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異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~  作者: やとり
最終章 

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第186話 神の肉()

 とりあえず他にはどんな種類が入っているのか確認すると、カルビの他にはロース、ヒレ、ハラミ、タン、モツ、と書かれたパッケージがそれぞれ数種類入っていた。

 神様のおすすめの部位とか、メジャーな部分を入れてくれた、って感じだろうか?


「この魔界牛、皆は食べたことがあるのか?」


「創造神様がお祝いの時などに提供していただけるので、食べる機会は何度もあります」


「存在は聞いたことがあるのですが、食べるどころか見るのも初めてです」


「……私は、ある。……おいしかったから、絶滅したのが、残念。……久しぶりに食べれて、嬉しい」


 リューナはないってことは、多分かなり昔に絶滅してしまったんだろうな。

 ……そんな貴重なお肉なら、やっぱり一番おいしい調理法で食べたいな。


「こんな感じでいくつかの部位ごとに分かれてるけど、おすすめの調理法とかはあるか?」


 ソフィアとメイにパッケージを見せつつ、そう聞いてみた。


「そうですね。カルビ、ハラミ、タン、モツは焼肉で、ヒレやロースはステーキにするのはどうでしょうか? ロースはすき焼き、というのもよさそうですね。それと、カルビというのはどこか特定の部位を表すものではないですね。基本的にはあばら周辺のバラ肉が使われるようです」


「え、そうなの? ……もしかして、この世界でカルビ、って言っても伝わらなかったりする?」


「この国では問題なく伝わりますね。お店でも売られていますので」


 ……そういえば、前にお肉屋さんで買ったような気がするな。

 まあ、伝わるのであれば問題ないか。


「……ソフィア。……モツは、モツ煮にしたい」


 それを聞いたソフィアは少し悩むと、


「それもよいですね。ですが、焼くのも捨てがたいです。せっかく大量にありますので、両方、というのはいかがでしょうか?」


 と、提案していた。

 ……困ったら両方、ってのはソフィアらしいな。


「……ソフィア、天才。……ハクト、それでいい?」


「俺は一度も食べたことがないし、二人が決めたメニューで問題ないよ」


 少なくとも、食に関してはこの二人に任せた方が確実、という信頼があるからな。

 ……あ、焼肉といえば。


「そういえば前に、ソフィアと焼肉のたれを作ったことがあったな。今回のお肉にも合いそうなら、用意してみるか?」


 あれならレシピもあるし、俺でも作れるからな。

 希少なお肉だし、焼くのは得意な人におまかせした方がいいだろうし。


「それでしたら、レシピを伝えてあるお店で購入するのはどうでしょうか? 高級な食材も扱っているお店でしたら、今回のお肉にも合うたれがあるかと思いますので。レシピを伝えた際、必要であればいつでもたれを提供していただける、とのことでしたので」


「あれ? 確か前に作った時はお弁当屋さんに伝える、って言ってなかったっけ?」


 そうソフィアに伝えると、ソフィアは何度か目をパチクリさせて、


「すみません、ハクトさんに伝えるのを忘れていました。レシピを伝えたお店なのですが……」


 と、どこのお店に伝えたかを教えてくれた。

 それと、お弁当屋さんでも既に焼肉弁当を販売しているようで、売れ行きは好調とのことだった


 今までは一人でレシピを作っていたので今回はつい忘れてしまったと、珍しく申し訳なさそうな雰囲気でソフィアから言われた。


「思えば、誰かと料理を作ったのはあの時が初めてですね。それが切っ掛けで、誰かと料理を作るというのも悪くない、と思えましたね。今ではメイさんやモニカさんともよく食事を作りますが、誰かと料理を作ると新しい発見があり、面白いです」


