スピアは酒豪
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俺はリアルでもスピアがお酒を呑んでいるのを見たことがなかったので、嗜む程度に呑んでいることに驚いた。
「おいおい、無茶はするなよ?ゲームとはいえ二日酔いだってあるんだから」
「大丈夫!そこそこでやめておくから」
そう言って、スクリュードライバーを呑むスピア。
一言で表すと、スピアは酒豪だった。どんどん度数の高いお酒を呑んでいっても、ケロリしている。
「そんなにお酒が強かったんだな、スピア」
「うーん、自分ではそんなに自覚ないけど、ケンがそう言うなら強いのかな?」
「うむ。このリンとタメを張れる時点で酒豪と言って、間違いないだろう」
「スピアさん、凄いです」
「ありがとう。ユミちゃん」
リンとスピアは、相当お酒が強いようで、以前購入した日本酒も焼酎も飲み干してしまった。
「呑みすぎるなよ、なんてこれじゃあ言えないな」
俺は井の中の蛙だったらしい。
「最近はハンバーガーショップを教えてもらったおかげで、稼ぎが良いんだ。呑みたけりゃ他の酒を持ってくるぞ」
「いや、これ以上はやめておこう。な?ユミ。スピア?」
「はい、今日はこの辺で終わりにします」
「あたしもやめとこっかな」
「そうか。残念だが、分かった」
リンも絡み酒するタイプではないので、助かった。
「後でリアルで一緒に呑もう」
小さな声でスピアにだけ聞こえるように言う。
「オッケー、今夜の食事は居酒屋で食べよう」
スピアが承諾の返事をする。
「それじゃあそろそろ昼飯だ。ログアウトしよう」
「今日は例のラーメン屋さんで良いよ?」
「よっしゃあああ」
「驚きました。そんなにラーメンがお好きなのですか?」
「ああ、行きつけのラーメン屋さんのラーメンはな」
「お店で食べるラーメンなのですね。てっきり自炊した、こだわりのラーメンかと思いました」
「俺達が行くラーメン屋さんは特別なんだよ。な、スピア」
「あたしには、そこまでのこだわりはないかな」
スピアに同意を得られず、肩透かしをくらったようだ。
「と、とにかく、そこのチャーシュー麺が絶品なんだよ。チャーシューがほろほろと溶ける感じでさ。美味いんだ」
「そうなんですね。話を聞いていたら、私も久しぶりにチャーシュー麺が食べたくなりました」
「そうだろう。ユミも昼食はチャーシュー麺にするといい」
「はい、そうします」
「ではログアウトしますね」
「ああ、気をつけて」
三人はホテルに泊まってログアウトした。
現実世界に戻って。
「奈央ー。ラーメン屋さんに行くぞー」
「はーい。ちょっと待って、お化粧してるから」
「了解」
少しして、奈央がやって来た。
「化粧なんてしなくても、奈央は美人さんだよ?」
「ありがとう。だけど、外に出る時は、お化粧しないと出かけられないの」
「ふーん。そういうもんか」
「とりあえず分かった。ラーメン屋さんへ急ごう。あのお店人気店だからさ」
「だね。さっさと家を出よう」
二人は急いでラーメン屋さんへ向かった。
「チャーシュー麺の大盛一つと、ラーメン一つお願いします」
「かしこまりました」
ひさびさのチャーシュー麺である。ドキドキが止まらない。唾も出てきた。
チャーシュー麺とラーメンが到着する。
「「いただきます」」
俺と奈央は、ラーメンにがっついた。
「ふう。ごちそうさまでした」
「ねぇ、瞑想してみせてよ」
「混んでるから別の場所でな」
「うん、そうしよう」
ラーメン屋さんを出た俺達は公園に来ていた。目的は瞑想である。目をつむり、集中する。すると遊んでいる子供達の様子が手に取るように分かる。
「今、遊んでいる子供は八人だな」
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