そして物語は動き出す…いや言ってみたかっただけです
なんとお、18万Pvに3万ユニーク…そしてもうちょっとで総合評価1000とは…
実はちょっと気分転換に書き出した話がここまで読んでもらって、ありがた!
そろそろ、話も中盤を過ぎて後半へと入っていくと思いますの、ぬるめに見守ってください。
「それで問題のこれなんだけど、なに?」
徹たちは、戦闘が終わると罠があると思わしき位置に集まっていた。
そこには、20㎝四方ほどのかすかなへこみがある。
「珍しいけど、多分落とし穴の罠ね」
「珍しいのか?落とし穴とか、罠の定番な気もするけど」
「いあ゛、ぞういう事じゃないだ…」
さすがに、徹は罠の設置されている場所に凹みがあってわかるとはいえ、危険なのでチョークを取り出して四角くかこっていた。
それを取り囲むように、雁首をそろえて集まっていた。
「落とし穴があるのは、だいぶ深いところよ。ここら辺では、とらばさみとか矢が飛んでくるとかそんな簡単な罠が多いかな。もうちょっと潜ると即死系のもでてくるけどね。落とし穴とか睡眠とか石化とかの行動不能系や閉じ込められる系の罠はそのまた奥ね」
「ふーん。この落とし穴もまたイレギュラーってこと?そういうの多いな…」
徹は、落とし穴のスイッチを見ながら考えこんでしまう。
そして、ふと思いついたように顔を上げた。
「この落とし穴って、下の階層につながっているのか?」
「下の階層?落とし穴に落ちたら最後、出てこられた人はいないわ」
「なにそれ怖い」
「あで?でも、おどじあながら、がえってぎだひどいながっだげか?」
「あー、そういえば、ギルド長が現役の時に、奇跡的に生還したって話だったわね」
「え?まじで?あのゲオルグが?落とし穴はどうなっていたって?」
「うん。それが、当時よく覚えてなかったらしいの。なんでも、ボーット歩いていて、気づいたら迷宮の出口だったって。それでも、1ヶ月ほど休養を取ったら、また迷宮に潜ったらしいからタフな人だよね」
「うーん、不死身かあの禿は…。そうか…まあ、このままここに居ても、仕方がないからそろそろ進もうか」
ほかの人を促して、迷宮探索に出発する。
だが、後ろ髪をひかれる感じがして、出発前にまたわなの位置に目をやる。
その時に、カシアやコンラドがさっき言っていたことが頭の中にフラッシュバックしてくる不思議な感覚にとらえれた。
そして、徹はふと頭に一つの仮説が浮かんできた。
だが、首振ってそれを振り払う。
自分の考えた仮説が、真実だったら全くロマンのない話だと軽く自嘲しながら、パーティーの後を追う。
「トオル?どうしたの?」
そんな徹の様子を心配したカシアが徹に声をかけてくれる。
「いや、大丈夫。それより、ろくな金にならない11層なんてさっさと抜けようぜ」
翌日、日の入り前には徹たちは、迷宮の出口をくぐっていた。
前日徹たちは12層につくと、だいぶ夜遅くなっていたので、まず先に野営をできる地点を探した。
比較的安全な場所が見つかるまで、2回ほど戦闘があったが、フィーネがとらばさみにかかりそうになったところをぎりぎり徹が首根っこをつかんで拾い上げたこと以外は問題なく終わった。
野営も、慣れないエッカルト、フィーネ、徹の三人組はぎこちなかったが、さすがに訪問者歴のながいカシアとコンラドによってリードされ、みるみるうちに準備が整っていく。
夜間の見張りも3交代制で行ったが、特に襲撃というものがなく朝が来た。
「朝です。ということで、1時間ぐらい狩りをしたら帰ります」
徹は早朝にパーティーメンバーを集めてこう宣言した。
「なんでだよ!まだ朝になったばっかじゃないか!」
よく寝て元気いっぱいのエッカルトが反発した。
「それはだな。俺がお家帰りたい!疲れた。あった顔お家が恋しい!・・・というのは冗談でな。大事を取って、迷宮を出る時間を日没前にしたいから昼前に帰途につこうというわけだ」
その言葉通り、3戦ほどすると徹たちはすぐに引き返していた。
お昼を過ぎて午後すぎになると、目に見えてエッカルトとフィーネに疲労の影が見えてきていた。
二人とも、精神的にも肉体的に未成熟であるために、気づかない疲労がたまっていたのだ。
