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満月の夜に猫は微笑む  作者: 涼木あきこ
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十六年前の事件

初めて書きます。

拙い文章ですが、よろしければご一読ください。


2020/8/17追記

少しずつ改稿していきたいと思います。

物語の結末は変わりません。


2024/12/17追記

更に少しずつ改稿していきたいと思います。

物語の結末は変わりません。

 ――今から十六年前、ある街で銀行強盗事件が起こった。 


 「パアンッ」

それは、突然の出来事だった。

銀行内に大きな銃声が響き渡り、一人の銀行員が血を流して、その場へ倒れこむ。

恐怖に耐えられず叫ぶ人もいれば、脚がすくみ、声も出せずに震えている人もいた。

「死にたくなければ、全員そこを動くな!誰か一人でも動けば、この女を撃つぞ!」

覆面を被った大柄の男が、お腹の大きい女性客を人質にとり、その女性客の頭に銃口を突きつけた。

恐怖により、場の空気が張りつめ、悲鳴も止み、静寂に包まれる。

大柄の男の仲間には、長身の男、小柄で細身の男、中肉中背の男、細身の女、合わせて五人いた。

銃を持っているのは、大柄の男だけのように見えた。

「あの……」

一人の男性客が静寂を破った。

すると、もう一発、銃声が響く。銀行内が再び恐怖に包まれた。

「口だったら動かしてもいいと思ったか…!ふざけるな!」

覆面を被った大男は、苛立った声色で言い放った。

しかし、男性客はひるまずにそのまま続けた。

「人質が必要でしたら、僕が代わりに。彼女、妊娠しているようなので。」

「……ふうん。この状況で人助けとは。勇気のある兄ちゃんだな。いいぜ。こっちへ来い!」

男性客は、大男がいる方へと、ゆっくり近づいていく。

「カサッ」

その時、何か物音がした。

大男は、きょろきょろと辺りを見回して威嚇している。

その一瞬、大男が気をそらした隙を狙って、男性客は大男の銃を持つ左手を捻り、銃を奪うことに成功した。

「ありがとうございます!」

人質にとられていた女性は少しだけ安心したようだった。

しかし、その瞬間――

「パアンッ」

男性客は側頭部から血を流して倒れこんでおり、ピクリとも動かない。

女性客は恐怖と罪悪感に足がすくみ、意識を失い、床に倒れこんだ。

「銃を持っているのは、こいつだけだと思った?馬鹿なやつ……」

この銀行強盗事件では、銀行員一人と男性客一人が死亡し、現金五千万円が奪われた。


 ほどなくして、警察が到着した。

犯行グループは複数に分かれて逃走したが、五人のうちの一人を逮捕することができた。

しかし、逮捕した男は送検中に、所持していた拳銃で自殺してしまった。

謎の暗号を残して。

この銀行強盗事件の捜査は長年に渡り行われたが、自害した男以外の手掛かりは、一切見つからなかった。

そのまま、この事件は闇に葬られることとなる。


 銀行強盗事件の三週間後、とある病院にて。

事件に居合わせ、人質に取られていた女性客の子供が、無事に産まれた。

事件のショックからだろうか、この女性は心身ともに弱っており、最期の力を振り絞っての出産だった。

冷たくなった女性の傍らで、哀惜と怒りの融合に肩を震わせる男がいた。

この女性の夫である。

夫は妻の最期に立ち会えなかった。

刑事として、例の銀行強盗事件の捜査に明け暮れていたからである。

自分の妻を巻き込んだこの事件を、何としても解決しようと躍起になっていた。

「絶対に、仇をとってやるからな…!」


 その一週間後の、満月の夜のことである。

同病院内で、誘拐事件が起こった。

誘拐されたのは、生まれたばかりで入院しており、もうすぐ退院する予定だった乳児。

現場に駆け付けた一人の刑事は、乳児がいた病室内でメッセージを見つけた。

脅迫状である。

そこには、こう書かれていた。

「○○区△△の倉庫へ来い。さもなければ、子供の命はない。」

刑事の声にならない声が漏れる。

「くっ……」

刑事は車ですぐに指定された倉庫へ向かった。

周囲では、他の車のクラクションの音が響き渡っている。

運転が荒くなっていることには気が付いていたが、それどころではなかった。


 「お望み通り、来てやったぞ……!」

刑事は倉庫の扉を開けながら、叫んだ。

しかし、倉庫の中は真っ暗で、夜の暗さも相まって、何も見えなかった。

刑事は、倉庫の入り口に無造作に置かれた懐中電灯を手に取り、まっすぐ進んでいく。

倉庫内に人がいる気配はなかった。

周りは積み重ねられた、たくさんの段ボールが壁のようにそびえたっているのみ。

段ボールの壁を軽く押してみると、簡単に崩れた。

段ボールの中身はどれも空のようだった。

「何が目的なんだ…?」

刑事は怪訝に思いながら、残った段ボールの壁づたいにまっすぐ進んだ。

突き当たりに辿り着くと、何かが置かれているのが見えた。

「これは…」

そこに置かれていたものは――プラスチック爆弾だった。

刑事が見た時には、既にカウント五秒前。

倉庫の入り口までの直線を全速力で走る。

「クソッ……!ここで死ぬわけにはいかないんだ…!」

刑事が叫んだその瞬間、大きな爆発が起こった。

近くの住民がすぐに通報し、間もなく消火されたが、倉庫は既に焼け落ちていた。

警察による調査も行われたが、倉庫内からは何も見つからなかった。

誘拐犯も、子供も、刑事の遺体も……。

焼け落ちた倉庫の外、満月の下、猫が一匹、佇んでいただけだった。

この誘拐爆破事件も、長年に渡る捜査も甲斐なく、人々の記憶からも消えていった。

定期的な更新ができない可能性が高いですが、

頑張って最後まで書ききりたいと思ってます。

よろしくお願いいたします。

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