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第十六話「追放→死刑」

「ペルセウス。このパーティーは私がリーダーよ? 今から私が言う事に、反論権は与えません」 


「……」


「なに? まだ言いたいことがあるのですか?」


 ペテルギウスの形相が険しくなった。

 眉間には何重も皺がよる。

 これを鬼の形相というのだろう。


「お……俺は」


「「え?」」


 首が宙に舞う。

 

 それ以上のことを考えさせてはもらえなかった。


 また息が出来ない……

 胸を刺されたような痛みが走る。

 

 目が……痛い

 瞬きが出来ない。


 エリカは、えぐり出すような目で俺をみていた。


「私はこのままではパーティーリーダー失格となり、冒険者を剥奪されるんですよ」


 耳には入ってるが、頭には入っていなかった。


「ペルセウスを殺したことは隠蔽(いんぺい)できるとしても……あら、時間がないわね。つまり、単刀直入に言うとあなたが私の身代わりとなりなさい」


 え……?


「ブスッ」


 なんだ……?

 体に力が……



 俺は気がつけば、また暗闇の中にいた。

 でも、今は一人じゃない。

 馬が……馬が走っている。

 俺を運んでくれている。


 あの時の記憶は鮮明だ。

 ついさっき起きたことのように覚えている。

 話の内容。

 彼らの顔。

 ミノタウロス族に白魔術師まで覚えている。


 俺は、彼女の罪をなすりつけられたのか?

 

「じゃあ、この馬車はどこに……」


「ブラッドサファリですよ」


「ブラッドサファリ?」


「えぇ」


 その人が話すと同時に灯火がつく。

 

 白髪で、顔半分を隠していて性別は不明。

 声でも判別不可能。

 それは、男か女かわからない。

 そんな声だった。

 

 



「……あなたは誰です?」


 この人にブラッドサファリのことを聞いても多分教えてくれないので、名前を聞くことにした。

 

 

 


 


「死刑執行人、とでも言っておきましょうか」


 そうか。

 俺はこれから死ぬんだ……

 お母さん、ごめん。

 こんなに恵まれたスキルを与えてくれたのに……




 その怪しげな詐欺師は、ここまでの経緯を話してくれた。

 


 どうやらエリカは、自分が犯した罪を俺になすりつけたらしい。

 さらに無能な固有スキル等と、悪態もついてたとか。

 本当にあの女はやばい。

 これが同じ人間なのか?

 水下先生とは月とすっぽんだ。


 そして今、目の前にいる怪しげな詐欺師は、死刑執行人としてブラッドサファリに同行することになっている。


 俺は、ふとトラックではねられる寸前の記憶が蘇ってきた。


 

 嫌だ……

 嫌だ、嫌だ、嫌だ


 俺はまだ死にたくない!!

 

 俺は必死に足掻いて、この馬車から逃げ出そうとしたが、怪しげな詐欺師に止められた。


「何すんだよ、詐欺師め」


「アハハ、私は詐欺師ではございません」


 なんだこいつ……

 笑い方から推測すると異常者だな。

 

「んんー? 今、あなた……」


 俺は、慌てて話題を切り替えた。


「あのさ、死ぬまでに聞きたいんだけど……」


「なんですかぁー?」


「俺の能力知ってる?」


 その詐欺師は少しの間、右手を頬杖にして黙り込んだ。


「今、知りましたよ?」


「は?」


 この人によると、「無眼」というスキルを持っている為、どのような事でもお見通しらしい。


「無眼って何?」


「……」


「無眼……」


「……」


「ム・ガ・ン・と・は?」


「……」


 反応が全くない。

 死んでいるのだろうか?

 ご愁傷様。


「誰がッ……誰がご愁傷様ですか!?」

「それは置いといて……無眼て何?」


「またそのお話……てか、スルーすんな!! あなたにはねぇ? 学習能力というものがないんですなぁー?」



「分かったよ、もう聞かない。俺のスキルの何が分かったか……それだけは教えて」


 そうは言ったものの教えてくれるはずがない。

 この人の言ってることは全部まやかし。

 怪しい商品でも売り込もうとしているのだろう。

 

 

 

 第一印象 詐欺師

 第二印象 詐欺師

 第三印象 詐欺師


 ここまで印象が悪い人間を見たのは初めてだ。

 

 ん? こいつ、本当に人間か?


「いい加減にしなさい? 坊や。今からあなたの命奪うわよ?」


 成人してます……


「あっ、ごめんなさい。アハハ」


 全身に鳥肌が立つ。

 この人は相当強い。

 うん、強い。

 

「まぁ、いいわ。私のスキルの真価見せてあげる」


「……ん? 今にやついたわね?」


「いや、別にー?」


 そう言い、俺は中途半端な口笛を吹く。


「あなたは転生者で、アーナトリス家の人間ね……」


「口笛ってどうやって吹くの?」


「口笛はねぇ、この部分をこう尖らせて……」

「てか、ちゃんときけぇぇー!!」


 俺は筋肉質な腕で、強引に絞技をされた。


 その後、少し大人しくなった俺にオネエさんは優しく質問への問いを話し始めた。


 どうやら俺は、固有スキル「クズ」と「八尺瓊勾玉」以外に、もう一つの固有スキル「闇」とやらがあるそうだ。


 今までの鑑定士は見抜けなかったが、この()は見抜いた。

 


 

 

 










 

 





 

 


 



読んで頂き、ありがとうございます

少しでも気になるなーと思われた方は広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ飛び跳ねるくらい嬉しいです。

更新も高頻度でしていきますので、ブクマ登録をおすすめします(笑)

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