 以前は誰かと作ったことがなかったのか。

 ……そう考えると、さっき神様から言われた、俺との料理がソフィアが活動的になった切っ掛けの一つ、ということになるのかもな。



 ということで、メイはモツ煮を、ソフィアは焼肉を担当した。

 リューナも付け合わせに何か作ってくれるみたいだ。


 一方で俺は焼肉用のたれや調味料の買い出しを申し出た。

 あのメンバーなら、調理を手伝うよりそっちの方がいいだろうからな。


 とりあえず、ソフィアがレシピを伝えたという高級なお店に行き、ソフィアの名前を出しつつたれを売ってもらえるかを聞いてみた。

 そうしたら何故か、俺の名前を聞いてきたので疑問に思いつつも伝えた。

 すると、やはりあなたがハクト様でしたか、ありがとうございます! と、とても感謝されてしまった。


 なんでも、そのレシピがヒントになって様々なたれを開発することができたみたいだった。

 そのお礼にと様々なたれを大量に渡され、食事も無料で提供しますのでいつでも来てください、なんて言われてしまった。

 ……無料ってなると、申し訳なくなってむしろ行くのに躊躇してしまうんだよな。


 その事を伝えつつ断ったのだがあちらも食い下がり、結局はデザートの無料提供ということで落ち着いた。

 今度、ソフィアとかを連れて食べに来ようかな。



 教会に帰ってくると、ちょうどモニカを見かけたので夕食に誘ってみた。

 普段から、夕食はソフィアたちと食べているみたいだしな。


 モニカに今日のメニューを伝えたところ、


「焼肉のたれ、というのは以前ソフィア様からいただいた焼肉弁当で使われていた調味料ですね。以前んの味とどう違っているのかも楽しみです! 残っているお仕事が終わりましたらお邪魔させていただきますね」


 という反応が返ってきた。

 そういえば、前に試作した焼肉のたれを味見してもらったんだったな。


 モニカとまた後でと別れ、調理場に戻るとソフィアが収納の魔法から何かを取り出していた。


「ハクトさん、お帰りなさい。これから焼肉のセットを準備しますので、手伝ってもらえますか?」


 焼肉のセット? と思いつつ、まあ他にやることもないしと手伝うことにした。

 モニカも含めた五人分の焼き台と、煙を吸う魔道具を天井からつるすのを手伝った。

 ……希少なお肉とはいえ、本格的すぎるな。


 あ、けど、このセットは俺の家にも欲しいかも。

 後でソフィアに聞いて買いに行こうかな。



 何だかんだと準備しているうちに夕食時になり、モニカもやってきたことで食事を始めることにした。

 リューナはお肉を巻く野菜、サラダ、ご飯、スープを用意してくれていた。

 それと、ソフィアはタンの半分はタン塩として用意してくれていた。


 さて、いただきますか。


 やっぱり最初はさっぱりとタン塩かな?

 ……と思ったけど、焼き加減とかはどうすればいいんだろうか。


 どう焼くかを悩んでいると、隣に座っていたリューナがそれを見兼ねてサポートしてくれた。

 リューナにお礼を言いつつ、タン塩を口に運ぶと、程よい歯ごたえとともに旨味が口いっぱいに広がった。

 しかも、噛めば噛むほど旨味が出てきて、旨味に溺れそうになるほどだ。


 塩だれもレモンを効かせてさっぱりさせつつ、肉本来の旨味を活かすために塩分は控えめだった。

 流石はソフィアだな。


 他の皆もおいしいみたいで、モニカやリューナは目を閉じて味わっていた。


「……やっぱり、すごくおいしい」


「そうですね。何度食べても感動する味です」


「魔界牛、初めて食べたけど本当においしいな」


「こちらは魔界牛というの名前なのですね。魔界にいる牛のお肉、ということでしょうか? 魔界のお肉は前回の旅行でもいただきましたが、こちらはよりおいしく感じますね」


 と感想を言い合っていたが、


「これは、絶滅するのもわかる味ですね……。いなくなってしまったのが、本当に残念です」


 とリューナが口にすると、モニカのお肉を焼く手が止まった。


「え、ええと、リューナさん。今、絶滅、と言いましたか?」


 あ、そういえばモニカは知らなかったな。


「そうですね。魔界牛は昔魔界に生息していた牛なのですが、あまりのおいしさに絶滅してしまいました。今回は、天界で育てているお肉を創造神様からいただきました」


「そ、創造神様からですか!? しかも、天界で育てているお肉を!? ど、どうしましょう!? お祈りもせず食べてしまいました」


 ……そういえばここは教会で、モニカはそのシスターだったな。

 いや、どっちも忘れてはいなかったんだけど、なんというかソフィアの家みたいな印象が強すぎたというか。


「モニカさん、そのお肉はそろそろ大丈夫そうですので、お皿に上げますね」


「あ、ありがとう、ございます。……さらに、ソフィア様によって焼いていただいたお肉になりました」


 ……あかん、ますますモニカが大変なことに。


「あー、えっと、モニカ。そのお肉なんだけど、俺が神様から皆で食べて、とお土産としてもらったものなんだ。だからそんなに緊張しないで食べて欲しいな」


「……そういえば、ハクトさんは創造神様に直接会えるのでした。……そうですね。そう考えますと、そこまで恐縮する必要はないように思えてきました。ハクトさん、ありがたくいただきます」


「お、おう」


 ……俺がモニカを落ち着かせようと言ったことではあるんだけど、何というか、げせぬ。

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