9.ムラザメはレベルを上げる
さて、そろそろ主人公も戦わせないとなぁ……
(源徳 村雨視点)
「あ、そういやエンムスビともパーティー組んでなかったし、この際一気にやるか」
ーピロリン♪
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[エンムスビにパーティー申請しました]
[破滅ヶ原☆グロサリーヌにパーティー申請しました]
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「あ、通知来たんで承認しマッス!」
「ボク様も承認するよ☆!」
ーピロリン♪
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[エンムスビとパーティーを組みました]
[破滅ヶ原☆グロサリーヌとパーティーを組みました]
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「よし、こんな感じで良いな」
こうして、俺達3人はパーティーを組んだ。
これで経験値は活躍に応じた割合でパーティー全員山分けになるし、財産も共有扱いになる。
「……そういや、グロサリーヌ様はどんだけ金持ってんだ?」
「ん☆?」
「いや、今後は財産も共有扱いになるだろ?……だから事前の額ぐらい聞いとこうと……」
「ちなみに私達はほぼ一文無しデッス!」
……悲しいが、俺達がほぼ一文無しなんで殆んどはグロサリーヌの稼ぎになる訳だが……ん?
「ありゃ?……共有財産、雀の涙なんだが……」
「え、そんな筈は……って、私達の稼ぎから殆んど増えてマッセんよ!?」
いったい、どうして……
なんて、考えるまでもねぇ。
「……グロサリーヌ様、貴女も金無しか……」
「ハ~ッハッハッハ☆!……そう不安がらなくても、すぐに稼ぎは出してみせよう☆!」
「いったいどうやって……あ、報酬の外殻を売るのか?」
「いいやこれは断じて売らないよ☆!……そうじゃなくて、今から街の外で荒稼ぎするのさ☆!」
「……………は?」
「グロサリーヌさん、本気で言ってマッス?」
……あ、これ面倒な予感がガンガンするんだが……
で、それから十数分後、北門前の岩地にて……
「ギャギャギャ!」
「ギャギャ!」
ーピロリン♪
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[モンスターと遭遇]
種族名:ドラゴニックラプトル
個体数:20体
レベル:15
備考:小型のドラゴン。
集団で獲物を追い詰めて狩りをする。
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俺達の視線の先に居たのは、こちらへ向かって一心不乱に走って来る小型竜ことドラゴニックラプトルの大群。
しかし、グロサリーヌがその前に立ち……
「ハ~ッハッハッハ☆!……【トリプルメテオ】☆!」
ードンッ!ドンッ!ドンッ!
「ギャボッ!?」
「ギャブッ!?」
「か~ら~の~……隕石に【クラスターボムズ】を付与して爆破☆!」
ードッカァァァァァァァァァァァァン!
「グギャッ!?」
「グ……グギャァ……」
……グロサリーヌは【トリプルメテオ】で3つの隕石を数体の小型竜へ直撃させた後、その隕石を【クラスターボムズ】で爆破させるという悪魔の様なコンボを発動して小型竜の大群を壊滅させていた。
「う~ん、やっぱり56ともなると簡単にレベルは上がらないか☆……そっちはどうかな☆?」
ーピロリン♪ピロリン♪ピロリン♪ピロリン♪
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[モンスターを討伐]
[レベルが3に上がりました]
[レベルが4に上がりました]
[レベルが5に上がりました]
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「あ~、絶賛レベルアップ中だ……」
「私もデッス……」
グロサリーヌはレベルが56なのでそう簡単には上がらないが、俺やエンムスビは全く活躍してないにも関わらず一気にレベルが5にまで上がった。
だが、グロサリーヌは満足しておらず……
「ん~、まだ足りないよね~☆」
「「え?」」
で、更に十数分後、南門前の荒野にて……
『ギギギ……ギピー……』
『ギギガガ……ピピー……』
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[モンスターと遭遇]
種族名:ロストアンドロイド
個体数:5体
レベル:20
備考:失われし古代文明のアンドロイド。
既に壊れ、目的もなく彷徨うだけの代物。
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次に俺達の前に現れたのは、かなり壊れまくった人型のアンドロイドだった。
が、これの末路も同じく……
「ハ~ッハッハッハ☆!……【トリプルメテオ】☆!」
ードンッ!ドンッ!ドンッ!
『ギギ……』
『ギガ……』
「か~ら~の~……隕石に【クラスターボムズ】を付与して爆破☆!」
ードッカァァァァァァァァァァァァン!
