1 魔法と超能力
またもや自己満足作品です。
1作者にはセンスが無い
2作者には文才が無い
以上の点に注意してお読みください。
魔法、というものが正式に発見されてから70年。第2次世界大戦直後に発見されたそれは、一時は科学技術を超える存在かとも思われたが、あまりそうでもないことが分かった。
まず第1に、誰でも使えるわけではないこと。
第2に、機械や科学技術への応用が非常に難しいこと
第3に、そもそも論理的な証明がまだまだ進んでいないこと。
さらに面倒なことに、そこへ魔法とは別に超能力が存在することが分かった。これが、1970年代の話である。
これは、それまで無名だった山口県のど田舎にある大学の大学教授、仁科正行教授の発見で、間違いなく魔法とは別に超能力が存在することが証明された。
これによって魔法の研究は飛躍的に・・・は進まなかった。まだまだ基礎的な部分が不明なのだ。
ただ、国際情勢は基礎基本が不明であってもお構いなしであった。
現代の戦争は“兵器と魔法使いと超能力者”を武器とし、何度も戦争が行われてきた。
アメリカの超能力研究の第一人者、H・E・マグファクエル博士により、アメリカにはロサンゼルス市沖合に“第2カタリナ島魔法学校”が作られた。これを皮切りに、世界各国に“魔法学校”や“超能力者学校”が作られていったのであった。
そのうちの一つ、日本国政府の作った“長門島魔法学校”は仁科教授を初代学長として作られた、山口県長門市沖合にある巨大な人工島にある学校である。
2015年。この学校に俺は入学した。
いや、正確には“転校してきた”。
何でも俺には魔法か超能力の素質があるとか言うことで日本政府(正確には総務省)から直々の招待状をいただいたのであった。
トヨタ自動車のプラドという8人乗りSUV車を運転して故郷の広島から山口へ向かう。
近年は若者が減ったため労働人口確保のために日本政府は積極的に若者を社会へ送り出そうとしている。そのうちの一つが、免許・資格取得可能年齢の引き下げだ。これにより大半の免許・資格が16歳からとれるようになったのだが、20歳以下は通常よりも厳しい試験内容となっており、逆に18~20歳までの免許取得者が減ったというアホな一面も持っている。
中国自動車道から長門自動車道に入る。長門市はこの魔法学校のおかげで交通の便が良くなり、人口がうなぎのぼりだ。他の過疎化に悩む都市からはうらやましがられている。
それには、実は他の理由もある。
それが、国防陸軍基地だ。
超能力、魔法はかなり“国家機密”といった一面も強い。そうなるとすぐに何でも対応できるように国防陸軍基地が長門市に建設された。さらに海上保安庁基地が建設され、長門島魔法学校沖合には常に巡視船1隻以上と護衛艦1隻以上が警戒しているとのうわさだ。
長門市の中心部を通り抜け、長門島大橋に出た。長さおよそ10kmの道路鉄道併用橋だ。簡単に言ってしまえば瀬戸大橋みたいなものだ。
橋の入り口には高速道路の料金所ようなゲートがあった。
「身分証を見せてください。」
警備員が言ったのではない。警察官が言った。
山口県警、特に北長門署はここの警備にずいぶん力を入れている。何て言ったって警備の警官が常に防弾チョッキを着ている。さらにここには山口県警特殊対処部隊、通称“YSCT”(Yamaguti Special Coping Team)の分駐所があり、常に短機関銃で武装している。
様々な意味で、物々しい雰囲気だ。
免許証を見せ、招待状も一緒に差し出す。
「あ、はい。お話は伺っています。どうぞ。」
警察官はにこやかにゲートを開けてくれた。
橋を渡り終えると、巨大な学園に到着した。
「学園と言うよりも町だな、こりゃ。」
ボソッとそう言いながら、どこに車を駐車すればいいのか、どこに行けばいいのかもわからずしばらく島内をドライブした。
島内はいたって普通であった。いや、きれいであったというべきか。景観が随分と考えられてあったり、公園が随分きれいに整備されていたりととにかく快適に生活できるようにしてあった。
しばらくして諦めて適当な駐車場にプラドを止めた。
「おや、あなたは・・・」
プラドを降りてすぐに、声をかけられた。
「転校されてきた方ですか?」
「え、あ、はい。そうです。」
反射的にそう答えた。
「やっぱりそうでしたわ!さっきからここを何度も通ってらっしゃるからそうではないのかと思っていたのです。」
よくわかったな~、確かにここら辺は3度くらい通ったけど。
「私、生徒会長の柊美耶と申します。それではご案内しますね。」
「あ、はい。ところで・・・」
柊さんはどこか上品そうに振り返る。
「はい?」
「車・・・どこにとめればいいんでしょう?」
結局、柊生徒会長をプラドに乗せて、“生徒会館”という所へ向かうことになった。
生徒会館は、島の中央部にあるレンガ造りで大半がガラス張りの建物だった。
「でかいな・・・」
思わずつぶやいた。こんなデカい建物山口県には・・・、“下関の黒ビル”くらいかな?
まぁ、見る限りこの島にある建物は大半こんなデザインなのだが。
「そうですか?東京にはこのような建物が多くありましたが・・・。」
「そりゃあ、東京と比較しちゃあねぇ・・・」
プラドを駐車場に駐め、柊生徒会長について行く。
15階にある“生徒会長室”へ到着した。
生徒会長室は日本海を一望できるとても見晴らしのいい部屋だった。
「それでは、いくつか質問させてもらってもよろしいかしら?」
「はい。何でしょ?」
「あなたは・・・本当に魔法と超能力の両方が使えるの?
八島渡君。」