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ガラス職人の息子は初恋の王女様を守ります。  作者: 池中織奈
第五章 砦での生活

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121.水の中の施設について 1

 さて、ナディアが側妃二人の件に決着をつけていた頃、ヴァン達の方では水の中の施設に突入するための準備が整ってきていた。とはいっても、どのように突入するかという事はまだ議論中である。

 水の中に突入するための手段は、考えればいくつか存在する。水を排除して突入するとか、召喚獣に乗って突入するとか。ただどんなふうに突入すべきかという重要な点である。

 おそらくあの施設は、あの見た事もない生物に関係があることは想像できる。ならば、その水の中の施設の中に存在しているのは敵である。なるべく相手に気づかれないように突入するべきだろう。

 中に、あの異形の魔物がどれだけいるのかもわからないのだから。

「師匠、色々考えているけどさ、とりあえずあの建物どうにかすればいいっていうなら、どんって破壊すれば? あれが無い方がいいっていうならそれが一番じゃないの?」

 「あのなぁ……ヴァン、もしかしたらあれがあの異形の化け物と関係のない場合もあるんだぞ。そもそも関係があったとしても、施設は証拠としてなるべくとっておくべきだ。どこが関わっているかというのをきちんと証拠を集めて、行動するのが一番だからな」

 ヴァンの言葉に、ディグはそういって呆れた声を上げる。

 破壊するだけなら正直に言えば、ヴァンとディグなら簡単に出来るだろう。二人そろっているのだから、単純に破壊するといった行為に関しては簡単に出来る。しかし、破壊するよりも施設をそのまま残していた方が、色々と都合が良い。

 「ヴァン……貴方の力があれば壊す事は簡単でしょう。でも、貴方がナディア様の側に居たいという願いがあるのならば、もう少しそういう事を考えられなければならないというのはわかるわよね? 王侯貴族とかかわって生きていくという事は、それだけ沢山の事を考えて行動しなければならないもの。貴方がナディア様の側にいて、考えなしに行動したらナディア様が不利になるのですからね?」

 「フロノス姉……そっか、うん、俺もっと考える」

 フロノスに窘められて、ヴァンはそういった。

 「気づかれずに侵入出来るのが一番なんだがな。下手に気づかれると証拠隠滅される可能性があるからな」

 「んー、いっそのこと派手に突入して、さっさと鎮圧するとか出来ないかな」

 「あー……向こう次第にはなるが、やろうと思えばできなくはないのか」

 派手に突入してさっさと鎮圧は出来ないかというヴァンの言葉に、ディグは考える素振りをする。

 (俺とヴァンとフロノスで突入すればなんとか出来るか? 正直戦力的な意味合いで言えば、よっぽどの事がなければ負けはしないが……。証拠隠滅させないように動くのが第一として……)

 思考した結果、ディグは口を開く。

 「あーっと、なら俺とフロノスでひっそり突入する。そして証拠を集める。別方向からヴァンが派手に突入するというのはどうだ? ヴァンが派手にやらかせばやらかすほどそちらに視線が行くだろうし、こちらとしても動きやすいはずだ」

 二つに分かれて行動したほうが、施設の中に実際に敵勢力が居たとして相手の戦力を分断出来る。それにディグはヴァンが負ける事を想像できなかった。ヴァンが戦いの経験が少なかったとしても、召喚獣たちが居るのだから、どうにでもなるだろうとそういう考えなのでヴァンを一人で行動させても問題ないだろうと考えている。

 「私がいって足手まといにはならないでしょうか」

 「フロノスも俺の弟子として実力はあるし、大丈夫だろう。さっさと終わらせれば王宮にも早く帰れるだろうし、ヴァンもより一層動くだろう」

 「王宮に帰れるなら、俺頑張る! ナディアに会いたい!」

 ヴァンの正直すぎる言葉に、ディグとフロノスは呆れた顔を見せた。しかしまぁ、ヴァンがこれだけやる気になっているのならば、水中に存在する建物だろうとどうにでも出来るだろう。

 「でもどれだけ中が広いかとかもわからないから、準備したものは持って行けよ」

 「うん、ちゃんと持っていく。派手に、そして建物を壊さずに俺は侵入すればいい?」

 「ああ、そうだな。こっちはばれないようになるべく侵入するから。というか、派手にってどうする気だ?」

 「んー、水持ち上げるとか? 湖の水全部持ち上げたら楽でしょ?」

 「……まぁ、楽だな」

 「水全部蒸発させるとか、召喚獣に乗って突撃するとか」

 「まぁ、どれでもいいけど、俺らが侵入した後にな」

 「うん。そうする」

 ヴァンはそういって頷く。

 「……もう王宮に帰れるってにこにこしているが、全部片づけてからだからな。中にあの異形の化け物何体もいる可能性もあるからな」

 「全部倒せばいいんでしょ? なら、さっさと終わらせる。そしてナディアの所帰る!」

 「まぁ、やる気があるのはいい事だけどな。とりあえず俺とフロノスで、侵入するから、しばらくしたらぶちかまして侵入しろよ」

 「うん」

 そんな軽い調子で侵入に対する話し合いは終わった。




 ――――水の中の施設について 1

 (そんなわけでヴァンは派手に侵入する事になったようです)




 

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