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おじさん、ミスリルを発見する

 俺はスピアガンを構えて、ソッキラスに向けて射出した。スピアが魔物の頭に当たるが、深くは刺さっていなさそうだ。なかなか頑丈な殻を持っているな。だが、動きは鈍い。厄介というほどの敵ではなさそうだぞ。


 浅くともスピアが刺さるのなら、さらに深く差し込むだけだ。必殺のパンチを叩き込んでやるぜっ。それでもダメなら、倒せるまで殴り続けるかな? まあ、なんとかなるだろ。


「くらえっ」


 俺の手に衝撃が伝わる。パンチでスピアをより深く刺してやった。さあ、どうだ? 魔物から離れて様子を見る。


 ほどなくして、ソッキラスの体は建物から剥がれた。海底へ仰向けに落下した姿は、苦手な人も居そうだな。アイは、前に虫が苦手と言っていたし大丈夫だろうか? ちょっと心配だ。


「……アイ、魔物の動きは止まった。倒せているか?」

「はい、倒せていますよ。ただ、私は苦手な見た目の魔物ですね。仰向けだと、特に」

「そっか。ところでこいつ食べられるかな?」

「……本気ですか? ま、まあ揚げれば食べられるかもしれませんが……」

「じゃあ回収頼むよ」

「……承知いたしました」


 倒した魔物はアイに回収してもらい、俺は建物の中に入る。内部も石造りのようだな。その空間は広々としている。特に面白いものは見つからなくて、つまらないな。


「この建物の内部は探索した。似た建物は他にも確認できている。見て回るとしよう」

「はい、面白いものが見つかると良いですね」

「期待したいな」


 何か新しい発見はあるかなと思っていたのだが……見つかるのはソッキラスばかり。建物の中で鉢合わせた時は悲鳴が出るかと思った。楽に勝てる相手でも、ビビる時はビビるんだって。


「……酸素の残量も気にしなくちゃな。まだ余裕そうだが、この辺の建物を調べるのは、これくらいにしておこう」

「どの建物も似たような感じですからね。この辺にしておきましょう」


 というわけで、先に進むことにした。またこの辺を調べたくなったら、その時に戻ってくれば良い。そのうち、魔物の姿も見なくなった。寂しさを感じながら、海底を進んでいく。すると。


「……アイ。なんか遠くに、キラキラしたものがないか? そっちで確認できる?」

「はい、ヨータ様。こちらでも確認できています。あれは発光しているのでしょうか?」

「ふうむ……チョウチンアンコウの魔物かな?」


 チョウチンアンコウって顔が結構怖いんだよねぇ。海の魔物って、思っていた以上に恐ろしいのかも。見た目的な意味で。


 遠くに見えるキラキラへ近づいていく。すると、それが何であるかおおよそ分かった。海底に何らかの鉱石が見えている。それは自ら発光しているようで、星のように美しかった。


「鉱石だな。アイ、これが何か分かるかい?」

「見たところ……ミスリルの鉱脈のようですね。ヨータ様、ここにワープポイントを設置しましょう」

「なるほど。いつでも採取が可能なよう、ここにポイントを設置するわけだな?」


 アイってば良い提案をするね。というか、ミスリルか。ファンタジー小説とかだと希少な金属の一つとして登場するイメージ。これはなかなか、面白いものを発見したぞ!


「この辺りは魔物も寄り付いていないようだし、採掘ポイントとしては絶好の場所かもしれない。ここにワープポイントを設置しておこう。許可するよ、アイ」

「承知いたしました。ところでヨータ様は自らの手で採掘をおこないたい派ですか? それとも、自動で採掘をしたい派ですか?」

「自動採掘? そんなのもあるのね」


 自らピッケルを握ってミスリル採掘。というのも楽しそうだが、たぶんすぐに飽きるだろう。で、あれば自動採掘というのは魅力的だ。


「その、自動採掘っていうやつについて詳しく聞こう」

「ヨータ様に任せていただければ、すぐにファクトリーで採掘マシンを製作します」

「デザインとかもろもろ含めて任せる。それは、すぐに完成するかい?」

「ええ、それほど時間はかかりません」

「じゃあ、俺はこの近くを少し探索するから、その間に採掘マシンを作っておいてくれ」

「ええ、任されました」


 同じような鉱脈がないかと探してみる。が、すぐに見つかることはなく、アイから「採掘マシンが完成しました」と報告を受けた。気になるし、戻ろう。


 先程の地点に戻ると、すでに採掘マシンが届いていた丸っこいボディに……ドリルがついている! モグラの怪獣みたいでかっこいい。いや、かわいい? どちらともとれる好きな見た目だ。


「採掘マシン一号です。ヨータ様、名前をつけてやってください」

「俺が? そうだな……モグラみたいな見た目をしてるし……ミズモグラくんで良いんじゃないか」

「ミズモグラくん……なるほど。ヨータ様らしいネーミングですね」

「何か思うところでも?」

「ありません。私はヨータ様の素朴なネーミングが好きです」


 そうかい? じゃあ、早速ミズモグラくんの動くところを見せてもらおうか。ワクワクしながら待っていると、アイから「離れてください」と言われてしまった。しょんぼり。


 のんびりミズモグラくんの採掘作業を見守り、ここで一旦、休憩と補給のために時空戦艦へ戻るのだった。

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