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第40話 : 消えた星、あるいは斧は二つの道を見ない

今回は——イタンの物語を離れ、

遥か北の凍てつく荒野へ。


星が一つ消えた夜、

シャーマンは族長のもとへ

急ぎ足で向かいます。

割れる薪の音と、吹き荒れる氷の嵐が混じり合い、炎は強風に必死に抗っていた。遠くから、ヴォルガーの群れの長い遠吠えが響いてきた。


シャーマンは身じろぎもせず、炎を見つめたまま座っていた。


シャーマンの暗い黄色の目には炎の輝きが映り込み、年老いた蒼い肌を照らし出していた。長い白髭が風に揺れるなか、彼は朽ちた木の切り株に腰を下ろし、白い獣皮の外套をまとっていた。節くれだった木の杖が雪の吹き溜まりに突き刺さったまま、凍てつく風の前に微動だにしなかった。


「さて、どうしたものか……」とひとりつぶやきながら、眉をひそめた。


あたりを神経質に見渡し、もう一度空を仰いだ。立ち上がると、外套の裾が傍らに置かれた小さな箱に引っかかった。


「おかしい……ここ何年も、祖先がこれほど沈黙したことはなかった」とぼそりと呟いた。白い雪の上に散らばっているルーン石を見つけ、じっくりと眺めた。


「なに……?」と呼びかけるように、凍てつく風の中に問いを投げた。


素早くルーンを掌に集め、雪を払い落として急いで箱に収めた。すぐに族長に知らせなければならないとわかっていた。雪を踏み分けて進みながら、空の一つの星が瞬いて消えるのが見えた。これで確信した。歩みを早め、革のフードを目深に引き下ろした。嵐が彼に抗うように、目的地へと向かう足を止めようとした。


天幕の入口の前で、二人の巨漢のオークが大きな斧で道を塞いだ。


「族長は今、誰も迎えぬ!」と一人が怒鳴った。


シャーマンは驚きのあまり立ち止まった。このようなことは、これまで一度もなかった。


「族長に急ぎお伝えしなければならないことがある!」と衛兵に叫び返した。


「通せ」と天幕の奥から重く低い声が響いた。


戦士たちが武器を引き、シャーマンが入れるよう道を開けた。奥の獣皮の玉座に、巨大なオークが座っていた。その足元では銀色の毛並みを持つ大きなヴォルガーが横たわっており、シャーマンの姿を見ると警戒の唸り声を上げ始めた。族長はただ足を踏み鳴らして黙らせると、獣はすぐに地面に頭を伏せた。族長の太い腕は巨大な斧を握り、その刃を砥石でゆっくりと撫でていた。


「グロム=アッシュ」とシャーマンが挨拶した。


「グロム=アッシュ」と族長が答えた。手を止めることも、目を上げることもなく。「そんなに急いで、どんな知らせを持ってきた?」


シャーマンは片膝をつき、雪を引きずった跡を残した。


「星が……」と言いかけ、言葉を止めた。


族長が眉を上げ、砥石を持つ手を止めた。


「星、と言ったか?」


「はい。消えました」とシャーマンが言葉を継いだ。


族長は玉座から立ち上がり、斧を下ろして重い足取りで近づいた。


「立て、友よ」と肩に手を置いた。「何が起きた?」その目に鮮烈な好奇心が燃え上がった。


「今日、目にしました」とシャーマンは族長の目を真っ直ぐ見据えた。「祖先がついに我らに徴を与えた。」


その言葉に族長が短く笑った。


「それは実に良い知らせだ!ずっとこの時を待っていた」と族長の声が低く重く、天幕の内部に満ちた。「ルーンは真実を語る、シャーマンよ。我らの黄金の時が来た!」


オークの朗々とした笑い声が天幕の壁に響き渡り、幾世代も族には聞こえなかった野性の喜びを運んだ。


「これほど良い知らせは長年なかった。百八十の冬、この徴を待ち続けた。」


族長は勢いよく振り返り、獣皮の玉座へと歩み寄った。巨大な斧を掴んで高く掲げ、怒りの目で友のもとへ戻ってきた。突然武器を振り下ろした——重い刃がシャーマンの蒼い頭のすぐ横の空気を切り裂き、白い老髭を揺らして風を残すだけだった。族長は目に見えない敵に致命の一撃を放つような姿勢で静止した。


「今こそ我らの時だ!」と叫んだ。暗い瞳に燃える炎を、シャーマンはかつて族長の父の目にも見たことがあった。「氷の巨人どもが我らの領土にますます大胆に踏み込んでくる。奴らの影が我らの狩場に落ちている。」


シャーマンは黙っていたが、頭の中では疑念が渦巻いていた。


『巨人との戦いが、どうして黄金の時をもたらすというのか?』と苦く思った。


族長は、まるでその心を読んでいるかのように近づき、斧を地面に置いて、蒼い肌のオークの肩に重い手を添えた。


「お前が不安を抱えているのが見える」と族長が言った。


シャーマンは深く息を吸い、黄色の目を指導者へと向けた。


「星が消えるとき、それは祖先の一人がヴォック'ナルへ旅立ったことを意味します」と声を止め、その言葉が天幕を満たす静寂の中に重く響いた。「しかし、族長……氷の巨人との血の流れが、なぜ我らへの祝福となるのか、いまだ理解できません。」


