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第56話 ドワーフとの話し合い(6)

「それじゃ、明日は街までの案内を頼む。

 今日は外でファーティと野営をするから、庭先を貸してくれないか?」


「あら、家の中に入っていいわよ。

 ベッドが無いから、床の上に寝てもらう事にはなるけど、それでも良かったら自由に使って構わないわ」


「天井があるだけでもありがたい。

 では、遠慮なく使わせてもらうとする」


「気にしなくて良いわよ。

 じゃあ、晩御飯も一緒に食べましょう」


「ありがとう。

 では、これを受け取ってもらえないかな?」


 袋から、ここに来る途中に狩ってきたイノシシを取り出す。


「ありがたく頂くとするわ。

 じゃあ、早速、これを使って晩御飯を作るわ。

 楽しみに待っていてね」


「では、儂はミスリル加工の準備を整えて来るとしようかのう」


「俺は、ファーティとアイリスの様子を見てくるよ」


 俺達は、それぞれの場所へと散って行った。

 玄関を出ると、ファーティにもたれ掛かってアイリスが眠っていた。


『先ほどまで走り回っていたのですが、眠ってしまいました』


「遊び疲れたんだな。

 ファーティ、済まないが、このまま暫く寝させてやってくれないか?」


『承知。

 我の子らの相手をする時と変わりませんので、問題ありません。

 それで、話はどのようになったのでしょうか? 差し支えがなければお聞かせいただけますか?』


「あぁ、明日、街に行ってから帰ることになった」


『街に行かれるのですか? ならば、我は一緒に行かない方がよろしいでしょうか?』


「そうだな、街の入り口までは一緒に来てくれ。

 街から俺達の家へと帰る時に、此処には寄らないかも知れないからな。

 街中には一緒に行かない方が良いだろう。

 騒ぎになったら困るしな」


『承知。

 街の外にて待機しております』


「あぁ、よろしく頼む」


 風がそよそよと吹いている。

 ここの所、いつも何かをしていたため、何もしていないとどこか落ち着かない。


「薪でも拾いに行ってくるから、ファーティはアイリスの相手を引き続き頼む」


『承知』


 何もしないということに耐え切れず、薪拾いと理由を付けて森の中へ入ってきた。

 森の中を見回しても、焚き付けになるような小枝や松ぼっくりは見つかるが、薪になるような枝は見つからない。

 木の実なんかも見つけたら、一緒に取っておこうと思っていたが、それも見つからない。

 動物もいないようで、収穫は小枝と松ぼっくりだけだった。

 結構、日も傾いてきたので、ドノバンの家へと歩みを進めた。


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