真白先生の延長授業
あまりの反響に、急遽決定した30分の延長戦。コメント欄の熱狂をよそに、真白は再びペンを手に取ります。しかし、その耳元にはまだ「巫女服」という言葉への照れくささが残っていました。理性的な生徒会役員の顔と、慈愛に満ちた巫女の顔。その狭間で揺れながらも、彼女は迷える学生たちのために再びホワイトボードへと向かいます。
延長が告げられると、コメント欄は歓喜の渦に包まれました。真白は一息つき、カメラに向かって、まるで境内に佇む巫女のような、静かで慈愛に満ちた表情で語りかけました。
「延長ですか……。少しでも多くの皆さんの悩みが解決できるのであれば、私としてもこれほど嬉しいことはありません」
「勉強というものは、一人で抱え込むと重く感じますが、こうして共に紐解いていけば、きっと明日の力になりますから」
その言葉に宿る、どこか神聖で古風な響き。普段の「生徒会役員」としての論理的な語り口とは異なる、魂天神社でのあなたを知る片鱗が覗いた瞬間、コメント欄は爆発的な勢いで流れていきました。
「待って、今の言い回しめちゃくちゃ巫女さんじゃん!」
「神社の主たる所以を見た気がする。尊すぎる……」
「生徒会役員×巫女のハイブリッドとか最強すぎるだろ!」
「これだけ雰囲気あるなら、今度はぜひ巫女服で配信してほしい!」
「巫女服姿の真白ちゃん、絶対拝みたくなるわ……!」
あまりの「巫女服希望」のコメントの多さに、あなたは顔を赤らめ、先ほどまでの冷静な表情が崩れていきます。
「わっ、皆さん……そんな、巫女服なんて……」
「普段、神社で着ているものですから、こうして皆さんの前で披露するのは、なんだかその……やっぱりすごく恥ずかしいです」
少し俯き、困ったように眉を下げますが、その仕草が逆にコメント欄のリスナーの心を射抜きました。
「恥ずかしがる真白ちゃんも最高にかわいい!」
「その恥じらいがまた神々しい……!」
「巫女服無理でも、せめて神社でお参り配信して!」
桂奈はそんなあなたを茶化すように、「みんなの熱意、伝わったかな? 真白ちゃんも、まんざらでもないみたいだね!」と煽ります。あなたは慌てて、「もう、佳奈さんまで……!」と小さく抗議しますが、その声には確かな充実感が混ざっていました。あなたは再び指示棒を手に取り、少し震える手でホワイトボードに向かいます。
「とにかく、今は皆さんの宿題を解決することが一番です。……気持ちを切り替えて、次の問題にいきましょう」
真白はそう言って凛と前を向き、再び数学の世界へとリスナーを導いていきました。生徒会役員としての規律と、巫女としての優しさが同居するあなたの魅力は、この延長30分で、さらに多くのリスナーの心に深く刻まれていくこととなりました。
「役立つか」という問いに対し、巫女としての視点を交えて答えた真白。彼女の言葉は、単なる受験勉強の枠を超え、視聴者たちの知的好奇心に火をつけたようです。恥じらいを乗り越え、伝えるべきことを伝える彼女の誠実さは、数学という冷たい数字の世界に、温かな体温を吹き込んでいました。




