第77話 種を蒔こう(3)
「よし、蒔き終わったな。
次の種を蒔くぞ」
「今度は何の種を蒔くのじゃ?」
「小カブでも植えようかと思っている。
これも、さっきのニンジンと同じように植えれば良いんだ」
「小カブは昨日のスープに……」
「あぁ、入っていたよ。
白いものが入っていただろ? あれが、そうだよ」
「では、また棒で穴開けからじゃな? ノア、早速やるのじゃ」
ヴィーヴルの中で、種蒔きの何かが気に入ったようだ。
気分転換の域を超えた、意気込みが感じられた。
折角やる気になっているのだから、気を削ぐ必要もないだろう。
ヴィーヴルに言われるままに、皆で穴開けの作業を開始した。
2回目ともなると、やることが分かっているので、俺がいちいち説明しなくてもすぐに種を蒔く穴が作れた。
ニンジンと同じく畝2つ分を用意した。
「さっきと同じように種を蒔いていけば良いぞ。
ほら、これが種だ」
暫くして、小カブの種を蒔き終えた。
ニンジンの時より、明らかに早くなっている。
皆が種蒔きに慣れてきたのもあるだろうが、中でもヴィーヴルの気合の入り方が半端ではない。
一体、どうしたのだろうか?
「ノアよ、次は何を蒔くのじゃ?」
「次はラディッシュだ。
これは、昨日のスープには入っていなかったぞ」
「そうなのか? まぁ、良いのじゃ。
種を蒔くのじゃ」
「これも、今までと同じ感じだな」
1つの畝だけに穴を開けて、種を蒔いていった。
隣の畝には、今のところ何も植えないで置いておく。
「どうして、此処には種を蒔かないのじゃ?」
「此処にもラディッシュを植えようと思うんだけど、ラディッシュは30日位で収穫できるから、植える時期をずらそうと思うんだ。
一度に沢山採れ過ぎても、食べきれないと勿体無いだろ? だから、10日後位に隣に植えて、さらに10日後にその隣に植える。
そして、30日後に最初に植えたところのを収穫したら、そこにまたラディッシュを植えていく。
こうすると、10日後毎にラディッシュを収穫できるようになるだろ?」
「ストレージに入れておけば、大丈夫だと思うのじゃ」
ストレージに入れておけば、育つこともないが、腐ることもない。
俺が何日か置きに、効果が消えてしまわぬよう魔力を補充してやれば、ずっと使い続けられる。
収穫したものをストレージの中に入れておけば、何の問題もない。
これ以上入れられなくなっても、別の袋をストレージ化すれば良いだけだ。
「そう言えばそうだな。
じゃあ、他と同じく、もう1畝分、作ろうか」
畝をもう1つ、ラディッシュ用に用意して、種を蒔いた。




