僕はいつも曇り空3
ブルーな詩がなぜか晴れちゃいました。
この宝の地図は僕を眠れる書庫より呼び覚まし 虚空の果てまで飛び出せ!と
目の前に可憐な彼女という明かりを灯したのだ 胸がときめき 心が空へ向く
誰がいつ 何のために建設したのか それを問いに来たのではない
開かずの大扉の前に立ち尽くした時 吹き上げてきた風の中に見覚えのある
一片の紙切れが舞うのを見た 蝶を追いかける子供のように眼で追い息を切らせ
気付けば走り続けていた それを見失うも謎めいた獣の奇声に我を取り戻す
侵入する者への警鐘なのか 音なき輝きの雫が星空から普く降り積もった大遺跡
金属質の分厚い壁は 訪問者の手指に歪な感触を届け 脳裏に黄金郷を焼付ける
古代人の汗と涙で丹念に敷き詰められた幾何学模様の石畳 踏みつける輩数知れず
発見した人影に戸惑うも近づくだけで 砂の模型の如くに崩れ去るは時空の戯れか
大樹の根がそこかしこの硬い床から隆隆と顔を出し 彗星の如くに眩い石畳には
銀河の渦を想起させる斯くも美しき紋様が幾重にも散りばめられ 陰りのない少年
の瞳の中に吸い込まれた様な異空間に目的を見失いそうになる
太古の美学に基づいて形成された天空城 老いる事なく紺碧の空と同化する佇まい
風と共に駆け巡った折 見下ろす景色が四季の山々に似て 幾山河の風情は万華鏡
山岳地帯より根を下ろす様に張り巡らされた つづら折りの坂道に阻まれた要塞は
長遠の時を冠する数多の草露が 瓦礫と砂塵の痕跡を歴史の舞台裏へと洗い流す
ように水脈となり城の上空より滴り落ちて島の端々にまで流れ込んで風流に浸る
心地良さに気を取られて神秘的な天空城の門前で幾多の屍が時空彫刻と化したのか
計り知れない故に早々に魅了を振り解き 希望の峰の鏡と成る瑞相を見つけだし
わが身を明らかにするよ!
その決意の表れに共鳴したか 今再びの突風が僕の頬を撫でて平安の祈りを届けた
一片の紙切れ舞い戻りその意味を悟る いつかの窓から逃げた栞 もう手放さない
僕は諦めない君とふたり幸せの鐘を鳴らすまで 僕は振り向かない君といつまでも
僕は涙を流しても君の祈りに応えるまで決して立ち止まらない それだけを守れば
いつの日かあなたは永遠に生きる母となる
いつの日かあなたは春を願う母として生きる
そしていつの日か 僕はあなたが祈って見上げた夜空に燦然と輝く星座になる
君を見守れることが 僕の心の器も太陽の福徳で満たされた証明となる
君がこの指止まってくれたから僕だって いつまでも曇りのままじゃいられない
あの日の栞は二人の時間を止める為のものではなく 前進への反動を蓄えた言の葉
言の葉は世界を巡り僕らを結んだ それらを見守り照らしていたのは恵みの太陽
太陽は昼間を営む恵みの光 月は闇夜を営む浪漫の影 互いに出会う機会はないが
大地に根差す訳ありの旅人たちは 双方を己心の鏡に写し出し 春と冬を見極めた
心にあたたかな春の訪れが近づく時 僕らの闇は暁を求めて 幻想書庫へ迷い込む
今日も明日も埋もれた財あらば 押花の精が現れて 交差の虹を振りまくだろう
千尋の谷か天空の城 はたまた竜宮の海を誓いの詩で紡ぐ者の手元へ恋文忍ばせ
曇り宇宙からの伝令は 不思議な栞が時を越えて
ぼくらはみんな知っている 彼女はいつも 曇りのち愛の子守唄を唄う
読んで下さってありがとう。☆☆☆☆☆が光ますように。