第76話 種を蒔こう(2)
この作業を、1つの畝で2回、2つの畝で行ったので、4つの種を蒔く穴が開けられた。
ここには、ニンジンの種を植えようと思う。
「じゃあ、皆、ヴィーヴルの所に集まれ」
皆がヴィーヴルの所に集まって行った。
俺も、ヴィーヴルの所へと行く。
「これから、種を配るから、皆でさっき作った穴の中に1つずつ入れて、種の上に土をかぶせるんだ。
種が無くなってもまだまだあるから、慌てて蒔かなくても良いぞ」
皆に、それぞれが片手で持てるくらいの量を渡す。
「これは、何の種なのじゃ?」
「これは、ニンジンだな」
「ニンジンは、昨日のスープの中に入っておったかの?」
「あぁ、ほら、ちょっと赤い黄色の物が入っていただろ? あれが、ニンジンだ」
「ほう、ならば、早速蒔くのじゃ」
「あぁ、種を蒔くときは、このぐらいの間隔で種を蒔いていくんだ」
種を1cm位の間隔で蒔いて、土を被せた。
「もっと沢山入れたらいけないのか? 多く入れたら、それだけ沢山採れると思うのじゃが?」
「あまり多く入れると、土の中にある栄養を取り合ってしまい、大きく育たないし美味しくならないらしいんだ」
「あまり、たくさん植えても駄目なのじゃな?」
「そういう事だ」
「では、種と種の間に注意して植えるのじゃ」
「じゃあ、ヴィーヴルは此処に入って、ここの穴に種を蒔いて行ってくれ。
アンはヴィーヴルの後に此処に入って、こっちの穴に種を蒔いてくれ。
ドゥはそこの穴に、トロワはそこの穴だな。
キャトルとサンクは、それぞれ、ドゥとトロワと同じ穴に、反対側から種を蒔いていこう」
ヴィーヴルが種蒔きを始めた。
「1つだけを蒔くと言うのは、なかなか難しいのじゃ」
「慣れてしまえば、簡単にできるようになるよ。
じゃあ、此処に種を置いておくから、無くなったら、此処から持って行ってくれ」
「分かったのじゃ」
『『分かりました』』
『わかった~』
「じゃあ、キャトル、サンク。
俺達も、種を蒔きに行こうか」
俺とキャトルとサンクは、畑の反対側へ向かって行った。
『ぼくはこっち~』
『じゃあ、ぼくはここ』
反対側へ到着すると、キャトルとサンクも種を蒔き始めた。
問題なく種を蒔けているようだ。
俺は、キャトルとサンクの間に入り、2つ分の畝に種を蒔いていった。
キャトルとサンクは、慣れていない手つきながら、一生懸命に種を蒔いていく。
覚束無いながらも、確実に、丁寧に……
どうか、この苦労が報われますように……




