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自由に生きようと転生したら、史上4人目の賢者様でした!?〜女神様、今の時代に魔法はチートだったようです〜【web版】  作者: 酒本アズサ


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第140話 下山途中にて

「むほほほほ、大漁大漁!」



「大漁過ぎなんじゃない…? 赤鎧持ち上げて運んで持ち上げて運んで…地味に重いから握力が…手に力が入らないんだけど…!?」



 エリアスの言葉にリカルドとホセも頷いた。



「大丈夫だよエリアス、どんな魔物が出て来ても私が殲滅するから! 治癒は怪我は治しても疲労はどうしようもないから仕方ないね。いやぁ~、皆のお陰で数年分の蟹…じゃない、赤鎧が獲れたよ」



「ああ…、やけに解体が上手かったのは《《向こう》》で同じ様な魔物…は居ないんだったな、生き物がいたのか」



「そうなの、大きさはもっと小さいけどね。高級食材だから気軽に食べたいとは言えなかったけど、美味しいから時々凄く食べたくなるんだよね~。ウルスカに帰ったら色んな食べ方しようねッ!」



 浮かれた私は足場の悪い山道もなんのその、スキップしつつ移動していた。

 探索魔法で警戒しつつ、しかし食材カテゴリーな初めましてな黒猪(ブラックボア)なる魔物などをゲットしつつ下山している最中だ。



 この時期の黒猪は赤鎧を主食としていて身が甘く脂が乗っていて美味しい、そんな情報を聞いて素通り出来ようか、答えは否である。

 ビビアナも右手の握力が殆ど無いというので戦力は私とホセの蹴りくらいだが、現在地から麓に向かう迄なら問題無さそう。

 道々冬虫夏草みたいに魔物の死骸から生えるレアな薬草も手に入れたので、今日の収入はかなり美味しいと言える。



「黒猪はウルスカで解体してもらえば良いよね、あ、でも1体くらいは帰り道に食べられる様に解体して貰った方がいいかな」



「折角だから早く食いてぇし、2体とも解体して貰おうぜ」



「だったらあと2体くらい狩っていきたいな、今4体しか無いし納品する分は2体でしょ? ウルスカに帰ってから赤猪(レッドボア)と食べ比べもしたいし…」



「ククッ、学生時代の俺達が必死になって討伐してた黒猪がアイルにかかるとただの狩りの獲物になるんだな」



「でもリカルドだって今なら普通に倒せるでしょ?」



「まぁな。そう考えたら俺も強くなったもんだ」



「それにしても学生時代のリカルドか~、モテたんだろうねぇ」



「ははっ、まぁ…それなりに、だな」



「っか~、本人がそれなりって言う場合は大抵かなりって事だよね! 納得は出来るけど…っと、100mくらい先に黒猪がいるよ、皆気配抑えてね」



「1番気配抑えるの下手なのはお前だろうが」



 ホセの言葉にグッと詰まる、気配の消し方聞いたけど、自然の一部になったつもりでとか、自分が居ないつもりになるとか抽象的な事を言われても理解できないもん。

 いざとなったら隠蔽魔法使えば問題無いし!



 それに視界にさえ捉えられれば魔力で操作した棒手裏剣で急所に一撃でいいもんね。

 チラホラと周囲に冒険者達が居るからあまり遠距離から攻撃すると目撃された場合怪しまれちゃうから気をつけないと。



「あ、ヤバい。他の冒険者が同じ黒猪を見つけたみたい、隠蔽魔法で走って先に行くね」



「わかった、俺達もこのまま追いかけて行くからな」



「うん、『身体強化(パワーブースト)』『隠蔽(ハイディング)』」



 今まで私を見ていた仲間達ですら私を見失うレベルの隠蔽なので全力ダッシュしても黒猪には気付かれない。

 これなら確実に私の方が早い、50m先に黒猪を目視で確認したので魔力を込めた棒手裏剣を投擲した。



 眉間に刺さり鳴き声すら上げずにパタリと倒れ、時間差で先程まで頭があった場所を1本の矢が通過した。

 結構距離があるのに正確に頭があった場所だったという事はかなりの弓の腕前という事だ、恐らくビビアナよりも…。

 私が黒猪のところに到着すると、数秒後にポンチョのフードを目深に被った小柄な少年が現れた。



「そんなバカな…! クソッ、ボクの獲物だったのに!」



 眉間に刺さった棒手裏剣を見て憤慨しているが、早い者勝ちである。



「戦闘中だった訳じゃ無いから君の物じゃ無いよね?」



「誰だっ!?」



 あ、しまった、隠蔽魔法掛けたままだったよ。

 一旦木の陰に隠れてから咳払いで誤魔化しつつ隠蔽を解除した、ちなみにゴタつくと面倒なので身体強化は解除してない。



「誰って聞かれたところで名前を言っても分からないでしょ、そこの黒猪の眉間に刺さった武器の持ち主だよ」



「バカな…このボクが気配を感じなかっただなんて…」



 木の陰から姿を見せると表情こそ見えないが愕然とした声が返って来た、余程気配察知に自信があったのだろう。



「おい、仕留めたのか?」



 少年の後方から品の無さそうな男の声が聞こえ、すぐにうだつの上がらない冒険者風の男が3人現れた。

 そして黒猪と私と黒猪の後方の木に刺さっている矢を見比べたかと思うと、いきなり少年を殴りつけた。



「ヘマしやがって、このグズが!」



「ちょっと! いきなり殴るなんて酷いじゃない!! それにヘマをしたんじゃなくて私の方が早かっただけよ、矢は正確に直前まで頭があった位置を通過したわ」



「へっ、コイツは俺のモノなんだからいいんだよ!」



「え…!? 俺のモノって…まさか…あなたエドと同類…ッ!?」



 まさかあんなに体格差のある少年のお尻が大変な目に遭ってるのかと心配になったが、私の言葉に不穏なものを感じたのか、男は言葉を続けた。



「う…!? 何だか気色の悪い勘違いされてる気がする…、コイツは俺の奴隷なんだよ。それより嬢ちゃん、この黒猪だが俺達に譲ってくれねぇか? もちろんタダでな!」



「それは完全に横取り行為でギルドに報告すべき事だが…わかっているのか?」



 下卑た笑みを浮かべてふざけた事を言う男に言い返そうとしたら、追いついたリカルドが私を庇う様に間に入ってくれた。

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