『ギピー!』
ーボンッ!
……うん、ロボットが爆発四散した。
ーピロリン♪ピロリン♪ピロリン♪
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[モンスターを討伐]
[レベルが6に上がりました]
[レベルが7に上がりました]
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「……何か、レベルアップのペースが落ちたな」
「ま、何もしてなかったらこんなもんデッスよ」
そうだよな……
じゃあ、こっから頑張って……
「むむむ☆……よし、次の場所へ行こうか☆!」
「「へ?」」
ま、またか?
また別の場所へ行くのか……
勘弁してくれよ……
で、更に更に十数分後、西門前の沼地にて……
「アァ~……」
ーピロリン♪
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[モンスターと遭遇]
種族名:ゾンビ
個体数:10体
レベル:25
備考:死してなお蠢く死体。
噛まれれば細菌感染で命はない。
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ーカタカタカタ……
ーピロリン♪
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[モンスターと遭遇]
種族名:スケルトン
個体数:10体
レベル:25
備考:死してなお蠢く骸骨。
粉々に粉砕しない限りは止まらない。
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……今度の相手はゾンビにスケルトン。
とはいえ、そこからの流れは先程までと全く一緒なので割愛して……
ーピロリン♪ピロリン♪
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[モンスターを討伐]
[レベルが8に上がりました]
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「やっぱり、突っ立ってるだけでどうこうなるのはここまでか……」
「そろそろ、私達も戦うべきデッスね……」
「うぬぬ☆……なら、もっと強いモンスターが湧く場所に行こうかな☆?」
「勘弁してくれ!」
「か、勘弁して欲しいデッス……」
これより強い場所って、絶対この街から離れるだろ……
俺はしばらくここを拠点にするつもりだから、1番レベル上げに良いのはここなんだよ!
そう思っての拒否だったのだが……
「ふ~む☆……じゃあ、ここでレベル上げとドロップ品集めのデスマーチに挑むとするかな☆!」
「……あ、これ絶対に駄目なスイッチ押しちゃったかもしれねぇな……」
「ムラザメさん、恨みマッスよ?」
ここから始まるのは、レベル上げという名の苦行。
……いったい何レベルになれば解放されるのか、俺には皆目見当もつかないのだった……
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(??視点)
……ああ、この街に来るのも2ヶ月半と少しぶりだ。
僕も最初の1週間程度は、ここで地道にレベル上げをしていたっけ……
……なんて、現実逃避はいけないね……
「おい愚弟!……わざわざ最初の街に居るオレの所に逃げて来るなんて、随分と弱気になったもんだなァ?……あァん?」
「うぅっ……そうだよ、姉さん……僕は圧倒的な支配の暴力を前に、ワープ機能でここまで逃げて来た臆病者でしかないのさ……」
「ったく……テメェはオレと違ってサービス開始時点から順調に進んで、四大クランの一角を率いる団長にまでなったってのに何だァ、そのザマはァ!」
「……本当に、今の僕は無様さ……これでは、僕に付き従ってくれた者達に示しがつかない……」
今の僕は、始まりの街に居る姉のもとへと逃げて来た臆病者だ。
……もう、最前線で戦うなんて無理だよ……
「ハァ……こりゃ仕方ねぇかァ……おい!」
「っ!……は、はい!」
「テメェは顔も知れてるし、ここで暮らす間はこの装備を着とけやァ!」
「……え、何これ……着ぐるみ?」
僕が姉さんから渡されたのは、可愛い兎の着ぐるみだった。
「そりゃ[ウサちゃんの着ぐるみ]って名前のネタ装備だァ!……オレはジョブの関係上、たまに孤児院が併設された教会に顔を出しててなァ……子供にウケるかと思って買ってたんだァ……」
「な、なるほど……元ヤンの姉さんらしくはないと思ってたよ……」
ただまあ、僕の顔は隠すのには充分そうだ。
「つっても、長居はすんなよォ?……テメェを慕う奴等は山程居るんだからなァ……」
「分かってるさ……そう、僕だってそのぐらい分かってるつもりだったのに……」
自分でも分かる、これは重症だ。
……早く、どうにかしないと。
「……焦んなよォ?」
「うん、焦らないよ……僕は、焦れない……」
そうして、僕は着ぐるみを身に付け始めた。
……まるで、僕というプレイヤーに関する全てを覆い隠す様に……
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