表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の二人〜彼らの謎多き日常〜  作者: 地野千塩


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/46

無償の愛の謎(4)

 婚活パーティーは、一組以外カップルは成立しなかった。あのホスト風のイケメンですら、マッチングしなかったというのに、なんと豊と亜由がカップル成立していたのだ。


「おめでとうございます!」


 司会者に呼ばれ、豊と亜由は前方のステージの方に向かう。


 二人はステージの上で、顔を真っ赤にしていた。豊に至っては、デレデレといつも以上に締まりのない。


「亜由ちゃんは、本当に優しくて白ウサギみたで可愛いです!」

「豊くんは、クマさんみたいで可愛いです!」


 司会者にお互いの何処が良かったかと聞かれたら、惚気ていた。二人の周辺にピンク色の空気がモワモワと漂ってる。こうして見ると、クマとウサギのぬいぐるみが並んでいるみたいで、容姿格差はあまり無いようにも見えるが。


「二人ともお似合いですね!」


 司会者がそう言い、会場は拍手で溢れ、婚活パーティーは幕を閉じた。


「よ、お似合いカップル!」


 変なおじさんは、二人を囃し立て口笛まで吹いていたが、誠は素直に喜べない。


 嫉妬ではない。新垣結衣と豊がカップリングしたら、ジェラシーで鬼になりそうだが、相手は地味系アラサー女の亜由。


 問題はあの豊に亜由はどこに惚れる要素があるのかという事だった。


 おかしい。


 体重は三桁ありそうなデブ。天パ。変なシャツの豊が、イケメンを差し置いて、カップルになるのは、どうも納得できない。もはやkonozon勤務に惹かれたとか? だったら誠との差も不明だ。


 別に豊を馬鹿にしているわけではない。実際、豊の心根は悪くないというか、純粋でいいヤツである事を認めている。こんな婚活パーティーで、豊の良さがわかるんか? 意味がわからん。


 あの亜由はどうもおかしい。詐欺師の可能性がある。これは謎だ、事件だ。


「誠さん、それはジェラシーですよ。きっと可愛くて大切な豊さんを取られて嫉妬しているんだわ」


 アリスは興奮しながら、紅茶を啜っていた。


 婚活パーティー後、亜由と豊はデートへ消えてしまった。一人残された誠は、家に帰り、リビングでアリスに今日の事を報告していた。この婚活パーティーに参加したのは、アリスの為だった。取材目的だったので、ICレコーダーも持っていったが、スイッチを押し忘れていた。仕方がないので、アリスに一からパーティーの様子を説明し、豊の事も話すと、大興奮で顔を真っ赤にしている。


「違うって! その亜由って女が怪しいんだよ。イケメンを無視して、あの豊に行くのがどう見ても違和感があるって事」


 テーブルの上は、紅茶をクッキーを出していた。一応客であるアリスの為に出したものだが、妙な誤解もさて、丁寧にもてなした事を後悔する。


「でも、豊さんは、ある種の男にはモテそうなタイプよ……。もう少し筋トレしてワイルド系になったら、ツボる男の人もいるかも……?」

「あのな、腐女子視点でもの言うのやめてくれね? 顔赤くするなよ、気持ち悪いなー」


 誠はため息をつきながら、クッキーをバリバリと噛み砕いた。


「そうね。確かにおかしいかも。その亜由って人、普通に地味そうな女性だったんだよね? 確かに豊さんに行く感じじゃないわね」

「そうだよな」


 ようやくアリスと意見が一致し、誠は深く頷く。何か考え込んでいるアリスの横顔は、賢そうだった。切れ長な大きな目やストレートな黒髪を見てると、中見が残念には見えないものだ。


 中見と外見が釣り合わない?


 ふと、そんな発想が頭に浮かぶが、何かのヒントだろうか?


 同時にチャイムがなり、アリスの兄である聡もリビングにやってきた。もうこのリビングは、公共化しつつあり、聡もふらっと自然と入ってきた。ニートでもある彼は、上下とも灰色のスエットだった。外見はお嬢様のアリスの隣にいると、落差がえぐい。


「お礼のすき焼きセット一式持ってきたよ」


 聡はダンボール箱を差し出す。そこには、すき焼き鍋、肉、野菜などが入っていたが、今はあまり嬉しくない。誠はこれを手に入れる為に今日のパーティーに参加したわけだが、今は豊が心配だった。


 そう心配なのだ。


 変な女に騙されたんじゃないか、と。あの子供っぽく純粋な豊に、親みたいな気持ちもあったのかもしれない。


「そっか。そんな事があったのか。僕もお金目当ての女から、騙されそうになった事があるから、わかるよ」


 聡に事情を話すと、彼も心配していた。


「心配ね、お兄ちゃん。お父様に告げ口する? お父様は警察にもコネあるし」


 話題はどんどんセレブな感じになり、 誠はついていけないが、やはり個人で調査は難しい。ここはセレブな兄妹に頼む事にした。


「すまん。ただ、本当に亜由って女が怪しくてな」

「いいのよ。豊さんの為だもの」

「そうさ。恵まれた実家太ニートとしては、他人の為に行動したいもんさ」


 そう言い残し、セレブ兄妹二人は帰っていく。


 その日、豊は夜遅くに帰ってきたようだ。豊の部屋であるプレハブに灯りがついた時間は夜の十時時頃だった。


 風呂や洗面の為に、家の方にも来たようだが、リビングには来なかった。夕食も作って冷蔵庫に入れて置いたが、手をつけられた形跡がない。いつもだったら、おかわりするぐらい食べるのに。


 やっぱりこれは事件? 謎?


 誠は豊のこの変化のついて、疑問しか持てなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