第96話 鍛造炉作りと木材の作り方
「木材があれば、ドアとか家具を作れるわよ。
森が目の前にあるけど、木材は作らないの?」
「木を切ることは出来るけど、木を木材にする方法が分からなかったからな。
木を切ってもそのまま使う事は出来ないとは聞いたことがあるんだが、どうすれば良いのかまでは聞いたことが無かったんでな」
「その辺は、ドノバンと話せば良いと思うわ。
炉で薪も使うことになるだろうから、その分の量も必要だと思うから」
「そうだな。
じゃあ、あっちへ行ってみるよ。
……っと、こっちでは、もう俺の出番はないかな?」
「そうね。
あとは片づけたりするだけだから、私達だけで何とかなると思うわ」
家の方では、俺はお役御免になったようなので、工房の方へと移動した。
工房では、ドノバンが道具を床に置いて、配置を色々考えていたようだ。
「ドノバン、家の方が終わったので来たけど、炉の場所とか決まったかな?」
「あぁ、ノア。
待ち草臥れたのじゃよ、
炉はこの辺に設置しようかと思うのじゃが、早速、取り掛かろうかの」
「炉を作る前に、煙突が必要だろ? 煙突はどうすれば良いかな?」
「炉には煙突が無くても大丈夫じゃぞ。
その代わりに、大きい窓を付けてくれれば良いんじゃよ」
「分かった。
じゃあ、此処に炉を置くんだな。
大きさはどのくらいだろうか?」
「此処から此処までだから、あのブロックを30個くらい用意してくれんか?」
「その大きさなら、1回で作れるぞ」
土魔法で、指定された土の板を作った。
「おぉ、これならば、すぐに炉を作れそうじゃ。
では、次に炉の壁となる板を、高さこれ位で手前側以外の面を囲う様に作れるかの?」
「これで良いかな?」
ドノバンに言われた高さで、下に敷かれた土の板を囲う様に土の壁を作った。
「うむ、良い感じじゃな。
それでは次なんじゃが……」
そんなやり取りをしながら、鍛造用の炉を作った。
途中で、|鞴≪ふいご≫と炉へ空気を送る取り入れ口の高さを合わせるために、その場で鞴を組み立てだした時は、今日中に終われるのか不安だったが、あっという間に組み立ててしまった。
「こんなものは、儂にかかればあっという間じゃよ」
流石はドワーフと言ったところだろうか。
「そういえば、イルデが木を木材にする方法はドノバンに聞いた方が良いって言われたんだが、教えて貰えないか?」
「そんなに難しいことは無いのじゃよ。
木を切り倒して、多少大きめに木材とする形に切り出したら乾燥させる。
そしてその後、きちんと木材の形に切り直すんじゃよ」
「随分と手間が掛かるんだな。
なんで、多少大きめに切らないといけないんだ?」
「木は乾燥させると、その時に反ったり捻れたり、割れたりするのじゃよ。
大き目に切っておいて、反ったり割れた所を除いて木材として使うんじゃよ」
「どの位、乾燥させないといけないんだ?」
「風通しの良い所で、大まかに切り出して一年ほどじゃのう」
「乾燥に風通しが重要なのか?」
「そうじゃよ、風通しが悪いと、温度が高くても乾燥しないんじゃよ」
「そうなのか……気温さえ高ければ、乾燥すると思っていたよ」
前の家の掃除をした時に、家の中が全然乾かなかったのは風通しが悪かったからだったんだな。
「さっきこの地に着いた時には、殆ど風が吹いていなかったようじゃし、木材をきちんと乾燥させるとなれば、一年より多く掛かるじゃろう」
「勝手に風を起こす方法なんて無いかな?」
「此処には動力となりそうなものが、何もなさそうじゃから難しいかもしれんのう」
動力か……何か良いものは無いかな?




