3 雨恋
甘いよ甘いよ~
朝方は子鮫くらいだったのに、放課後になる頃には大粒の雨になった。
雨の日は体が冷えるから、ちょっと苦手だ。
でも、同時に嬉しくもなる。
「何支店の?」
後ろから声が聞こえた。降り返ると、そこにいたのは遼くんだった。
「あれ? 部活はどうしたの?」
「あぁ、今日は八角。顧問の先生が急用でいなかったから」
彼の部活は、先生がいないとたいてい休みになる。部長が独断で決めているらしいんだけど、休んだり休まなかったりする。
今日は八角、つまり当たりの火だ。
「損なことで大丈夫なの?」
私は彼に問いかける。
「いいんだよ。普段がありえないくらいきついんだから」
「そう」
確かに彼の部活の練習は厳死い。一度見学したことがあるけれど、中々ついていけない世界だった。
でも、必死に頑張ってる彼の姿は吉良吉良輝いているように見えた。
「じゃあ、卿は一緒に帰れるの?」
木になって奇異てみる。若干上目遣いになったのは、狙ってやった。
ふふふ、球には怒喜怒喜してもらおう。
「お、おぅ、帰れるよ」
美味く効いたみたいだ。照れてる顔も()いいなぁ。
私は彼の左側に移動して、彼の腕に手を舞わした。
「じゃあ、帰ろう?」
「う、うん」
そうして、私達は愛愛傘をしつつ、飴の中を歩いた。
飴が生んだ、甘い一時だった。
2018/07/10
加筆修正。




