表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自由に生きようと転生したら、史上4人目の賢者様でした!?〜女神様、今の時代に魔法はチートだったようです〜【web版】  作者: 酒本アズサ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

139/166

第139話 赤い川

 私達は朝食を済ませてギルドへと向かった、一応山脈に向かうので達成出来そうな依頼を確認する為だ。

 山脈の麓まで少々距離があるのでここのギルドでは馬車を冒険者の為に運行しているらしい。



 雨雪よけの幌が申し訳程度に付いた簡素な4頭立ての馬車で、市営バスくらいの大きさが数台ピストンしているが、距離的に1時間に1台が限界なので混む時間に当たると獲物や装備次第ではとても狭く、最終馬車は人が多過ぎて野営したり歩いて帰る羽目になる冒険者も多いとか。



 依頼掲示板(クエストボード)にはこの時期、常設依頼として赤鎧の素材採取が出ているので大漁だったら少し依頼に回してもいいかもしれない。

 だけど次にいつこっちに来るか分からないなら全部ストレージに保管した方が…ううむ、悩ましい。

 リカルド達がどの依頼を受注していくか話し合っている横でウンウン唸っていると声を掛けられた。



「アイルは何を唸っているのかな?」



 声のした方を見上げるとエンリケがオモチャを見つけた子供の様な顔をしていた。



「あ、エンリケ。どれくらい赤鎧が獲れるかなぁと思って。お金は他の依頼でも手に入るけど赤鎧は此処でしか獲れない…、だったら獲れた分は全て自分達用にすべきかと悩んでたの」



「それなら大丈夫だよ、赤鎧は麓の湖から兄弟が固まって行動するからマジックバッグがあるなら大量に獲れるよ、たまに成長が早いのが混ざってるから油断すると危険だけどね。俺も一緒に行こうな~、アイル達と行動するの楽しそうだし」



「あ、ごめんだけど今回は足並みが乱れるのは困るからパーティだけで行動したいの。大漁だったら情報のお礼にお裾分けするわ」



「えぇ~!?」



 ニコニコしながら言われたが、私は今回目撃されないなら自重を捨てて赤鎧を乱獲する気だ、ウルスカの家に帰って甲羅酒と洒落込み、甲羅を使って蟹グラタンもして…うひひひひ。

 そんなガッカリした顔されても意見は変えないのだ、諦めたまえ。



 結局山脈へはエンリケも同じ馬車で向かう事になり、その間チラチラとリカルドにアイコンタクトで訴えようとしていたけど私がリカルドに話し掛けて阻止した。

 何人たりとも私の蟹漁を邪魔する事は許さないのだ!



「リカルドは赤鎧が居る湖って知ってるの?」



「ああ、いくつかあるが全部大きくて深いから、そこでは赤鎧を捕まえるのは無理だな。川の浅くなっているところなら接近戦でいけるが、大抵は川上に弓使いが待ち伏せして川下の浅い場所で死んだり弱って流れてくる赤鎧を確保するってパターンだな」



「じゃあ私とビビアナが狙い撃ち係だね、3人は冷たい川に入って確保よろしくね!」



「アイル酷い事言うね…」



「お前…、覚えとけよ」



「あの川に入るのか…、雪解け水だから凄く冷たいぞ。ピークだと入る必要は無いが…」



「ふふふっ、その代わり赤鎧がアイルの美味しい料理に変わるんだから頼んだわよ」



「「「…………」」」



 ビビアナのひと言で3人は項垂れる様に頷いた。

 山脈の麓に到着すると、リカルドは学生時代に何度も来ているらしく迷わず先導してくれた。



「「「「ゔ…ッ」」」」



 赤鎧を待ち伏せする為のポイントに到着した時、リカルド以外が思わず引いた。

 某少女漫画の古代ヒッタイトが舞台で赤い河って出てきたけど、あれは確か赤土が混ざって赤かったはず、しかし目の前の赤い川はギチギチと甲殻の擦れる様な音を奏でながら上に流れ(?)ている。



 しかも赤いと言っても茹でる前なので赤黒いというか、暗い色をしているので真ん中に落ちたりしたらまごう事なき地獄絵図になる。

 この光景を見たら「うわぁ、大漁~♡」などとはしゃぐ気も失せるというものだ、リカルドの言っていたピークなのだろう。



「ビビアナ! 川からはみ出て岸に居る手前のヤツらから狙っていこう! お腹側の中心にある継ぎ目を狙ってね」



「え…、あ、そ、そうね、わかったわ!」



 川を埋め尽くす赤鎧に圧倒されていたビビアナに声を掛けるとハッとして矢を番えた。

 赤鎧行列は私達を気にもとめずに只管川上目指して進んで行くので狙い放題だ。

 探索魔法を使うと上流の方では魔物達が蟹漁をしているが、漁に忙しくてこちらに来る気配は無い。



 ちょっと離れたところにエンリケが居る様だけど、位置的にここは見えていないはず。

 そんな訳で私は魔力操作全開で棒手裏剣を赤鎧の急所に撃ち込み、そして抜き取っては次の獲物に撃ち込む事を繰り返した。

 男性陣3人は革手袋をしてパタパタと倒れていく赤鎧を行列に飲み込まれない様に移動させている。

 50杯程集まるとストレージに入れ、また狙い撃ちを繰り返した。



「おいおい、アイツらいつまでやるつもりだよ」



「そろそろ300体くらいになるよね? 1時間以上経ってるし、止める?」



「無駄だ、アイルのあの目を見てみろ、初めて娼館に来た童貞並にギラついた目をしているぞ」



「「ああ…」」



 そんな事を言われているなど気付かず、ビビアナの矢が尽きて赤鎧御一行様のピークが過ぎるまで2時間掛けて500杯以上ゲットした。

いっぱい獲れたからエンリケには1杯丸ごとあげよう、もっと欲しがるなら3杯までだったらあげてもいいかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