パーティーを組もうとおもいまして
とんぼかえりとはまさにこの事か…
涙、涙の感動のお別れをしたばかりのトラビス邸にまた滞在している不思議
とりあえずは一番安全と思われるトラビス領地で聖女付きだった癒し手さん2人と会う事になった
ムンプスについてまったく無知であろう2人に情報共有して効率良く治療出来ればと考えたからなのだが、勇者パーティーに同行して戻ったばかりの2人は大変お疲れのご様子
そりゃそうか、1年ぶりにやっと帰ればまた行ってこいってブラック企業もびっくりよね
私はとりあえず2人を力一杯癒して差し上げましたよ、はい!
「え?」
「うわっ!スゴ…」
驚く2人は、うん顔色も良くなったね
ベテランと聞いていたけど実際には割と若い男性2人だった
長い旅に耐えられるであろう体力と聖女の希望により選ばれたのだとか
あーそうなのね、聖女は元々男好きなのか
幼馴染みアンからすれば完全に敵認定の聖女に良からぬ感想を思った
ウェルとエリックと名乗る2人はどうやら下級貴族の三男と四男で兄弟であると聞いた
へー500人に1人が兄弟だなんて凄い一家なのに下級貴族なの?
なんて思ったりもしたけど、ウェルとエリックのおかげで爵位をもらえた元平民だと聞いて納得とともに共感を覚えた
だって私だって元々平民ですからねー
「それにしてもアンの力は凄いね」
ウェルが自分の手をグーパーグーパーしながら言う
「本当、一瞬で力がみなぎってきて驚いたよ」
と、私の両手を掴んでブンブンするのはエリック
他の癒し手さんはおばあちゃんしか知らないし、比べた事ないからわからないけど以前クロードお兄様に言われた限界とやらがいまだにわからないのはそれだけ力が強いって事なのだろうか?
2人にムンプスについて説明する
一度感染すればもう罹る事の無い病気である事
熱が高く、喉が腫れるが癒してあげる事で改善する事
最後にムンプスウィスルが原因なので、ウィルスを消せば完治する事
私の説明に、2人はポカンとしてるよ?
特にウィルスという目に見えない菌の存在が理解し難いらしく何度も質問された
「だからどうやってそのウィルスとやらを消すの?」
興奮気味に言うエリックに対して
「こうやって消えろーって…」
両手を前に出して説明する私
「まあ、無理だね…」
それを見て、諦めモードで冷静に言うウェル
なんで?どうして伝わらない!?
2人の限界は3人までと言った
聖女が居なくてもパーティーメンバー6人をギリギリ癒せる数が必要だったらしい
私の限界はわからんと答えると2人して化け物見る目で見てくるよ
なによっ!
あんた達本物の化け物、魔王と戦ったくせにー!!
そんなこんなでムンプスに苦しむ人々も増えてきているから時間も無いとの事で、明日トラビス領地の近隣の領地から行って治療して回る事になったのである
その夜は久々にケビン君に癒されて、クロードお兄様、ライナお姉様にこれでもかとご飯を食べさせられて、ぽかぽかお風呂の後ふかふかのお布団でゆっくり眠った私はアンコのパンのヒーロー並に元気100倍になったのである。
翌朝、
非常食やら着替えやら完璧に旅の準備をしておいてくれた執事さんに感謝しつつ、私達3人は出発するのだった
「アンってトラビス家のお嬢様だったんだね?」
え?
今更なの?
思わず発言したウェルの顔を見る
「は?マジか!アンは子爵令嬢って事?」
同乗してエリックも驚く
おいおい君達、知らんかったのかいー
実際には養子で元々は平民だと経緯を2人に言えば
「あーーなるほど」
と納得顔のウェルと
「だよなーアンが生粋の貴族令嬢とは思えないよなー」
と地味にディスるエリック
こ、こいつら喧嘩売ってるか!
それじゃ今まで通り気楽に行こうぜと肩を組んでくるエリックに頷くウェル
なんやかんやイラっとする事もあるが、気楽な元平民3人組のパーティーが誕生したのだった




