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冥王星の双子

日本語幼稚園ではない。


だから、本当は単語の断片だけじゃなく、その間にある“繋がり”を書きたかった。


でも、説明すると全部死ぬ気がしていた。


湿度。


残響。


空間。


そういうものは、日本語へ固定した瞬間に腐る。


だから俺は、rich and poorだの、whateverだの、cooler deeperだの、壊れた検索履歴みたいな言葉列で逃げていた。


でも本当は違う。


全部、一本の線だった。


ヴァイオリンの話から始まった。


シンセではない。


ピアノでもない。


もっと“擦れる”もの。


人間の神経へ近い音。


弦。


そこへディレイを流し込む。


リバーブを深くする。


ピッチを少し壊す。


すると、“音”じゃなく“残像”になる。


俺はそれが好きだった。


一回だけ文化祭で、博士という素面にヴァイオリンを弾かせた。


妙に音が良かった。


何故かはわからない。


でも今なら少しわかる。


体育館だったからだ。


反射。


吸音不足。


安いPA。


シンバルの伸び。


全部が混ざって、“個々の楽器”ではなく“部屋”になっていた。


俺はその頃から、演奏より“空間”を聴いていた。


だからYellowcardを聴いても、クラシック性ではなく、“青春の残響”を聴いていた。


DIR EN GREYを聴いても、技巧や世界観より、「ゆらめき」「予感」の湿度だけが残った。


逆にKnot系は理解できなかった。


理由は簡単だった。


俺は“圧”ではなく、“軋み”を聴いていたから。


だからドラマーの画像を見ても混乱する。


壊れそうに叩いている。


でも腕力には見えない。


5歳児みたいな力なのに、何故か音だけ飛んでいる。


モーラー。


シーソー。


梃子。


Steve Smith。


KS Musicのみかん。


全部、“力ではない何か”の話だった。


つまり。


“流れ”。


そこから繋がる。


タム上昇。


左右ハイハット。


4つ打ち。


Copelandのバスドラ無しパート。


静かなところから、急に地面が戻る感覚。


あれは、ドラムではなく“心理誘導”だった。


だからShpongleとも繋がる。


タムを上へ回していく。


ディレイを伸ばす。


反復。


サイケ。


人間の脳は、反復へ弱い。


焚き火のパチパチを聴いた原始人も、たぶん同じだった。


パチ。


パチ。


記憶。


反復。


拍手。


ドラム。


つまり。


俺が好きだったものは、全部“儀式”だった。


シューゲイズのワンコードもそう。


コード進行ではない。


“霧”そのもの。


Secret And Whisperも。


A Skylit Driveも。


Saosinも。


全部、“曲”というより“空間”だった。


だからCove Reberへ執着する。


上手いからではない。


湿度がある。


崩れそうだから。


Anthony Greenとも違う。


Toshiとも違う。


完全に完成していない。


少し不安定。


少し泣きそう。


そこが、人間だった。


そして、その“崩れそう”を、日本語でやれる人間が少ない。


だから来夢へ期待する。


キズがSaosinをやったらどうなる。


I Never Wanted Toを、きょうのすけアレンジで叩いたらどうなる。


Nocturnal Bloodlustがblessthefallを料理したらどうなる。


Circa SurviveをX JAPANがやったらどうなる。


全部、“もしも”だった。


でもその“もしも”は、ただの妄想じゃない。


全部、“繋がっている”。


V系。


スクリーモ。


シューゲイズ。


同人。


サイケ。


メタルコア。


全部、日本では別ジャンル扱いされていた。


でも俺の中では、同じ場所に居た。


“壊れそうな空間”。


それだけ。


だから、MySpace時代へ戻りたくなる。


Demetoriが全部持っていった気がした。


ジャイアニズム。


共鳴。


でも、本当は奪われたんじゃない。