徹は、そんな二人に気づかないふりをしながら、さりげなく後ろを歩いて気を配っていた。
それでも、層を1層1層上がっていくにつれて、あと少しで一息つけると思うとだんだんと表情は明るくなってくる。
出口を見つけて露骨にほっとする二人に、アダルト組は苦笑を漏らしていた。
「ねえ…トオル?これは?」
迷宮から出たときにそういったのは、カシアだった。
街の空気がおかしい。
どこかピリピリしていて、いつもの活気が鳴りを潜めていた。
なにより、迷宮の周りに人気が消えていた。
「何かあったみたいだな。とりあえず、ギルドの方に行ってみよう。そこで情報が得られるはずだ」
息を切らさないように走らずに、急いでギルドの方へ向かってみるとそこには地獄絵図が広がっていた。
いつも暇そうにダラダラしているゲオルグさんの姿はなく、ギルドの入り口からはひっきりなしに人が出入りをしていた。
誰もかれも、表情に焦りを浮かべており、徹たちが入ってきたことも気づかずにいた。
その中でも、顔見知りであるカミラのところに徹は行くと声をかけた。
「カミラちゃん。ちょっといい?何があったか説明してもらえる?」
徹に声をかけられて、カミラはやっと徹がそこにいることに気づいた。
「あ!カーマさんよかった。今日はもう迷宮から帰ってこないかと思いました。いま、この街、カーマインが大量の『鵺』に襲われています」
「鵺?あの不思議生物?襲われているってどういうこと?」
「わかりません。今大量の鵺が街壁に取り付いているらしいです。クランごとに場所を割り振って対応しています。カーマさんたちも迎撃についてください。確かヴァニルクランが、迎撃に向かった場所はこの町の入り口付近です」
これ以上情報はないと見切りをつけた徹は、カシアたちのところに戻った。
事情を説明するとみんな顔を真っ青にしていた。
「とりあえず、カシアとコンラドは自分のクランに戻ってくれ。二人とも絶対に死ぬなよ」
徹の言葉に二人はうなずくとすぐにギルドを出て、それぞれのクランに向かった。
事態について行けず何をしていいのかわからず混乱している二人の頭に手を置いて、徹はやさしく言う。
「お前ら二人は俺についてこい。ヴァニルクランで一緒に戦うぞ」
「えっ、でもクランごとに戦うんでしょ…?」
「馬鹿言ってるな。お前達のクランなんて、二人だけだろ?どうせ、そういう弱小の集まりに突っ込まれてろくに連携もできないだろうから、それよりは俺のとこで戦えばそれだけ戦力は上がる」
「でも、ギルドに逆らうことに…」
「いいか。規則なんてものは、状態を混乱させないようにあるんだ。そんなもののために、自分の命をかけるのは馬鹿だろう。これぐらいの融通は利かせろ。むしろ、そんなことでうだうだ言ってくる奴は、俺がぶっ飛ばす」
徹は言いたいことだけ言って、二人の手を引くとヴァニルクランが守っているという正門へと向かっていった。
正門の先には、大量の鵺が広がっていた。
さすがに、最強のクランの一角といわれるだけあって、ヴァニルクランが任されるところは地獄だった。
「うわあ、気持ち悪…」
街壁から見下ろす徹がうんざりしたような声を出す。
一方で、徹の隣にいるフィーネとエッカルトはその光景に絶句して、震えていた。
「大丈夫だ。死にゃーせん。この街も落とされることはない」
余りの光景にのまれて、真っ青になっている二人に徹は、声をかける。
そのとき、徹を目ざとく見つけたゾネがよってきた。
「カーマか!戻ってきたのか。よかった。今日は戻ってこないのかと思っていたよ。それでその二人はなんだ?」
「こいつらは、俺のパーティーの二人さ。今回は俺のサポートをさせるために連れてきた。問題ないよな」
「ああ、いいぜ。下手にどっかにつっこむよりは、お前のもとにおいておいた方が、死なないだろうしな」
ゾネから許可をもらって、二人は露骨にほっと胸をなでおろしていた。
一通り状況をゾネに教えてもらうと、再び徹たちは城壁から下を覗き込むとそこには大量の鵺が門に群がっていた。
街の職人たちが、いま門を内側から補強している最中らしい。
