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「レグロ先輩、皆、後はよろしく!」
「お前…。」
ルシオはアルバニーを飛ばして、森へ入り、両側に崖の聳える、くびれのような山道へ入り、ルシオクランの精鋭部隊とレグロの待機する合流地点へ赴く。そして、木の上に陣取っているレグロと開けた土地に陣取るクランの精鋭部隊へ合図を送った。
俺は地形を見て目を見開く。合流地点に最後辿り着くまではこの崖の聳える山道を通る以外に無く、入って来る事の出来るモンスター数が限られる。更にその先は開けている事でクランメンバーが陣を敷く事が出来、モンスターを一網打尽に出来るのである。
「この場所は…。」
「拠点近くの地形は覚えておくんだよ。特にお前の場合は頭に入れておけ。」
ルシオはアルバニーを止める。
「お前等、行け!」
それ以降は殺戮であった。獣と血の臭いが充満して行く中、ルシオクランの精鋭部隊とレグロは獅子奮迅の活躍でモンスターを次々屠って行く。日が頂点に昇る頃にはモンスターの死体の山が出来、続くモンスターの列も途切れた。
「死体を横に避けておけ。討伐証明になる部位は確保しておけよ。俺はアルブレヒトと一緒に逃したモンスターを探しに出て来る。レグロ先輩、後は任せますので!」
「俺にも報酬寄越せよ。」
「勿論っすよ、先輩!」
ルシオとレグロは余裕の表情で言葉を交わす。その後、ルシオはアルバニーで俺と森の外に出て更に2往復、同じ事をしてモンスターを殲滅した上で倒すモンスターが無くなったので夕刻にティーロックへ戻った。ティーロック自体もバルトルト等の活躍もあり、無傷の様子。完全勝利である。
「ルシオ、アルブレヒト君、お疲れ。」
「レグロ様。」
「レグロ先輩、御助力感謝します。」
レグロは帰り道、1日矢を射続けた割に涼しい表情で俺等に合流して来る。
「それにしてもアルブレヒト君、凄いな。」
「本当に役に立ちますよ。」
「…俺は前回同様、何もしていませんので。」
「お前のお陰で、俺等のクランの被害も都市の被害もほぼ皆無でスタンピードを鎮火出来た。正直、多少の被害は覚悟していたが…誇れよ。」
ルシオは俺の肩を叩く。
「あぁ、アルブレヒト君は冒険者として今日、ティーロックの大勢の人を救ったよ。」
「…お、俺が今日、冒険者をしているのはレグロ様のお陰です。」
レグロも笑顔で俺を見た。そして俺はレグロに対して告白をする。
「…俺の?」
「俺は昔、子供の頃、ライナラ村で藍紫の矢羽の矢を装備した射士に命を救われました。その時に射士と冒険者を目指して…このギフテッドで射士は諦める事になりましたが…。」
「…あぁ。」
レグロは目を見開いて、俺を見た。
「覚えているよ。あの時の少年か…。」
そしてレグロは目を細めて俺を眺める。
「射士を目指してくれた事も、立派な冒険者に成長している事も、俺は嬉しいよ。」
レグロは俺の肩を優しく叩いてくれた。
「アル!」
門まで戻るとウーゴチームの面々が待っているのが見えた。俺はレグロとルシオを見る。
「行っておいで。アルブレヒト君、また今度。」
「明日、ハラシュ様の所へ行く。バルトルトを寄越す。予定空けておけ。お疲れ。」
俺は一礼をして、ウーゴ等の元へ走る。
「…何でこの被害の割にボロボロなんだよ。」
「アル無しでゴブリンと戦うと大変で…。」
「でも、俺はお前無しでもゴブリン倒したぞ!」
「…まぁ前より多少は。」
俺はボロボロの前衛組3人を見て嘆く。ウーゴは苦笑して答え、自慢するポロを叩く。
「お疲れ。無事のようで何より。」
「お疲れ様。」
「エリシアとディアナも。」
俺はエリシアとディアナを見た。
「アルも戻って来たし、飯行こうぜ!今日はスタンピードで頑張ったお礼に冒険者は飲み代タダにするって。露店も盛り上がっているぞ。」
「…行くか。」
ポロが俺等を急かす。俺等は全員でティーロックの大通りへと歩くのであった。




