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黒き乙女の鬼語  作者: 紅河崎アリス
食人鬼
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絶叫

一生に一度しか味わえない、最高のスリル

〜アルバート・フィッシュ〜

『七花さん!』


目の前にいた食人鬼を蹴り飛ばして反動で後ろに下がる。


下がり際に後ろにいた食人鬼に肘うち。


その身体が九の字に折れ曲がるのを待たずに体を回転させ水月に裏拳。


一、二歩後ろに下がったのを見逃さずに回し蹴り。


敵が吹き飛ぶのを尻目に次の食人鬼の首もとに手刀を叩き込み七花さんの方を見る。


絶句した。


百はいたであろう食人鬼が倒れ伏し白目を剥いている中、彼女は一人笑っていた。


どこにも攻撃を受けた痕跡はなく服が乱れた様子もなかった。


『ん?なによ?』


いえ、なんでもございません。


目の前の食人鬼の腕をひねり上げ地面に思い切り叩きつけながら走る。


ナイフは…


使わない。


きっと、今のボクが自分の獲物を使ってしまったら皆殺しにしてしまうだろうから。


それはダメだ。


七花さんに殴られてしまう。


跳び蹴りをする感覚で敵を蹴り飛ばし横にいた奴の首を締め上げる。


首が折れない程度に締め上げ卒倒したのを確認し敵の集合地帯に投げ飛ばす。


それだけで敵はバランスを崩し総崩れを起こした。


だが、減らない。


七花さんが百は殴り飛ばしボクが三十ほど倒しても敵はまったく減らなかった。


『あー、もう埒があかないわね』


七花さんがボヤいているのが聞こえてくるが反応は出来なかった。


目の前に迫っていた金属バットを紙一重で避けバットを吹き飛ばす。


そのままうろたえた敵を殴り飛ばし七花さんの元まで下がる。


少しではあるがやはり七花さんも息が上がっていた。


『どうします?これ』


少しずつ息を整えながら七花さんに問いかける。


七花さんはしばし考えた後叫んだ。


『ヤバい!このままだと雪ちゃんと粉雪ちゃんが危ないわ!』


一瞬、なにを言われたのかわからなかった。


雪さんが危ないわけがない。


だって、いまあの人は部屋に。


『このバカ!なんで敵が玄関からしか来ないと思うのよ!?進入経路なんていくらでもある!外側の窓から入られたら終わりよ!?』


それを聞いた瞬間走り出していた。


雪さんたちはどの部屋にいた!?


階段を駆け上がりながら考える。


そして最悪の結果に考えは至った。


『廊下の突き当たり…雪さんの部屋だ!』


雪さんの部屋には外側に向けて窓がある。


いつか彼女が外の空気を吸いながら寝たいと言って取り付けていた。


間違いない。


『雪さん!』


叫びながら雪さんの家に飛び込む。


返事はなかった。


焦燥感を感じながらドアを蹴破ると…


そこには一人の見知らぬ女性がいた。


だが、どこを見回しても二人の姿はない。


女性はゆっくりとこちらを振り向いてこう言った。


『吸血鬼、篠宮雪は頂きましたわ。返してほしければ廃工場に来ることね』


そう言って女性は窓からぬらりと出て行く。


まるで、妖怪のように。


それを、呆けた顔で見送りしばし黙った後…


絶叫した。

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