わ〜青龍!すごくマシになった!!』


青龍『なんか朱雀に言われると腹立つな』


大陰『でも今回は朱雀が正しい、次あんな格好で来てみな、美澪と歩く時悪いけどお前から美澪引き離すから』




と、色々ギャーギャー騒ぎながらも式神達は店を後にした

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