肩を掴む族長の手に力が込められ、もう一方の手が斧の柄を握り締めた。


「我らにとって勝利とは、永遠の放浪と資源を巡る争いの終わりを意味する。これが黄金の時代の始まりだ。」友の肩を叩いた、その力で圧倒されそうなほどに。「生存のための戦争の終わり。祖先が我らの側にいるなら、奴らを地の果てまで追い払い、この大地すべてを我らのものとする!」


族長は最後の勝利の証として斧を高く掲げた。その合図で、玉座の足元に横たわっていた銀色のヴォルガーが跳び上がり、牙を剥いた。


「ガル=マク・ナル=ゾグ・ロク=ナル!」と族長の力強い叫びが空気を揺るがした。


族長は武器を下ろし、シャーマンの顔に顔を近づけた。


「斧は二本の道を見ない、友よ」と囁いた。その息は凍った大地に焚き火のように熱かった。「我らか、奴らか。」


族長が出口へと向かい、銀色のヴォルガーが即座に後を追った。獣の背はシャーマンの胸まで届き、勇壮な気品とともにすれ違い、横の毛並みが天幕の中に灯る松明の光に輝いた。シャーマンも後に続きながら、自らの役割の重さが増していくのを感じた。自分は逝きし者の声、徴を読み、魔法で族を支える者。それは痛いほどわかっていた——この氷の荒野では、力の扱いを知る者はごくわずかで、自分はその数少ない一人なのだ。


外に出た瞬間、容赦ない凍てつく嵐が白い老髭を四方八方に引き裂いた。氷の大気の中、深く胸を貫くような角笛の音が響き渡った。オークたちがヴォルガーを連れ、暗闇から次々と現れ、あらゆる方向から族長の居所へと集まり始めた。


「時が来た!」と族長の重い声が北の嵐を超えて響いた。「祖先の星が消えた!」


族長は入口に立つシャーマンを指し、権威ある身振りで呼び寄せた。


「我らのシャーマンがルーンから我が民の黄金の時を読み取った!ガル=マク・ナル=ゾグ・ロク=ナル!」その叫びが空気を切り裂き、集まった者全員が武器を高く掲げた。


群衆はシャーマンが近づけるよう静かに割れ、通路を作った。


「武器を研げ、明日は栄光が待っている!グロム・ゴシュ・ウシュ・ゴラ!」と族長が叫んだ。


「グロム・ゴシュ・ウシュ・ゴラ!」オークたちの答えは怒涛のように押し寄せ、その木霊が遠く離れた谷の壁に反響した。


低く喉から絞り出すような声が空気を揺らし、大地に眠る恐怖を呼び覚ました。シャーマンは族長のそばに立ち、共に叫んだ——しかし心の中には安らぎが見つからなかった。この来たるべき戦いに気高さを感じることができなかった。魂の奥底では、約束された黄金の時は別の形で訪れるはずだと信じていた——たとえ今はそれを言葉にできなかったとしても。


シャーマンは共に叫んだ——そして彼だけが知っていた。その喉が放つ声は、心が共有しない音であることを。


「明日に備えます」と友に静かに言った。


族長の視線がシャーマンの顔に落ちた。老人の目にはまだ、族長の鋭い眼差しから隠しきれない迷いの炎がゆらめいていた。


「そうだ、そうだ……」と族長は彼の肩を掴み、軽く揺すった——そのしぐさで迷いを追い払おうとするかのように。「備えよ、同志たちよ!オゴナル・グロムカ!」


戦いの叫びのこだまが谷に響き続ける中、シャーマンは影の中へと退いた。集まった者たちの間を縫いながら、深い雪を踏んで重く遅い歩みを進めた。この戦への熱狂がただ深い不安を呼び起こすだけだった。一瞬立ち止まり、もう一度天を仰ぎ、必死に次の手がかりを探した——しかし先ほどあれほど明確な徴を見せた空は、今は深い沈黙の中に佇んでいた。


「では……戦か」と重くため息をついた。凍てつく風がその言葉をすぐさらい、闇の中に溶かしていった。


苦労して自分の野営地に戻った。節くれだった杖を雪の吹き溜まりから引き抜き、つい先ほどまで命の脈動があった場所を眺めた。嵐と懸命に戦っていたあの炎は、今や冷たい灰の塚に過ぎなかった。この突然の消滅の光景が、族の行く末への麻痺するような恐怖で彼の心を締めつけた。戦争は痛みと喪失以外何ももたらさないとわかっていた。震えた——それは北の寒さからではなく、自分以外の誰も見ようとしない未来の幻視から来るものだった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


「ならば戦争か…」


シャーマンは重々しくため息をつきました。


冷たい灰の山となった焚き火だけが、

彼の不安を静かに見守っていました。


次の話でまたお会いしましょう。

— Tuttimi

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