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第55話 ドワーフとの話し合い(5)

「どういう事だ?」


「ミスリルだけなら隠し通せるかも知れないが、オリハルコンもとなると無理じゃろう。

 オリハルコンの武器は間違いなく国宝相当になるじゃろうし、王家への献上品となる可能性は高いはずじゃ。

 そうなったら、間違いなくオリハルコンの出処を王家が探し出そうとするじゃろう。

 王家が本気で探し出そうとするものを、いつまでも隠し通せるとは思えんのじゃ」


「そうなると、オリハルコンは出さない方が良いか?」


「儂としては残念じゃが、お主が隠し通したいとするならば仕方がないじゃろう。

 それも、ここにあると打ってみたくなるから、お主が持っておった方が良いじゃろ」


「分かった」


 俺はオリハルコンの塊を、俺の袋の中にしまった。


「じゃあ、今回はミスリル武器だけを出しましょう。

 ミスリルならば領主様にお出ししても問題ないでしょ?」


「うむ、その方が良いかもしれん……しかし、残念じゃのう」


「オリハルコンか?」


「ミスリルを打てるだけでも満足せねばならんとは分かってはおるのじゃが、オリハルコンを見せつけられてそれを打てないとなるとのぅ。

 幻の酒が目の前にあるのに、お預けを食らった気分なのじゃ」


「そのうち、オリハルコンを打てる機会があるかもしれないじゃない。

 今は、ミスリルを打つことに全力を傾けたほうが良いわよ」


「そうじゃな。

 まずは目の前の仕事を、全力でこなすとするか」


「私はさっき話した通り、街へ行ってノアさんの買い物をした後に、片手剣と短剣の売り先を探してくるわ」


「じゃあ、俺はすぐにここを離れたほうが良いか? 荷物は次に来た時に受け取れば良いしな。

 次はいつ来たら良いだろうか?」


「袋が7日しか持たないんでしょ? あなた、ミスリルを加工するのに、どの位かかるかしら?」


「準備に1日、片手剣を形にするのに3日、短剣ならば1日じゃろう。

 そして、それらの調整をするのに1日、全部で7日というところじゃな」


「それを街まで持って行って受け渡すとなると、全部で8日かしら」


「袋が持たないか」


「じゃあ、私が街までは案内するわ。

 ノアさんは私たちとは別々に街に入って、そのまま帰れば良いと思うわ。

 街には2つの門があるのだけど、ノアさんは私たちの使う門とは別の門を使うことになるだろうしね。

 ミスリルの件は10日ぐらい経ってから、来ればいいでしょう」


「じゃあ、あの袋は自由に使ってくれて構わない。

 ただ、さっきも言った通り7日ぐらいしか持たないから気を付けてくれ」


「それを過ぎたらどうなるのかしら?」


「袋の中のものが消えてしまうんだ。

 何処に行ったのかは分からない」


「分かったわ。

 明日、街へ行った時の家で使う分の買い物に、使わせて頂くわ」


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