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黒き乙女の鬼語  作者: 紅河崎アリス
食人鬼
31/79

死の鉄槌

さあ、ゲームの始まりです

〜酒鬼薔薇聖斗〜

どうやら、最初木製に見えたそれは鋼鉄製だったらしい。


私の拳とぶつかり合う度に金属音が鳴り響いた。


『ハンマーなのに鋼鉄製とは…風流というものをわかっていませんね』


わざと煽るような台詞を言ってみるが私にはどうやらそっち方向の才能はないらしい。


まあ、基本的に平坦な口調なのだから当たり前か。


『なんや?うちを煽る気かいな?そんなん言われてもなんにもせえへんで?』


女はカラカラと笑いながらハンマーを肩に担ぐ。


肩口までに整えられた髪に褐色の肌。


笑顔のよく似合う顔立ち。


女性にしては大柄で女性らしい膨らみも見え彼女は凄く魅力的に見えた。


もちろん、私に同性愛の気はないので実験体としてだが。


『ほな、行こかい!』


女は一度ハンマーをクルリと回した後跳躍。


空中で大きく振りかぶり振り下ろす。


戦い方としては微妙であるがハンマーの使い方としては間違っていない。


最大限の威力を発揮出来る。


それを、支点よりズレた所を叩く事により威力を軽減し横面を殴り飛ばす。


そして、バランスの崩れた所を掌打。


鋼の拳が女の顔面を貫く。


だが、まだ止めない。


一気に接近し鳩尾に下方から拳を叩き込む。


女の呻き声が聞こえるが気にせず顎を蹴り上げる。


そして、女の襟首を掴み地面に叩きつける。


『…終わりですかね?』


誰に尋ねている訳でもない。


単なる独り言だ。


銃を撃つ音が聞こえている。


まだあの子は戦っているらしい。


では、加勢に行くとしますか。


『待てやこら。どこ行くねん』


そう思い歩き出そうとするが女の声に止められる。


振り向くと女は立ち上がっていた。


いまにも倒れそうに膝がガクガクと震えているが気にしないらしい。


口元は挑戦的な笑みを浮かべている。


『どこって…加勢に行くんですが』


そう言うと女は笑い声を上げる。


馬鹿にしたように霊華を笑う。


『加勢?そら、無理や!あんたは今すぐ死ぬんやからな!』


そう言って女は近くに落ちていた食人鬼にかぶりつく。


骨まで噛み砕き咀嚼を始める。


『なにをしているかわかりませんが…止めさせてもらいます!』


拳を振りかぶり女を殴ろうとするが無駄だった。


女は既に目の前にはいない。


最初に感じたのは風。


凄まじい轟風が後ろから流れてくる。


急いで前に飛ぶが、無駄だった。


見えない引力のようなものに引っ張られる。


『ほな、さいならや』


後ろに引かれ訪れたのは衝撃。


まるで、ダンプカーにはね飛ばされたかのような勢いで吹き飛ばされ警察署の窓ガラスを割りながらその中に突っ込む。


『がっ…あっ…』


なにが起きたのか。


それを考える思考力が吹き飛んでいた。


頭部からは血が流れ始めている。


意識も朦朧としている。


『なんや。もう終わりかいな?』


いつの間にか女が目の前に立っている。


だが、もうどうでもよかった。


とにかく眠りたかった。


『はぁ…人間はホンマ脆いな。つまらへんわ。ま、それはええとしとこ。久々に楽しめたしな。次はあっちの子と遊ぼうかな?』


そう言って女は獰猛に笑う。


そして私をみて一言。


『んじゃ、ま、あんたは死ねや』


死の鉄槌が振り下ろされた。

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