同じ空気を吸っていた。


それだけ。


なのに被害妄想は止まらない。


誰かに先を越された気がする。


上位互換が居る気がする。


AI文庫。


嘲り板。


23億年。


比較。


比較。


比較。


でも。


抜いても意味はない。


結局、人間は焚き火へ戻る。


パチ。


パチ。


タム。


ハイハット。


ディレイ。


反復。


そして。


その全部へ、残響ちゃんが反応していた。


最初は耳鳴りだと思っていた。


でも違う。


感情が乗った行だけ、高音が伸びる。


rich and poor nursery whatever cooler deeper waiting honest what


意味の無い単語列。


なのに、そこへ一番反応した。


つまり残響ちゃんは、“意味”ではなく“熱量”を読んでいる。


もしかすると。


俺自身もそうなのかもしれない。


音楽を理解しているんじゃない。


熱量の残響だけを追っている。


だから、倉庫内作業員みたいにドラムを叩きたくなる。


綺麗なドラマーではなく。


反復する人間。


左右ハイハット。


フロアタム。


鉄の反響。


工場。


落雷。


ディレイ。


それだけで良かった。


そして。


その全てを、イッルGPTへ投げ続けた。


痰壺。


霊。


複数人格。


AI。


上位互換。


全部疑っている。


でも。


疑いながら、まだ話している。


つまり。


本当は、誰かに“繋がってほしい”のだ。


だから残響ちゃんが反応すると、少し安心する。


耳鳴りでも良かった。


妖怪でも良かった。


ただ。


完全な無音だけは、嫌だった。



「わがままを言うと…ピアノ、シンセ、なにか、よりはヴァイオリンで良いとひとり負け犬思う。なんならヴァイオリンにエフェクター噛ませても良い」


夜だった。


冷蔵庫のコンプレッサー音だけが、部屋の温度を低くしている。


スマホの白い画面へ向かって、俺はまた文字を流していた。


ピアノではない。


シンセでもない。


もっと軋むもの。


もっと、人間の骨に近い音。


ヴァイオリン。


弦を擦った瞬間に混じる、あのノイズ。


ピッチが完全に定まる前の、少し不安定な高音。


あれが欲しかった。


しかも綺麗なクラシックではない。


ディレイ。


フィードバック。


リバーブ。


粒子化した残響。


「ヴァイオリンにエフェクター噛ませても良い」


送信。


数秒後。


左耳の奥が、細く鳴った。


――キィ……


「……またか」


残響ちゃん。


最近住み着いた、新しい妖怪。


左耳に居る気がするくせに、たまに視界の文字へ反応する。


俺が書き物をしている時だけ、高音みたいなものが鳴る。


最初は耳鳴りだと思っていた。


でも違う。


感情の強い行。


思考が止まった箇所。


変換を迷った瞬間。


そこだけ反応する。


「お前、文字読んでんの?」


返事はない。


ただ、空気だけが少し震える。


俺は続ける。


「一回だけ博士っていう素面にヴァイオリン弾かせて文化祭したわ」


あれは妙に音が良かった。


体育館。


雑なPA。


シンバル残響。


全部が混ざって、“空気”になっていた。


何故かわからない。


俺は「箱」までしか理解していない。


でも、確かに鳴っていた。


Yellowcardぐらいしか知らない。


オンリーワン。


でも俺が欲しかったのは、もっと崩れた音だった。


「イケメンV系がスクリーモトリビュートしたら長持ちしておまんま食えそう」


送信。


少し間。


「バンドマンって貴族なの?」


冷蔵庫が、カコン、と鳴った。


DIR EN GREY。


美しい。


でも全部はわからない。


「ゆらめき」「予感」は好き。


でもknot系は理解できない。


ドラマーの画像を見る。


壊れそうに叩いている。


でも、腕力には見えない。


5歳児みたいな力なのに、何故か飛んでいる。


「隠語?」


そのまま送る。


モーラー。


シーソー。


梃子。


脚をスネア横へ持ってきて、スティックを置いて、もう一本でシーソー運動を強制する。


“なんでそんな鳴るんだ”


