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「お兄ちゃんは、パパと一緒に行くの?」
「そうだなぁ。出来ればそうしたいと思ってる。でも、大学の方がなぁ…」
お兄ちゃんもまだ、割りきれてないんだ。
「なぎさは、どうするんだ?」
「わたしも、お兄ちゃんと一緒だよ。友達と離れるのも寂しい」
「そっかー。お互いに焦らずに考えることだなぁ…」
お兄ちゃんの言葉に頷くだけしか出来なかった。
わたしは、本当はニューヨークになんか行きたくない。
だけど、パパとママを引き離すことはできないし…。
先輩の笑顔をずっと見ていたい。
どうしたらいいの?
わたしには、どうすることも出来ないの……。
「「エーーーーッ。ニューヨークに引っ越すだって」」
次の日の放課後。
わたしは、二人に昨日の事を話した。
「ちょ、ちょっと声が大きい」
わたしは、慌てて二人を嗜めた。
「それ、本当なの?」
「うん。家族全員で、向こうに住もうってパパに言われた」
「そっか…。じゃあ、大沢先輩の事どうするの?」
未久ちゃんが聞いてきた。
「……諦めるしかないよね」
肩を窄める。
「なぎさ。本当に諦められるの?」
真奈が、わたしの目を覗き込んできた。
「諦めきれるはず無いじゃん!どうしたらいい」
わたしは、二人に縋る。
「お兄ちゃんに告白しちゃいなよ。それが一番手っ取り早いって」
真奈が、他人事みたいに言う。
「真奈。簡単に言わないでよ。小心者のわたしに出来るわけ無いでしょ…」
情けないけど、そんな勇気わたしには、無い。
振られるのが怖い。
「当たって砕けろだよ、なぎさ」
未久ちゃんが、力強くわたしの手を握ってくる。
「でも……」
「でもじゃないよ。このまま気持ちも伝えられずにサヨナラしてもいいの?」
「それは……イヤ」
わたしの気持ち、知って欲しいって思ってる。
「だったら、なおさら言わなきゃ…ね」
真奈の真面目な声にわたしは。
「二ヶ月間の間に心の準備させて。出発の前に先輩に言うから…。それまで、黙って見ててくれない。それで最後だから…」
自分の気持ちを二人に告げた。
「わかった。なぎさの思う通りにしなさい。その代わり、何も手伝わないわよ」
「うん。ありがとう」
わたしは、二人にお礼を言うので、誠意一杯だった。




