スーパーヒーロー?フレア(仮称)
僕は形から入るタイプ。
思い立ったが吉日、熱が入っているうちにさっさとスーツデザインを考えてしまおう。
——しかし三十分後。
「ンァ!思いつかないねん!」
大体なんだよ黄色い空飛ぶワニから力をもらった太陽のヒーローって。
宇宙忍者でもまだマシな始まり方だぞ。
何度でも言おう。
僕は形から入るタイプ。
スーツデザインより先にスーパーパワーを身につけるのが先では無いか?
一応家の近くにある人気のない公園に移った。
スーパーヒーローは謎の存在でなくては。
「ファイヤー」(不発)
「波動拳」(不発)
「サンビーム」(不発)
「ワニワニビーム」(不発)
「なんなんだよ!もう、またこれだ!」
直射日光を浴びすぎた様だ。シャツの胸元が焦げ始めて香ばしい香りがする。
早急にエネルギーを放出しなくてはならない。
「全くもう。ンニィィィィィィ!」
その時想像もしていないことが起こった!
僕の両手からゴムボール程のサイズの光弾が放たれたのだ。
その光弾は僕の意思に反して二重螺旋の弧を描いて直進し、公衆トイレの壁を粉砕した。
「ッグァァァ」
男の悲鳴が聞こえた。
そして同時にハンドバッグをもぎ取った女性がかけて逃げてきた。
僕は急いで作りかけのスーツ(メッシュの目出し帽)を被った。
「どうしましたか?(イケボ)何かお困りでも?(人ごと)最近はコンクリートが脆くていけませんねぇ?」
女さんはまるでコンクリートを気にせぬ様にすがってきた。
「ありがとうございます。私あの男に襲われていたところ突然コンクリート壁が崩れて逃げることができました。ナニかお礼をさせてください」
想定外の感謝にキョトンとしたが、
「なあに、当然の事ですよ。なんたって僕はスーパーヒーローフレア(仮称)ですから」
「ありがとうフレアマン!」
女が休日のヒーローショーみたいな返事をした。
これで今週の町内ニュースで話題持ちきりやな。
調子に乗った俺は、
「あの悪党、僕が懲らしめても構いませんね?」
女は言う
「とっちめなくていいけど去勢か強制送還して」
OK牧場!




