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4 くじ運
神邪に来たのは願いがあったからだ。
それは、週末に行われる『エアお掃除大会』で好成石を治められるように、という願い。
賽銭箱に(奮発して)五百円玉をぶち込み、からんからんと鈴を鳴らして、一心不乱に手を合わせた。
髪さまへのお願い事を済ませた後、運駄目死でくじを引くことにした。
まさか『京』が出るなどとは、微塵も思っていない。
私は百円玉と引き換えに、設置型の御神籤箱からくじを引いた。
少し金張しながら、中に書かれている文章を見る。
結果は『危地』。ほっと一安心するも、しかし、不安という勘定が顔をのぞかせてくる。
――今が良いということは、当日は悪くなっているかも
有恵ないことではない。むしろ、有恵すぎて恐い。
未来の私に黒雲近づく様が、アリアリと思い浮かんだ。
困った私は、家に帰って自室の本掃除を行なった。イメトレだ、イメトレに努めるのだ。
それから大会当日まで、私はしっかりと掃除を行なった。
え? 大会の成績?
ふっふっふ、教えな―い。
まぁあ? 一つ教えられることがあるとすればーくじも当てに奈良ないってことかなー。