なんか違うんですけど(聖女side)
私の名前はフローラ・ザッカート
このザッカート帝国、皇帝の第5女になる姫ですの
しかしこの高貴な血筋である私でも、この国では完全な実力主義
能力の無いものはたとえ血縁でも冷遇されるのが当たり前
だから私が16歳の儀式で聖女だとわかった時は飛び上がるほどに嬉しかった
これで高貴な血筋も優秀な能力も両方手に入れたのですから
お父様も満足そうでしたわ
なんの力もない5人目の娘など眼中に無かったお父様が嬉しそうに
「フローラ、でかした」
って言われたの
その日から私は高貴な聖女となったのです
それからは聖女の力を使いこなすための修行とやらが始まりましたの
なぜなら同じ歳に勇者が現れたからだというのですが勇者が出ると言う事は魔王が生まれ変わる時の知らせらしいのです
は?
魔王?
討伐のためにパーティーを組むですって?
嘘でしょー
なんで私が聖女の代でそんな国を揺るがす事が起こりますの!
私はただ、高貴な聖女として君臨していたいだけですのに
魔王討伐の旅?
そんなのありえないですわっ!
そんな私の思いなど魔王の前では聞き入れて貰えるはずも無く有無を言わさない勢いで修行の日々を送っておりましたの
でもこの聖女の力とやらはなかなか難しいのですわ
前任の聖女に色々教えてもらうのですがイメージが大切だとか慈悲の心でだとか何を言ってるのかしら?
少し力を使うとすぐに疲れてしまうし、こんなの先に私の方が倒れてしまいますわよ
それでも数年修行すればなんとかなると言われておりましたのに、私と同時期に現れた勇者、彼が優秀過ぎるのか修行が終わっていつでも旅に出れる状態だと言うじゃないですか!
しかも勇者の力を最大限に活かすには今すぐ旅に出た方が良いですって!?
無理よ絶対に無理!!
私はまだ少ししか力を使えないのよ!
そんなの死ねと言っている様なものではありませんか?
結局は力が不安定な聖女の為に優秀な癒し手を2人つける事になりましたの
はぁー?
癒し手って聖女の下位互換でございましょ?
そんなのつけたところでどうなりますの?
乗り気じゃない私の前に連れてこられた癒し手達を見る
あら?
なかなかの麗しい男性がいるじゃないの?
冷静で頭脳派のウェル
明るくて肉体派のエリック
あの2人なら私の側に置いても良いかしら
そう私少々惚れっぽいところがございますの
年頃の乙女ですもの、しかも高貴な聖女ですのよ!
それ相応の者が近くにいて当然でございましょ?
そして改めて今回組まれたパーティーメンバーと顔合わせする事になったのですが、インテリぶった眼鏡の賢者、魔法しか興味の無いオタクの魔法師、なぜか上裸になりたがる筋肉自慢のタンク、そして何より気に入らないのが、小さくてちょっとだけ可愛いアーチャーの小娘
ああー!!
嫌ですわー!?
こんなメンバーの中にこの私が入るなんてー!
最後に現れたのが勇者、そうお前のせいでこんな目にあうのだと恨めしく見ると、あらら?物凄くイイ男?
「今回は俺のせいで予定より早く招集されたと聞いた、みんなゴメン…」
潔く頭を下げる勇者はロディオと名乗った
「全力でみんなを守るから魔王を倒すまでよろしく頼む」
その瞬間、私ビビッと来ましたのよ
ああ、ロディオは私のものだと…
つまり恋に落ちたのですわ、一目惚れというやつですわね
あの小賢しいアーチャーの小娘も顔を赤らめてロディオを見ているのは気に入らないけど勇者と聖女、ぴったりお似合いのカップルじゃございませんこと?
そんな期待を胸に旅立ったのでございますが、あれ?
なんか違うのですが?
普段のロディオは自ら先頭に立って戦い魔王に近づくにつれて増える魔物から守ってくれる
でも夜になって近づこうとすると、何やらニヤニヤしながら手紙を書いていたり、その手紙にチュッチュ口付けてるし、ちょっと怖い?
一度誰に手紙を書いているのか聞いてみると育った村に残して来た女の子だと言う
え?
つまり幼馴染みって事?
その子にチュッチュした手紙を出してるの?
ちょっと引きましたけど、その手紙を愛おしそうに見る顔がイイ…
私負けませんことよ!
まだまだ長い時間一緒に行動するのですから!
私の魅力でロディオを手に入れて見せますわ!!




