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おじさん、幽霊対策

 しばらくして。


 時空戦艦の全てを見て回れたわけではないが、普段俺たちが使う場所は一通り見て回ることができた。


 後はアクアリウムエリアの巡回ロボットたちが他のエリアまで出てきて警戒してくれている。何かがあればすぐに俺かリッチ先生が駆けつける。ロボットたちの働きには助かっている。感謝しないとな。


 さて、一番良いのは巡回ロボットたちで侵入したゴーストを倒せることだが……ここは、リッチ先生の知恵を借りるとしよう。頼りにしてますよ。先生。


 というわけで、ファクトリーで緊急会議だ。話し合いの場には俺やリッチ先生の外にアイとメグ師匠、そしてルリカさんも居る。


 つまり戦艦の主要なメンバー全員だな。後は巡回ロボットのノインツィヒ君にも来てもらった。彼はある意味今日の主役だ。さあ、良い案が出ると良いのだが。


「それでは幽霊対策および、ノインツィヒ君の改造案を話し合うぞー」

「えっと、巡回ロボット君たちを幽霊と戦えるように改造するんですよね?」


 確認するルリカさんに俺は頷く。こういう確認は大事だ。お互いの認識にズレがあると、あとで面倒なことになりかねないからな。


「さっきの先頭を見るに、幽霊に魔法は有効なんだろ? なら、ロボットたちに魔法を覚えさせるわけにはいかないのか?」


 そう発言したのはメグ師匠。ロボットたちに魔法を使わせるか。その発想は無かったな。案外、ありかも? と思ったのだが、「それは難しいでしょう」と先生が言う。


「実は巡回ロボットたちにも魔法を教えられないかと、前に考えましてね。ちょっと教えてみようとしたことがあるんです。けれど、彼らには魔法の概念がよく分からないようなのです」


 なるほど。となると、巡回ロボットたちに魔法を使わせるのは難しいか。っていうか、先生。彼らに魔法を覚えさせようとしてたのね。それは教えるのが楽しいからだよね? ロボットを使って反逆とか考えてないよね?


「ヨータ様、あなたの考えていることは分かります。ご安心ください。万が一にも魔法を使うロボットたちの反乱が起きた場合、すぐに先生の頭を砕きますので」

「わ、我は知的好奇心から彼らに魔法を覚えさせようとしただけですよぅ……反乱なんて、まさかそんな……ははは」


 まあ、ここは先生の言葉を信じるとして、ロボットたちに魔法を使わせるプランは無しか。となると他に幽霊への有効な手があると良いんだが。


「ゲームとかだと、聖なるものとか、治癒薬とかがアンデッド系の敵には有効だったりするよな。先生もアンデッド系の魔物だけど、そういうものは効いたりするのかい?」

「聖なるものや治癒薬ですか? 上位のアンデッドには効果が薄くなりますが、ヨータさんたちが遭遇したという幽霊程度なら、ポーションでも倒せるでしょうな」

「ポーションで倒せるの? それはまた、ずいぶんと楽な方法があったものだね」


 ポーション自体はそこまで高くないし、数は用意できる。となれば、ロボットにポーションを武器として持たせるのが良いだろう。問題は、どのようにそれを使わせるかだが。悩むな。


「ポーションを投てきさせるか? いや、それより幽霊が物体を透ける特性を利用して……ポーションの入った瓶を振り回させるか……」

「ヨータ様、ポーション瓶を振り回すのは、艦内の通路や入り組んだ場所では難しくなるかと思われます」

「だとすると、そういう場所でも使うことを考える必要があるな……噴霧器の形にするのが無難か」

「はい。噴霧器の形にするのが無難かと思います」


 それはそれで、電子機器の多い場所では使いにくい気もするが、そういう場所には俺たちが直接出向いて魔法を使うのが正解……あるいはロボットに聖なるものを持たせる……そんな辺りだな。


「とりあえず、ノインツィヒ君に噴霧器を取り付けてみよう」

「承知いたしました。早速噴霧器の製作に取りかかります。少々お待ちください」


 ファクトリーの機械が轟音を鳴らしながら動いていく。待つこと数分。タンク、ポンプ、ホース、ノズルからなる噴霧器の完成だ。レバーコックが見えないのは気になるが、ロボットに取り付けて使うのなら、これで良いのだろうか?


「タンクの中にポーションはまだ入っていませんが、噴霧器をノインツィヒに取り付けてみましょう」

「了解だ。って、俺が取り付けるの!?」

「せっかくですから」


 何がせっかくなのかは分からないが、良いだろう。思ったよりは苦労することなく巡回ロボットに噴霧器を取り付ける。ふむ、結構簡単なんだな。分かりやすいのは良いことだ。


 新装備を取り付けられたノインツィヒ君は、その重さなど気にしないかのように宙へ浮く。この様子なら、タンクにポーションを入れても動けそうだな。これからの幽霊退治は君に任せたぞ!


「ノインツィヒの他、十機ほどは対アンドッド装備の特殊仕様に変更しようかと思います。そして、彼らには時空戦艦全体のパトロールをお願いします」

「ああ、そのように頼む。アイ」


 これで、ひとまず幽霊対策はどうにかなりそうだ。いつ艦内に幽霊が入ってきても安心だね。まあ、そもそも艦内に入ってこられないのが一番良いんだけどねぇ。

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