星の剣とグレーダイヤモンド
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そうして食器洗いをしてから、健二はLGにログインすることにした。奈央も同じだ。つまり食器洗いは、二人でしたということ。
「やっほー、ヒトミだよ」
「よう、ヒトミ。今日は相談がある」
「何かなー?」
「瞑想についてだ」
「なんだか、難しそうな相談だなぁ」
「単刀直入に聞く。LGでの瞑想はリアルに影響を与えるか?」
「その答えはイエスだよ。でもそんなに影響はないはず・・・」
「俺はリアルで、瞑想中に飛んできたサッカーボールを避けれたり、人混みの中を目をつぶって、誰ともぶつからずに歩けた。これは相当リアルに影響を与えていると言って良いだろう」
「そうだね。そこまでいくと達人の域だね」
「でも、前例がないからなぁ・・・上に報告してみるけど」
「なるべく早く頼む。その間俺は瞑想しない方が良いよな?」
「うーん。正直ここまでやってきたなら瞑想を続けても良いと思うけど。そうだね、万が一を考えたら瞑想は一旦ストップしてもらおうかな」
「了解、俺からは以上だ」
「あ、じゃあ私から一つ」
「PvP 昼の部が行われたよ。それぞれの街でチャンピオンが決まったからね」
「おお、やっぱり昼の部もあったのか。俺は夜型に特化しているから、助かったぜ」
「あ、ゲームマスターの真似してる!」
「ばれちゃしょうがないぜ。ログインするぜ」
「はい、じゃあ剣と魔法の国へ行ってらっしゃい」
そうして俺はマグナスのホテルで目を覚ました。ううーん、と背伸びをして体の確認をする。いつもと同じようだ。
「あたし達、今ギッシュにいるから」
とスピアからチャットが入っていた。
「了解。俺も行こうか?」
っと。
「今からマグナスに戻る予定だから、そっちで暇潰しといて」
「分かった。筋トレでもしておく」
「アックスみたいな返答だね。とりあえず分かった」
確かに筋トレしてるなんて、アックスみたいな返答だ。だが瞑想が出来ない以上、ダガーを使ってDEX(器用値)を上げるか、筋トレして、STR(筋力値)を上げるかしか考えがない。VIT(体力値)も上がると良いのだが、それは筋トレマニアのアックスくらい鍛えないと上がらないと考えている。
せっかくホテルにいるのだから、チェックアウトギリギリまで、ホテルで筋トレしていよう。まずは腕立て伏せからだ。
そうしてしばらく筋トレした後、シャワーを浴びてチェックアウトした。行く先もない、当てもない。広場で星の剣にグレーダイヤモンドがつけられないか、実験してみることにした。
結果は大成功。プラチナはこの前と同じ量使用した。
以前のようにグレーダイヤモンドの中心に縦割れが入ってしまったものの、威力向上のバフが得られた。デバフは宝石の価値が大幅に下がるというもので一致している。
ポーンと頭の中で音が鳴る。剣職人レベル-18、アクセサリー職人-12になった。
ついでに、この前大活躍した初心者の鎧をメンテナンスした。ひさびさのメンテナンスだったので、鎧職人のレベルが-15まで下がった。なおデバフは収縮がついて一回り小さくなってしまった。あのリーチがゆえに強かった初心者の鎧だが、そろそろ引退かもしれない。
また曲芸師ギルドへ行ってみることにした。すると、ハンバーガーショップで、てんてこ舞いのリンを見つけた。
「手伝うぞ」
「ケン、よく来てくれた!」
と、リンに感謝された。
とにかくお客さんをさばいていく。
「ありがとうございました」
声掛けも忘れない。
どうやら冒険者の間で掲示板の書き込みによって、ハンバーガーショップの噂が広まったらしい。リンの整った顔つきも人気に拍車をかけているようだ。リンの話し方と性格も相まって女性人気もある。
ようやくお客さんがいなくなったところで、ユミとスピアがやってきた。
「やほ」
「こんにちは」
「おお、ユミ・・・とそちらは?」
「スピアです。よろしくお願いします」
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