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自由に生きようと転生したら、史上4人目の賢者様でした!?〜女神様、今の時代に魔法はチートだったようです〜【web版】  作者: 酒本アズサ


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第66話 名物料理

「アイル? その人と用件が無ければそろそろ食事に行こうよ」



 騎士と険悪な雰囲気で睨み合っていたらガブリエルが私の袖を引っ張った、そういえばもうお昼だからお腹は空いている。



「む、貴方は? 今日はあの時の男は居ないんだな」



 騎士はキッとガブリエルを睨んだが、エルフだと気付くと戸惑っている様だった。

 そして辺りを見回してさりげなく息をホッと吐いた。



「私は王立研究所のウルスカ支所の所長のガブリエルだよ、王都からの呼ばれて向かっているところだ。私の《《友人》》が何か?」



 さっきから友人アピールをチラチラしているガブリエルに笑ってしまいそうになる、こうして2人だけで出掛けても楽しいんだからもう友人認定してもいいかな。



「い、いや…。ただ王都に向かうなら隊長から呼ばれるかもしれん、トレラーガのギルドで聞いたがお前の所属するパーティはBランクらしいな、騎士団で魔物との戦闘を指導する冒険者を探しているんだ」



「ん? 王都にも冒険者はいるんでしょ? どうして私達に?」



 首を傾げて聞く私に対して先程までの勢いが無くなり、気まずそうに説明を始める。



「王都に居る冒険者はほぼ港町との間を往復する商隊の護衛を生業としている者達だから盗賊などの対人が主なんだ。かと言って経験豊富なSランクやAランクだと報酬額が大きいからな、お前達なら魔物との戦闘に慣れていて尚且つ腕も立つのはわかっている…という訳だ」



「そうだねぇ、王都周辺は魔物が少ないからこそ王城がある訳だし。尚且つ何処の国から攻められても馬で1日以上掛かって交易にも便利な場所、それが王都だからね」



「確かに王都に近付く程魔物の数は減ってきたもんね、それに気候も温暖になってる気がする」



「うん、王都は滅多に雪も降らない暖かい地域だよ。だから王都民は寒さに弱くて冬に遠征とか絶対しないね」



「そんな温い事してるから魔物も取り逃がしちゃうんだね、騎士や兵士は最悪の条件でも戦える様に訓練するのが当たり前だと思ってた」



 よく漫画や小説で軍隊とかそういう命懸けの訓練してたりするもんね。



「く…っ、支所長殿、あまりそういう事を言いふらす事は感心しませんな。おい、掃除屋ギガント・コックローチの「その呼び方止めてって言ったよね?」



 怖気(おぞけ)のする言葉が聞こえたと同時にストレージから出した投げナイフを目の前に突き付けてやると、騎士は慌てて後退(あとずさ)って尻餅をつく。



「最後の警告よ、今度その呼び方をしたら今度は寸止めなんてしないからね? 私はBランクパーティ『希望(エスペランサ)』のアイル、ア・イ・ルよ、覚えておきなさい。行こうガブリエル」



「うん! 何を食べようか、ここの名物にする?」



 ガブリエルはさっきのやりとりを気にした様子も無く機嫌良く歩き出す。



「おいっ、オレの名前はヘルマンだ! そっちこそ覚えておけよ!」



 声に振り返ると反対方向へズンズンと不機嫌そうに歩いて行くヘルマンの後ろ姿が見えた。

 本当に呼び出しがあるかどうかわからないけど、一応名前は覚えておこう。



「ところでヘルマンは何で王都じゃなくエスポナに居たんだろう?」



「ここと王都は近いから騎士は入れ替わりで配属される事が多いし、伝令もよく行き来してるんだよ。武器の修理なんかは王都よりここの方が腕の良い職人が揃ってるしね」



「なるほど…」



 そんな事を話しながら歩いていると、美味しそうな鶏肉が焼ける匂いがしてきた。

 食堂が並ぶ通りに出た様で、あちこちから食欲を唆る香りが漂って来る、正にしのぎを削っている区画なだけに期待できそうだ。



「この近くの村は養鶏が盛んな所が多いから鶏肉を使った料理が名物なんだ、内臓を抜き取った中に野菜やキノコと一緒にハーブを詰めてじっくり焼いたのとかお勧めだよ!」



「美味しそうだけど…、原型があるのはちょっと…」



 我儘かもしれないけど、せめて頭が付いてないやつじゃないと食べる時に緊張するというか…、魚だと全然平気なんだけどなぁ。

 結局骨付きの腿肉に齧り付くタイプの香草焼きにした、結構ガーリックたっぷりだから臭い消しにすぐ牛乳飲まないと一緒に寝るビビアナが可哀想かもしれない。



 食後に食料を扱う店の多い通りをブラついた時に乳製品を扱っている店で牛乳もあったのでガブリエルと2人で飲み、お約束の牛乳ヒゲでお互い笑い合った。

 美麗エルフの牛乳ヒゲという珍しいモノを見れたし、チーズとヨーグルトも買い足せたし良い店だったな、うん。



 その後、食器や調理器具のお店も覗いてから日が傾きかけた頃宿に戻るとビビアナとホセだけ戻っていた。

 どうやらリカルドとエリアスはギリギリまで武器屋巡りをするらしい。



「おかえり、あら? そのネックレス素敵じゃない」



 ビビアナが目敏く見つけて言うと、ガブリエルがなにやら期待を込めた目でチラチラと見てくる。



「そうでしょ? ガブリエルが旅の記念にってプレゼントしてくれたの」



「へぇ~、良いセンスしてるじゃないガブリエル」



 どうやら私の言った言葉は正解だった様で、ガブリエルはもの凄いドヤ顔をしていた。

 ちなみにエスポナの料理はガーリックを使った物が多いらしく、別行動した全員ガーリック臭をさせていたので改めて夕食で私とガブリエルもガーリックを使った料理を食べた。

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