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自由に生きようと転生したら、史上4人目の賢者様でした!?〜女神様、今の時代に魔法はチートだったようです〜【web版】  作者: 酒本アズサ


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第124話 公爵家の護衛(14、15日目)

「んん…? 到着しましたの?」



 エトレンナの門の前で馬車が止まると、それまで私の膝枕で寝ていたフェリスが目を覚ました。



「うん、今門の前に到着したところだよ」



 夕方の4時くらいだろうか、探索帰りの冒険者らしき人達がチラホラと門の前に並んでいるのが見える。

 ちなみに私達は他国とはいえ公爵家の馬車なので優先的に門を通過した。

 窓の外を見ると街を歩いている人達の服装に違和感を覚えた。



「ん~…? あっ、服のテイストが違う人達が居るのか」



「ふふっ、ここはタリファス以外にも2カ国から船が到着すると言っていたもの、タリファスはここより寒いからパルテナに来ると住人よりは薄着になってる思うわ」



「そうだな、それに染色に使われる材料がその土地によって違うから服の色合いも違っているだろう」



「へぇ…、そういえば他の町だと緑とか茶色とか生成りが多いけど、なんかエトレンナは赤が目立ってるかも。流石公爵家、しっかり勉強してるんだね」



 尊敬の眼差しを向けるとフェリスとクロードはさりげなくドヤ顔をした。

 考えてみればフェリスが部屋で着ていた服に赤の差し色を使っている物が多かったかも、タリファスは赤の染料が有名なのかもしれない。

 宿屋に到着して夕食の時間に食堂でこれからの予定を話す事になった。



「タリファス行きの船が出るのは明後日なので、明日はこの街で過ごす事になります」



 ロレンソがクロードに報告した、宿屋に到着してすぐ出て行ったと思ったら船の手配をしに行っていたのか。

 明日1日空くのならちょ~っとだけ魔導具の探索とか行っちゃダメかなぁ、そんな事を考えてソワソワしていたらエリアスと目が合った。



「アイル、もしかしたら明日見つかっていない魔導具の探索とか行きたいとか思ってるかもしれないけど、1日やそこらで見つかる様なところには無いからね? 行くなら何日か掛けないと探し尽くされた場所しか見れないよ」



「何でわかったの!?」



「凄くソワソワしてたじゃないか、もし食べ物関係なら舌舐めずりするけど今はしてなかったから場所的に魔導具の事かなって思っただけだよ、やっぱり当たってたんだね」



 ニコッと微笑まれたけどその観察眼が怖いッ!!

 っていうか、私食べ物の事考えてたら舌舐めずりしてるの!?

 恥ずかしくて頭を抱えて俯いた。



「クックッ、やっぱアレ無意識だったのか、食材買いに行く時にメニュー考えながらよくやってるぜ?」



 エリアスの言葉にショックを受けていたらホセにも指摘されてしまった。

 うそーん! 今度からマスクして行くべきか、無くて七癖と言うけど自分が恐ろしい。



 結局翌日は女性陣と男性陣に分かれて買い物したり自由に過ごす事になった。

 あくまで私達は護衛なので基本的にフェリスの買い物に付き合う形ではあるけど。



 私達は帰りにいくらでも寄ろうと思えば寄れるので、私が買った物は船内やタリファスの道中で食べる為の屋台の食べ物くらいだ。

 お昼と夕食は各自食堂で食べる事になっている、一応美味しいところを見つけたら帰りに寄りたいので教え合いする約束だ。



「うふふ、家に居た頃はこんな店で食事するなんて考えた事もありませんでしたわ。このおはしというカトラリーもタリファスでは見た事も無かったもの」



 パルテナ国内でお箸は3割程度の普及率だ、賢者サブローの住んでいたコルバドでは全体的に広まっているらしいが。

 最初はずっとナイフとフォークで食事していたフェリスだったが、山盛り唐揚げを出した時にお箸だとヒョイヒョイと取れるのに対して、フォークだと刺そうと思うと直接お皿の上のものでないと山が崩れてしまうので少ししか食べられなかったという悔しい思いをしてから使う様になったのだ。



「フェリス、料理はパルテナとタリファスって違ったりするの?」



「そうね…、お店で食べるものに関してはそんなに変わらないと思うわ。だけどアイルが作る料理は今まで食べた事の無い料理が多かったかしら」



「アイルの料理はアイルのオリジナルが多いからかしら? コルバド料理に近いものも多いかもしれないけれど」



 言われてドキッとしたけど、ビビアナがさりげなくフォローしてくれた。



「まぁ! アイルのオリジナルでしたの?」



 フェリスが驚きで目を見開きパチパチと瞬きした。



「あはは、伯爵家の料理長にも色々教わったりしてるからね」



 ごめん料理長、その肩書きを利用させてもらいます。

 いち冒険者がってよりも貴族の料理長の指導って言えば誤魔化されてくれるだろう。



 夕食を済ませて食堂から出ると辺りは薄暗くなっていた、北の方にあるせいかウルスカに比べて陽が落ちるのが早い気がする。

 宿は少し高い場所にあるので宿の前で振り向くと海がよく見えた、そして遠くに灯りがポツポツと見える。



「もしかしてあの灯りってタリファスの灯り?」



「そうですわ、雨の翌日で空気が澄んでいる状態でしたらお互いの国から大陸の影も見えますもの。あの灯りは灯台の物ですわ」



 日本人としては大陸続きで国があるのも変な感じがするけど、こうやって肉眼で見える距離で隣国ですよって言われても変な感じがするなぁ。

 日本でも場所によっては隣の国が見えるところもあるんだろうけど。



 明日は朝早く船に乗ってその日の内にタリファスに到着するらしい。

 寝不足による船酔い防止の為にもその日は皆早く部屋に戻ったが、私は初めての船旅にワクワクしてなかなか寝付けなかった。


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