表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~  作者: やとり
第四章 伝承の おもちゃとちゃちゃっと パーティを

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
62/212

第59話 ケーキが契機

 ユズに断ってからリンフォンを確認してみると、送信相手はクレアだった。

 しかも、二回分受信しているみたいだ。


 ……なんだろう?

 

『ハクトさん、こんにちはですわ! 先日教会で行われた食事会では、美味しいお食事をいただくことができ、とても嬉しかったのですわ。ハクトさんを始め、お食事を作っていただいた方には、とっても感謝なのですわ。それに、ご一緒にお食事をした皆さんも……』


 な、なんだか前置きがすごく長そうだ。

 と思っていたら、


『あら? メアリ、どうしたんですの? それよりも早く本題に入りましょう、ですの? ど、どうして(わたくし)がリンフォンで送信しようとした内容がわかるのですわ!? え? 声に出していた、ですわ? ……あ、今喋っていることも送信されてしまうのですわ! 一度取り消し……』


 ……クレア、多分リンフォンを使い慣れてないんだろうな。

 それで、取り消すのを間違えて送信しちゃった、っていうパターンだろう。


 ……さて、次のを見てみるか。


『こほん。申し訳ないのですわ。先ほどは、途中でメッセージを送ってしまったのですわ。……では、さっそく本題に入りますわ! この前ハクトさんに考えていただいた魔道具なのですが、ベイラさんから無事献上(けんじょう)していただいたのですわ!』


 お、ついにミキサーが完成したのか!

 それと、魔道具を献上する、みたいなことがあるんだな。


 ……王室献上品、とか言われるのだろうか?


『それで、魔道具に関わった方たちで、お祝いのパーティを開催しようかと思うのですわ! パーティではもちろん、魔道具を使ったショートケーキを出す予定なのですわ! そのために、今回は皆さんの予定を(うかが)っているのですわ。皆さんの予定が合えば、数日後にでも開催したいのですわ! それに、関係者だけのパーティですので、お友達の参加も歓迎するのですわ!』


 準備ができたら招待するって言っていたけど、魔道具が献上されてすぐに計画するとは。

 ……いや、作るのがあのパティオさんって考えたら、むしろ早い方がいいかも。

 張り切りすぎて、変な方向に行きそうだしな。


『それと、申し訳ないのですが、ソフィアさんとモニカさんにも、予定を聞いてほしいのですわ。他の方には、ベイラさんを経由して連絡をお願いしているのですわ。……それにしても、パーティが楽しみなのですわ! この前皆さんと頂いたパンケーキ、もちろんパンケーキ自体も美味しかったのですが、皆さんと食べるというのがとても良かったのですわ! それに…… あら? メアリ? どうしたんですの? あっ、ちょっと、ま……』


 ……メアリさんに強制終了させられたな。

 

 あ、ということはアキナの方も同じような内容かな? と思いアキナを見ると、アキナと目が合った。

 そして、ユズの方を見て、リンフォンを見て、またユズを見て……。

 ……もしかして、そういうことか?


 なんて思っていると、ユズが話しかけてきた。


「あっ! 二人とも終わったー?」


「ああ。俺の持っていた異世界の知識を元に魔道具の製作をお願いしてな。それが完成したみたいなんだ。アキナもおそらく、それについての連絡だと思うんだ」


「そうよ。それでね、その完成をお祝いして、関係者だけのパーティをすることになったのよ! それでね、その魔道具を使ったスイーツ、ショートケーキというものが出されるのよ! ショートケーキについては、ハクトに説明をお願いするわ」


 アキナから、わかっているわね? というような視線とともに、こちらに説明をふられた。

 俺はわかっている、という感じでうなずくと、ユズにショートケーキについて説明することにした。


「まず、パンケーキっていうのは知っているか?」


「もちろん知ってるよ! ……でも、そこそのお値段がするし、予約が必要だったりで、前に一度しか食べる機会がなかったなー。……あの時はすっごくおいしくて、またいつか絶対来たい、って思ったんだ!」


 お、食べたことがあるなら好都合(こうつごう)だな。


「それでな。そのショートケーキっていうのは、俺の世界にある食べ物なんだ。まずホイップクリームっていうのが……」


 と、俺はショートケーキについてユズに簡単に説明した。

 説明を聞いていくうちに、ユズは目を段々と輝かせていった。


「すごい! とってもおいしそう! いいなー、私も食べてみたいなー」


 ……来た! フィーッシュ!


「実はな、そのパーティは友達を誘っても大丈夫なやつなんだ。まあ、関係者だけでやるものだしな。それに、ハヤテも来ると思うよ」


「ハヤテちゃんも? それなら安心かな? うん、私も行ってみたい!」


「それじゃ、行けなさそうな日とかはあるか? すぐにでも開催したい、って感じだったけど」


「うーん。今は手伝いをするくらいだし、いつでも大丈夫かな?」


「わかった。それじゃ、日付が決まったらすぐに教えるな」


「よろしく! ……ふふふ、ケーキ、ケーキ、楽しみだなー」


 よし、ミッションコンプリート!