だが、その光景はいつもんが突破されるかわからないといったところだった。
ヴァニルクランの面々は、壁を這い上がってくる個体を叩き落としたり、魔術や弓を放ったりして、鵺と戦っているが、状況は芳しくない。
「さっそく、カーマたちも参戦してくれ。見ての通りあまりいい状況じゃない」
了承の意を伝えると、徹は二人を引き連れて開いている持ち場に向かった。
「エッカルトにはいつものように前衛を頼む。上がってくる奴らを叩き落としてくれ。きつくなったらポーションを飲め。いくら飲んでも補充してやる。フィーネは、魔術でやってくれ。ちょうどいいし上級魔術はなってもいいぞ」
「「はい」」
二人は素直に答える。
そこで繰り広げられた光景は、原始的な攻城戦といった形だった。
一切の飛び道具がなく。
ただ、壁を原始的な手段で乗り越えようとする鵺と入れさせまいとする訪問者の押し問答だった。
壁に爪を突き立てて上ってくる鵺を槍で、突き殺したり、魔術で焼いたりと訪問者は、善戦していた。
それでも、数が数なだけに、だんだんと皆の疲労が蓄積されていった。
しばらく、徹は、エッカルトと一緒に壁をよじ登ってくる鵺を打ち落とす作業をしていたが、フィーネが魔力切れを起こしてしまいエッカルトにヴァニルクランの休憩場に運ばせた。
「さて、どうするかね」
「どうにかできんのか?」
徹が一人になってぼやいていると、知らない間に隣にゾネがいて、ひとりごとに反応してきていた。
泰然自若としているが、ゾネも解決策が浮かばなくて焦っているのだろう。
眼球がせわしなく動いている。
「多分できる」
「じゃあやってくれ!」
「はいよー」
徹は、安請け合いすると、改めて魂に刻み込んだ回路を活性化させる。
活性化された魂は魔力を増幅させ収束させ高密度の魔力体となる。
それまでの魔力から再び桁外れに高密度膨大量の魔力が生まれる。
視界から入ってくる情報をもとに敵の個体数を割り出し、街壁に被害を及ぼさない範囲を設定する。
端は、街壁より広く、だが、街壁よりは10メートルほど距離をとる。
街から見える森に隠れているだろう鵺も忘れず、範囲に居れる。
「〷✇」
徹が、その言葉を発すると同時に、すべての人間の視界が白で埋め尽くされた。
だが、それも一瞬の話だった。
瞬きをしていた人間には何が起こったかすら気づかなかっただろう。
ただ、光が周囲を埋め尽くしただけだった。
正確には、空から太い光線―レーザーのようなものが打ち落とされていた。
だが、そのあとカーマインの街を熱風が襲う。
立っていられないほどではないが、眼を開けているのがきつい程度の熱風だった。
風がやみ、視界が元に戻ってくると、そこには一面の荒野が広がっている。
その荒野はカーマインの街の半分が入ってしまうほど広い。
残っていたのは、カーマインの街壁に取り付いていた鵺だけだ。
「……はあ?」
その光景を見てのゾネの第一声がそれだった。
「やりすぎちゃった。てへ☆ミ」
「イラッとするわ」
徹が、行った魔術は光系統―陽系統の最高級魔術だった。
徹が設定した範囲に光が降り注ぎ、その熱エネルギーを以て、鵺をはじめとする動物、その地に生えている植物、その上微生物まで、すべての生物を一瞬で気化してしまったのだ。
魔術が当たった後には、ありとあらゆる生物の存在しない、溶けてグズグズの地表だけが残されていた。
いま徹の眼下では、街壁に取り付いていた鵺が驚いて逃げ出すが、逆に焼けただれた地面を踏みこんがり焼かれているのが見える。
しばらく見ていると、徹のところにも肉が焦げ付く嫌なにおいが漂ってきている。
「いやーさすがにここまで威力があるとは思いませんでした、まる」
「はぁあああああああ」
ゾネは盛大なため息をつく。
「カーマは…いや…うん…よくやってくれたよ…だけどな…こう…うん…」
ゾネは、徹をほめていいのか怒っていいのかすごく複雑な顔をしている。
それを見ていた、リンがボソッと言った一言が、すべてのクライ員の心を代弁していた。
「もったいぶらずに、できるんなら最初からやんなさいよ…この歩く非常識が!」
定番の襲撃フラグ
それにしても、徹君が戦闘に参加すると一瞬で終わってしまう…