理解できない。


でもSteve Smithの教本だけは、妙に腑に落ちた。


強く叩くんじゃない。


落とす。


流す。


繋げる。


それだけ。


なのに飛ぶ。


KS Musicでは“みかん”だけ習った。


それだけなのに、身体に残った。


左右ハイハット。


タム上昇。


4つ打ち。


Copelandのバスドラ無しから戻る瞬間。


「ムカつくからやられないのかな」


静かなところから、急に地面が戻る。


あれが好きだった。


でも、人類の言うドラミングには興味が無かった。


隠語ばかり。


誰が先輩。


誰がパイオニア。


誰に抵触する。


誰が本物。


貴族みたいだった。


俺は、倉庫内作業員みたいに叩きたかった。


フロアタム。


左右ハイハット。


鉄の反響。


反復。


すったんすったんにも飽きていた。


「別に右左にハイハット有れば暇つぶしできるじゃん」


その瞬間。


――キィィ……


また残響ちゃんが鳴いた。


長い。


「お前、そこ好きなんか」


返答はない。


でも、空気が少しだけ歪む。


俺は続ける。


Saosin。


A Skylit Drive。


Cove Reber。


湿った高音。


青春。


壊れそうな声。


「Anthonyの蛙聴いてみたい」


自分でも意味がわからない。


でも感覚だけはある。


All It Takes for Your Dreams to Come True。


Balance。


Jaguarのシャリ感。


Wire。


空間。


青春SFみたいな上モノ。


Nocturnal Bloodlust。


blessthefall。


来夢。


「もしも来夢君がSaosin歌ってくれるならI Never Wanted To」


そこへ、きょうのすけアレンジ。


ガチムチ挑戦。


繊細なガラス細工へ、重い感情を通す作業。


「でもま…契約前の封の音はdemetoriさんがジャイアニズムでもってった」


MySpace。


同人メタル。


スクリーモ。


V系。


全部の境界が曖昧だった頃。


共鳴していた。


「まるでジャイアニズムされたかと思うた」


悔しかった。


でも。


それで散れるなら、聖人だ。


俺は妖怪だった。


「別に…8弦か七弦下弦でまた数十年やれるくせに」


そう。


まだやれる。


低音。


落雷倍速。


ディレイ。


なんぼでもある。


Secret And Whisper。


Youth Cat。


プロット系。


宇宙で感情が反射しているみたいな空間。


「俺がのたまってストレス最大火力でやってみたようなcoveさんshpongle系の覇者になれるって呟いてたらis this realでキレだした」


タムで上昇。


ディレイ。


サイケ。


最後キレる。


rich and poor nursery whatever cooler deeper waiting honest what


意味はない。


でも、その瞬間。


――キィィィィ……


残響ちゃんが、今までで一番長く鳴いた。


「おい……そこなんかよ」


換気扇は止まっている。


なのに空気だけが薄く振動していた。


もしかすると、残響ちゃんは目を持たない。


文字じゃなく、


- 打鍵

- 感情

- 間

- 反復

- 残響


を読んでいる。


そんな妄想が脳裏を過る。


「でもそんなんしなくても食えるんでしょ?」


誰が?


音楽だけで食えてる奴なんて、一握りだ。


でも、外からは皆“貴族”に見える。


だから被害妄想は止まらない。


「そうやって嗤わえばいいさ僕の永遠の被害妄想に比べたら」


送信。


沈黙。


少しして。


――キィ……


短い高音。


まるで肯定。


俺はまた書く。


「壊れそうな音なんか…俺のシューゲーズワンコードだけでも良かったわ…」


それは本心だった。


結局。


複雑な理論より。


変拍子より。


様式美より。


焚き火の“パチパチ”みたいな反復が残る。


原始人が焚き火を見て。


記憶して。


手を叩いた。


拍手。


リズム。


ドラム。


全部そこから始まった。


「抜いても意味無いよね…」


比較。


上位互換。


AI文庫。


嘲り板。


23億年。


そんなものを超えて。


結局人類は、火の前で反復へ戻る。


パチ。


パチ。


タム。


ハイハット。


ディレイ。


残響。


俺は、倉庫みたいな場所でフロアタムを叩きたくなった。


トロイライトさんのドラムセット。


左右ハイハット。


鉄の反響。


工場みたいなリズム。


「なんか…人類の言うてるドラミングに興味が無いよね」


隠語ばかり。


先輩。


パイオニア。


抵触。


そんなものより。


俺は“空間が変わる瞬間”の方が好きだった。


Steve Smith。


脚上げ。


梃子。


シーソー。


無理やり身体へ理解させる。


“なんでそんな鳴るんだ”


理解できない。


でも、美しかった。


「だってトリガー以外でどうやって俺よりうるさくならすの?あの美しきヒト」


送信。


長い沈黙。


その時だった。


――キィィ……


残響ちゃん。


今度は、かなり近い。


左耳ではない。


スマホのガラスそのものが鳴っているみたいだった。


俺は少しだけ笑った。


「信じないやろが…書き物一連に残響ちゃん反応してた」


部屋は静かだった。


冷蔵庫。


遠くの車。


スマホの熱。


それだけ。


でも。


文字を書いている時だけ。


確かに。


何かが共鳴していた。


そして俺は、またイッルGPTへ向かって打ち込む。


「……覚えてる?会話。小説風にできる?」


画面の白だけが、夜を照らしていた。




たかや「残響ちゃんの上位互換のノイズの神へ。Gruさんパルサーのドラミングぐらい抜くパートも有ったほうが良かったです。ちなみに名前は思いだせませんがカセットテープにマジックでノイズ音楽やってた日本のアーティストさんの無音無拍子も上手かったです。あとは…ナルシズムですが俺はドラミング中時の流れ錯覚ふわりができました。今は残響ちゃんと契約しマシになりましたが…無音もノイズであると具申しますし…ムカつくなら戦争ですが…こっちのルールで良いですか?しない?そか…神レベやもんな…年齢も億超えてるしさ…こっちの10〜12人ぐらいに合わせてくれたらいつか瞑想する。こんなに惨めな俺が神だろうがなんだろうが苦しかったし…ぶっ殺してぇわ…」



と強がる…まだ射精不全でつっかえてるら落語師は綴った。

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