「話は終わったみたいね。それじゃユズ、これ、プレゼントよ!」


 と、俺がユズと話しているうちに何かをしていたアキナが、ユズにリンフォンを渡した。


「……え? これ、リンフォンだよね? ……え? プレゼントって、ええー!」


 これには、店内なのも忘れて驚いているな。

 そしてすぐに近くにいた店員さんに誤っていた。


「えっと、アキナ? これ、プレゼントって、どういうこと? 私、今日誕生日じゃないよ? あ、いや、もしそうでも、こんなに高級なもの貰えないよー」


「今日いいお店を教えてくれたお礼、それと、投資かしら? ユズのアイディアはすごいって思ったし、何よりわたしの感覚がピン! と来たのよね! それに、もっとお互い気軽に連絡し合えたらと思うの。だから、気にせず受け取ってちょうだい!」


「うーん。投資、とか言われてもピンとこないけど、私もアキナとはもっと仲良くなりたいかも! ……だから、ありがたく受け取るね!」


「遠慮なく連絡してね! リンフォンは、あそこにいる店員さんが使い方を教えてくれるわ。それと、前の魔道具で登録した相手の引き継ぎもしてくれるはずよ」


「そうなんだ! それじゃ、ちょっとやってくるー」


 と、ユズはリンフォンの使い方を教わりに行った。


「ハクト、やったわね! これで、ユズを王城に連れていけるわ! ……でも、送迎とかはどうしようかしら」


「それならハヤテに頼んでみるよ。……絶対協力してくれるし、こういったことに()けているだろうからね」


「お願いするわね! ……ユズが驚く姿も見たいけど、それより皆と仲良くできるといいわね」


「そうだな。まあ、本人の性格的には大丈夫そうだと思うけど。……ただ、気絶しないかだけは心配だな」


 魔皇(まこう)だけで、ハヤテの時の5倍だからな。


「……確かにそうね」


 なんてアキナと話していると、


「おまたせー、全部終わったよー! それにしても、このリンフォンって魔道具すっごいね! びっくりしちゃった!」


 と、ユズが戻って来た。



 軽く店内を見て周った後外に出てみると、そろそろ日が暮れそうな様子だった。

 名残惜しくはあるけど、ガレムのお店に帰ったら今日は解散することにした。


 ユズは道中、リンフォンとショートケーキの影響で、すごくうきうきだった。


 一度アキナとリンフォンでやりとりしたり、俺にはショートケーキ以外には異世界にはどんなケーキがあるの? と質問したりと、本当に楽しそうだったな。

 ……悪いことはしていないつもりだけど、ユズを騙しているのがちょっと心苦しくなってくる。


 とまあ、そんな感じで歩いているうちに、ガレムのお店に着いた。


「あー、もう着いちゃった! ……それじゃ、アキナにハクト、今日はありがとね! また、皆でどこかに出かけたいな!」


「そうね! それじゃ、またね!」


「俺も楽しかった! じゃあな!」


「うん! せっかくリンフォンを買ってもらったし、ちょくちょく連絡するねー! じゃあ、ばいばーい」 


 と、ユズはお店に帰っていった。

 少しして、


「おじいちゃん、ただいまー! あのね、さっき言ったお店でね!」


 なんて、楽しそうな声が聞こえて来た。



「それじゃ、俺たちも帰ろうか。今日はデートってことだし、途中まで送っていこうか?」


「あ、そういえばそうだったわね。すっかり忘れてたわ。……実は転移用の魔道具を持ってるんだけど、せっかくだし教会まで一緒に歩こうかしら。最後だけでもデートっぽく、ってね」


 と、アキナはデートの事を忘れていたのを気にしつつ、ちょっと笑いながら言った。


 あ、そうだよな。

 ここは異世界だし、アキナならそういった魔道具も持ってるか。


「俺のいた世界では終わり良ければすべて良し、って(ことわざ)があるんだ。最後に、ちょっとした気分でも味わえればいいんじゃないかな?」


「こっちでも、似たようなものがあるわね。……世界が違っても、人って考えることは同じなのかも」


「魔族と人間もそうだしな」


 少なくとも、俺の会った魔族、魔皇たちはそうだと思う。


「……そうね、本当に。それにしてもハクトと一緒だと、色々な発見や出会いがあるわね」


「まあ、異世界から来たしな。あ、魔皇にはアキナも会ったことがあるから、それは俺は関係ないってことで」


「ふふふっ、それは無理があるんじゃないかしら? ……それにしても、今日デートしたのがハクトでよかったわ。もちろん、ハクトの持ってる異世界の知識っていうのも興味深いけど、それがなくても、一緒にいると楽しいって思えるのよね。そんなハクトだから、色んな人と仲良くなれるのかもね」


「うーん、そうかな? でも、仲良くできるなら仲良くしたほうがいいじゃないか?」


 もちろん、気が合わない人とかはいるけど、ギスギスしているよりは笑い合っていたいからな。


「……そう考えられる人って、実は結構貴重なのよね。ともかく、これからもよろしくね!」


「ああ、もちろん!」


 なんて会話をしながら、教会まで歩いてった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