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第97話 ドワーフの血

「少し歩いたところに川があるのだけど、それを利用できないかな?」


「川か……水車を作れるかもしれんのう」


「じゃあ、川に水車を建てて風を送るようにすれば、木材として使えるようになるかな?」


「水車を建てるための木材はどうするのじゃ?」


「そうか、それが無いか」


「じゃが、水車の小屋となる部分は、此処と同じように土で作っても構わんじゃろ。

 水車の部分は鉄でも構わんのじゃが、儂が持ってきた量では足らんじゃろうし」


「鉄鉱石はまだあったから、持ってこられるぞ」


「あの炉では、石から鉄を取り出すことは出来んのじゃ。

 あれは、鉄を鍛えたり加工するための炉じゃからな。

 じゃから、鉄を得ようと思ったのならば、それを街へ持って行かねばならんのじゃよ」


「ミスリルとかも、一度街へ持って行かないと駄目なのか?」


「あれは特別なのじゃよ。

 塊に付いているミスリル以外の物を取り除けば、そのまま此処で加工できるのじゃよ」


「それなら、ミスリルで水車を作るって言うのは……」


「駄目じゃ、絶対駄目じゃ! 天が許しても、儂が許さん!」


「でも、ミスリルならすぐに持ってこられるんだが」


「ならば、ミスリルで何かを作って街で売り、その売った分で材料を街から買ってくればよかろう」


「じゃあ、前に貰った金貨で、必要な分の鉄なんかを街から仕入れてくるのは良いか?」


「それならば良いのじゃ。

 ただ、結構な量の鉄が必要になるじゃろう。

 此処まで、どうやって運ぶつもりなのだ?」


「一度に全部を運ぶんじゃなくて、少しずつ、回数を分けて俺が此処まで持って来るよ」


「それなら、木材を運んできた方が良いのではないか?」


「木材だと、この袋に入らないはずだからおかしいと気づかれるだろ? インゴットくらいの大きさなら、十分、この袋に入れられる大きさだからな。

 それに、10個くらいずつなら持てなくもない重さだろ?」


「お主がそれで良いのならそれで良いが、その袋に入る板も買ってきた方が良いじゃろう」


「どうしてだ?」


「小さい板でも使い道があるからの。

 例えば、水車の羽根として使う事も出来るじゃろう」


「そうだ、小さい板を繋いで、ドアのようなものを作ることは出来るだろうか?」


「作れんこともないが、長い板の方が楽じゃろうな」


「じゃあ、長い板も少し買ってくるよ。

 袋に入れないで、運べる分だけ買えば良いだろうしな。

 ドアとかはご覧の通りだから、早めに何とかしないとな」


 言いながら、入口の方に目をやった。

 此処にも、木の枝を紐でつないだものがぶら下げられている。


「入口で思い出したのじゃが、窓を此処にこの位の大きさで作ってくれんか?」


 ドノバンに言われた通りに、窓となる部分をキャンセルで土魔法を消していく。


「この大きさに合うような入口の|アレ≪、、≫はまだ無いから、待っていてもらえないか?」


「ならば、買ってきた板で儂らが作ろう。

 他の所も、窓も入口も作ってやろう。

 この位の細工ならば、ドワーフなら皆出来るじゃから」


「アイリスもか?」


「アイリスにはまだ何も教えとらんからできないだろうな。

 じゃが、此処に移り住んで物を作る機会も増えるじゃろうから、アイリスを儂とイルデの弟子と言う事にしようと話しておったのじゃよ。

 まだ、どの方向の物づくりに向いているか分からんから、色々教えてみて適性を見ようと考えておったのじゃよ」


「それで、まずは木工という訳か」


「そうじゃな。

 イルデの方は、裁縫とか彫金とかを教えようと考えているようじゃがな」


「どちらにしても、向いているのが見つかると良いな」


「ドワーフの血が流れておるんじゃから、その点は心配ないじゃろう」


 アイリスの為にも、手に職を付けた方が良いに決まっている。

 ずっと此処に居るにしても、いつか此処から離れてしまう時が来たとしてもだ。


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