表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/77

60.プレイヤー達はモヤる

土骨戦、何とも言えない結末で申し訳ございません。

(源徳 村雨視点)


「……ったく、次から次に何なんだよ……」


現状、俺は理解が追い付いていなかった。


キリギリスが天使に進化したり、土骨があっさりやられたり、かと思えば残りの七怨将が霊魂の状態で現れたり……


あ、霊魂が徐々に形をとり始めたぞ?


「全く……1体だけ先走った結果がこれとは、目も当てられないでありんすね~……」


ーピロリン♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[オンリーワン・ユニークモンスターが出現]

個体名:夜蝶将軍 月目

種族名:レイス変異個体

個体数:1体

レベル:6000

備考:檮杌に仕える七怨将の一角。

   色欲に溺れし、生きる伝説と呼ばれた花魁の霊。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


遊女の様な姿へ変形した霊魂……レイスの月目は、先走ったらしい土骨に呆れていた。


「ゾハハハハハハ!……いくら我様が()の代理で来たとはいえ、これが我様達の()と同格な七怨将の一角とは情けねぇったらありゃしねぇなぁ!」


ーピロリン♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[オンリーワン・ユニークモンスターが出現]

個体名:キャプテン・ゾハレア

種族名:ゴースト変異個体

個体数:1体

レベル:800

備考:"海奪将軍 水血"の船長を務める船幽霊。

   生前は高名な海賊であり、今なおその腕は健在。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


海賊の船長らしきゴーストへ変形した男の霊魂は、自身を代理だと称しつつも土骨を情けないと評価していた。


「……ウ~ガァァ~……」


ーピロリン♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[オンリーワン・ユニークモンスターが出現]

個体名:腐竜将軍 火臓

種族名:ドラゴンゾンビ変異個体

個体数:1匹

レベル:6000

備考:檮杌に仕える七怨将の一角。

   嫉妬に駆られ、暴君へ反旗を翻した逆賊竜。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


全身がズタボロなドラゴンゾンビへと変形した霊魂は、ただ唸り声を上げるのみだった。


「……う~、腹減ったアル……」


ーピロリン♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[オンリーワン・ユニークモンスターが出現]

個体名:屍拳将軍 木舌

種族名:僵尸(キョンシー)変異個体

個体数:1体

レベル:6000

備考:檮杌に仕える七怨将の一角。

   暴食の衝動に呑まれた、ある道士の成れの果て。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


頭に札を着けた女僵尸(キョンシー)へと変形した霊魂は、苦しそうに空腹を訴えていた。


「ダルイ……ネムイ……メンドウクサイ……」


ーピロリン♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[オンリーワン・ユニークモンスターが出現]

個体名:乾砂将軍 日皮

種族名:マミー変異個体

個体数:1体

レベル:6000

備考:檮杌に仕える七怨将の一角。

   怠惰に眠る、古代王朝の支配者。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


全身包帯まみれのマミーへと変形した霊魂は、面倒そうに譫言を並べていた。


「土骨……無策に敵を増やして討ち死にとは、軟弱な愚か者め……」


ーピロリン♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[オンリーワン・ユニークモンスターが出現]

