第十九話「ライバル達」
ゲルヴォンが去った後、特級幹部の紋章をつけている者に手招きされた。
恐る恐る足を運んでみると――
「君、すごいねっ!!」
「うぉっ!?」
目鼻の整った顔つきの青年にがっしり両肩をつかまれた。
その青年の吊り上がった目は祝福を意味しているようだ。
「おっと、すまないね。僕は石川カイだよ!! 君と同じ15歳」
「右から順に同期を紹介するね?」
同期という言葉に疑問符がつく。
喜びと落胆が錯綜したなんとも言えない感情が湧き上がる。
「彼は王城獅子王。同期のなかでは白眉で、SSSランク冒険者でもある。SSSランク冒険者の中でも群を抜いて強いよ」
王城は俺を虫けらを見るような視線を向けた。
俺はそんな様子を見て、反射的に鼻で笑う。
当の本人は口の端を上げて不気味な笑みを貼り付けただけで何もしてこなかった。
第一印象は悪辣な支配者。
俺と同じ歳でSSSランク冒険者だから認めざるおえないか……
「その右にいるのは、西園寺あさみ。傭兵学校時代では同じクラスだったんだ〜」
元々彼らは雇い主に雇われて戦闘するアルバイト兵士だったらしい。
彼の口からアルバイトという言葉が出た時は少々驚いた。
「彼女の夢はね……うぅぐ……ッッ」
彼女は可愛らしい頬を赤らめてカイの口元を手で覆う。
俺はカイと逆の立場になりたいと切実に思いを馳せた。
「彼女の後ろにいるガタイのいい男が仏岡堅斗。別名・沈黙のゴリラと呼ばれいるけど、実は甘党。これが彼の魅力かな」
うん。まさに沈黙のゴリラだ。
例えて言うならイース◯ー島のモ◯イ像に酷似している。
「ゴリラの横に並んでるのが早乙女蝶花。何度も僕はアタックしてるんだけど、全然聞く耳すら持ってくれないんだ……ちなみに彼女は最強の剣士を目指していて、ゲルヴォン軍団でも10本の指に入るほどの剣の達人」
これまで黙って聞いていた俺が声を上げる。
「10本の指!?」
早乙女は覇気のない声で前言撤回をカイに求めた。
「いや、それはこいつが誇張して……」
カイはウインクした後、
「うんうん、とにかく強いよ〜」と言い、自分の襟元を正す。
「急に張り切ってどうした?」
カイの様子を見て、早乙女、西園寺、仏岡、支配者的な王城までも襟元を正し、胸を張る。
「これから……ボスがくる」
仏岡がガサツな声で俺にそう告げた。
勿論、俺のボスは今のところゲルヴォンだけ。
それ以外のボスに従うつもりもなかった。
「やぁ君たち」
その声が耳に届いた途端、この男以外の景色は頭に入らなくなった。
脳以外の細胞が反抗心を抱いたのか俺は同じ年齢であろうこの男に屈服する。
読んで頂きありがとうございます。
少しでも気になると思ったのであればブックマークの登録と広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ飛び跳ねるくらい嬉しいです
(1分程で終わる)




