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第15話 ドラゴンと遭遇した(4)

「では、俺は帰ってもよろしいでしょうか?」


「あぁ、そのことじゃがな……」


 美女が考え込んでいる。


「何かあったのでしょうか?」


「うむ、お主をこのまま帰らせて、このことを他人に知られると面倒なことになると思ったのじゃ」


「俺が他人に喋らないと誓えばよろしいのでしょうか?」


「今も残っているか分からんが、昔は人の心を読み取る魔法があったのじゃ。

 それを使われたら知られてしまわぬか?」


「魔法のことは専門じゃないので分からないですので、無いとは言い切れません」


「お主がここまで来たと言う事は、もう、遠くない未来に、この付近も安全ではなくなると言う事かも知れんしの」


「それは……そうかも知れませんが、それでは、俺にどうしろと?」


「そこでじゃ、お主に人間からの攻撃を防ぐ壁となってくれんか?」


「どういうことでしょうか?」


「妾の住処の前で、人間が来たら追い返して欲しいのじゃ。

 次々来るかもしれない人間の相手をするのも面倒なのじゃ」


「でも、俺はそれ程強くはないぞ」


 言っていて少しだけ悲しくなったが、事実だ。


「その為の力は与える。

 『龍の加護』と呼ばれる力だ」


「断ったら?」


「勿論、口を封じるだけじゃな。

 少しでも後延ばしできるだろうしの」


「少し、考える時間が欲しいのですが……」


「う~む、妾はもう水浴びを終えたので帰りたいのじゃ。

 今、決められぬというのなら、口を封じるしか……」


「分かりました。

 俺の負けのようです。

 あなたの住処に行きます、行かせてください、お願いします」


 殺されるよりはマシだろう。


「ただ、行くにしても荷物を取りに行かせて欲しいのですが……

 このまま行っても、生活ができませんので」


「うむ、分かったのじゃ。

 では、『龍の加護』を与える。

 これで、お主はこの世界の何処にいても妾から逃れることができなくなるのじゃ。

 それで、お主、名前は何というのじゃ?」



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