個体名:斬首将軍 金脳

種族名:デュラハン変異個体

個体数:1体

レベル:6000

備考:檮杌に仕える七怨将の一角。

   傲慢に他者を見下す、冷酷な騎士。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


首から上が無い漆黒の馬に跨がるデュラハンへと変形した霊魂は、土骨を軟弱な愚か者だと言い放った。


……うん、土骨を除いた七怨将が横並びで勢揃いしたってのに、ここまで心踊らねぇとは……


やっぱキリギエルの衝撃がデカ過ぎたな。


「う~ん、とても申し訳ないんだけど……僕としてはキリギエルの後だと少しインパクトが……ね?」


「……こ、こうなるのはわちき等だって分かってたでありんすよ!……しかも本体じゃない分霊だから今すぐ蹂躙する事も出来ないでありんすし!」


「へぇ、そうなのか……」


……うん、絵面だけはギャグみてぇだ。


つっても、絵面だけだがな。


……もしも、この七怨将共が本体だったら俺達は為す術なく蹂躙されていたんだろうな。


とか思ってると……


「ちぇっ……せっかく俺様がキル数を最大限まで貯めて来たってのに、土骨は虫共にやられるわ、他の七怨将は本体じゃなさそうだわで散々だなぁ……」


あ、ヴァルメリドさんが何かボヤいてやがる。


……まあ、俺だって不完全燃焼感は否めねぇけど、こればっかりは仕方ねぇよ。


何せ、よく分からねぇキリギリスが変な形で覚醒しちまったんだからな。


「ま、これはわちき等なりの宣戦布告でありんすよ。……土骨は半ば自滅する形で滅んだでありんすけど、わちき等は同じ末路を辿るつもりもないでありんすからね」


「ゾハハハハハ!……それにしたって、まさか大厄災の眷属が顕現するなんて筋書きは我様も予想外だったがなぁ!」


「本当にな。……いくら土骨が愚か者だったとはいえ、そこにだけは同情しよう」


「……その大厄災について教えて欲しいんだけど、どうせ教えてくれないんだよね?……僕だって流石に学習したよ」


七怨将も大厄災については知ってそうだが、教えちゃくれねぇだろうな。


「当たり前でありんすよ。……ハァ……出来ればもう少し格好良い登場がしたかったでありんす……」


「ゾハハハハハ!」


「笑うなでありんす!……ったく、天使の顕現なんて聞いてないでありんすよ!」


「……では"異界の使徒"共よ、さらばだ……」


ーフッ……


「あっ……本当に何だったんだろうね、あれ……」


結局、七怨将の分霊は変な宣戦布告だけして帰って行った。


……多分、本来の想定じゃ土骨を倒すか追い詰めた辺りで格好良く登場する予定だったんだろうが……キリギエルの覚醒で全てがグダったとかそんなんだろ。


「……あ~うん、えっと……総員、ドロップ品がないか確認した後に解散する様に!」


「えぇ~……」


「何この感じ~……」


「しっくり来ない……」


「釈然としない……」


「モヤモヤする……」


「不完全燃焼……」


うん、その、何だ。


こうして、俺達の土骨討伐戦は何だかスッキリしないままに幕を閉じた。


……俺達は何のために戦ったのか、この戦いで何を得たのか……


俺達には、皆目見当もつかなかった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(30分後、ラビリー視点)


「……で、これはどういう事だヨ?」


せっかくプレイヤーが一致団結して討伐しようとしていた土骨が討伐されて30分。


けれど、それに対するプレイヤーの反応は歓喜じゃなくて炎上する程の困惑と怒りだったヨ。


『そう言われても、吾輩はキリギエルなんて知らないのだよ!……それに、本来なら大厄災は吾輩のアバターが務める筈だったのに……』


「いや開発者がラスボスって、絶対に総スカン食らう要素だヨ!……って、それが本当なら霞サンは何も知らないって事かヨ……」


『そうなのだよ。……ラスボスの座そのものが、何者かに乗っ取られてるのだよ!』


「……頭が痛くなって来るヨ……」


ただでさえ七怨将が独自の暴走を開始してるってのに、その上で正体不明の相手からラスボス乗っ取りまで起こされてるとか……


本気でこの仮想世界(ゲーム)は終わってるヨ……


『吾輩としても、今回の件は残念なのだよ……土骨を討伐したプレイヤー達の歓喜した姿を見れるかと思っていたのに、現実はああもモヤモヤが残る決着だなんて……』


「……ハァ……この仮想世界(ゲーム)に、いったい何が起こってるんだヨ……」


……ほんと、嫌になるヨ……


暴走する七怨将にイレギュラーな天使、挙げ句の果てに何者かによって乗っ取られたラスボスの座……


『ラビリー、この件で協力を要請するのだよ』


「……正気かヨ?」


ハァ……運営チームから離れても、アテシはトラブルからは逃れられないみたいヨ……


アテシはそう思いつつも、プレイヤーのために霞サンの言葉へ頷くしかなかったヨ。

ご読了ありがとうございます。


次回、掲示板回。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