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1·Ⅰ 秘密基地

初投稿なので温かく見守っていただけると、とてつもないくらい跳ねて喜びます!

「やっぱり、いつになっても冬は寒い。」

 高1の冬、友達も結構できてまぁ気になる人もいて充実した生活をいつも通り変わらず過ごすはずだった。

 でも見つけてしまった。秘密の場所を…!

 私の学校は丘を越えた先にある。丘といっていいのか、ほぼ富士山なんじゃないかと思うくらい登山家向けの道のりだった。

入学したての頃なんか、行きと帰りだけで4時間は歩いたんじゃないかと思うくらい辛かった。

今はもうスイスイ行けちゃうくらい筋肉がついたけど。

そんなある下校中、道の脇にきれいな花が並んでいることに気がついた。

冬でも花って咲くものあるんだ、と思いながら見ていたらよく漫画とかで見る地面に食い込んだ小石が目の前にあるのも気づかず、すっ転んで木々の間へと転がった。次に目を開けた時最初はどこだか分からずキョロキョロしていた。

幸い怪我はしてないようだった。最初は戻ろうと必死に道を探したがいくら探しても見つからないので諦めて、目の前に見えるスロープを歩いた。

今歩いているスロープはあるものを囲むようにして右へとゆっくり曲がっていた。道のりにそって歩いていると目を疑うほどの景色が広がった。

こんなに綺麗な場所があったなんて。知らなかった。街が全部見えていて視界も開けており、すごく綺麗だった。夜とかは星空が見えたりするかな。

円の形をした広場があり、その円の真ん中には大きな木が生き生きとしてあった。

 だいたい周りを見ていると観光用の場所にも見えた。プラスチック製のベンチとテーブル。よく動物園とか公園で見るものだ。しかもあまり汚れていない。誰もここへ来ていないと言うなら誰も掃除などもしていないはずなのにピカピカだった。

それで言うと柵も古そうだけど押してみると相当硬く深いところまで刺さっていることがわかった。

 これは……秘密基地として使える…?

 小さい頃よく公園の抜け道とかで小さい空間を見つけた時、ここは私たちの秘密基地だ!とはしゃいでいた時期があった。今思い返してもとても楽しかった。親にも言わずに友達との秘密の場所なんて楽しくて仕方がなかった。

 ここも似てる。私がさっき転んでここに来るまでそれなりの木々を見た。つまり誰も知らない素敵な場所。私だけの秘密の空間。

ここでピクニックなんかしたら楽しいだろうか。春は桜が舞って静かなお花見ができたりするんだろうか。そんなことを妄想しているとワクワクが止まらなかった。 ここで勉強も出来るんじゃないか。家だと兄弟がいてうるさくて集中できない。かといって塾や学校でやるとなるとそれこそプレッシャーがあって集中しづらい。

でも、ここなら。風の音だったり街の音も聞こえる。うるさくも静かでもない。ちょうどいい。

 ちょうど今日は宿題が出たばっかりだった。勉強してみようか。どうせ家に帰っても怪獣が二匹いるだけで快適ではない。よし、やろう。

 そして私は青いプラスチック製のベンチに荷物を置き、宿題をテーブルの上に広げた。ガタガタ揺れない。机はサラサラしててノートなど書きやすい。まるで新品みたいだ。誰かここを管理などしているのだろうか。でなければここまで綺麗なはずがない。

もし管理人にあったら日常的にここを使わせてもらってもいいか聞かなければ。私有地だったら怒られてしまう。

でももしここが本当に私有地だとしたら?私にとっての秘密基地がなくなってしまう。

もし今誰か来たらなんて言おう。休んでました?転けて迷いました?どうしよう。誰も来ないことを信じたい。

でも私が登下校の道としてずっと使っていたのにこんな場所があるのは知らなかった。つまりここを知っているのはあまりいない…?いや、そもそもここにたどり着くまでにあの石につまづいてちょうどここの入り口に到達するように石を踏む角度まであっていないとたどり着けないのでは。

 そうだ。帰ったら境田(さかた)おじさんに聞いてみよう。境田おじさんは市長の親友って前言ってたし、親戚というより家族に近いくらい親しい仲だからきっと聞いてくれるだろう。ていうか市長ってどこの土地が誰のものなのか分かっているのかな。暗記して覚えてたりするのかな。市長という仕事はあんまりよく分かっていないけど……。

 ほぼ考え事ばっかで宿題はほぼ進んでなかった。 今何時だろう。と携帯を探って帰る準備をしてると

『〜♪〜♫〜〜』

 この音は…途中でノイズが入ってて聞こえづらいがおそらく5時になった時に鳴るチャイムだ。 キョロキョロして周りを見てたら来たときは気づかなかった時計台があった。これもまた公園でよく見かけるやつだ。もうそんなか。

 だが仮にこのまま帰ろうとしてもさっき探しまくっても見つからなかった帰り道がなければ帰れない。しかもここを知っている人はほぼいない。

ど、うしよう。街の景色を見ながらどうやって帰ろうか考えていると後ろからガンッゴンッズザッというテンポのいい音が聞こえた。

これ、よく漫画で見るパターンだとなんかいるやつじゃ…。

自然に後ろを向いて帰ろうとでも言うようにゆっくりと、演技だということを悟らせないようにあえて音がした方へは目を向けずこのまま帰ろうとでも思っているような顔を作り、なんか考えてそうな顔をした。 でもやっぱり少し気になってしまったのでほんのちょびっと視界の端で見ることにした。 その後は体が言うことを聞かずにその場で固まってしまった。

人がいたから。しかもこの位置だと多分木から落っこちたのではないかと思う。大人にも見えなくもなかった。私よりも年上に見えそう。男の人。

でも服装がボロボロでこんな真冬なのに長袖じゃない。所々破れてる。しかも髪が長くてうねうねしてる。

 もしかしてホームレス?私のおんなじように偶然ここを見つけて住んでるってこと?

だとしたらずっと木の上で過ごしてたってことなのかな。いや、地面でもいいはず。なんでわざわざ足場の悪い木に?木を見てもジャングルハウスらしきものも何もなかった。とりあえず意識があるか確認するために声をかけた。

「あ、あの…大、丈夫です、か?怪我とかしてませんか?」

 話しかけて数十秒経ったあと男の人が咳をした。 そしてそのままヌッと起き上がった。

その時になって気づいた。無視して帰り道を探せばよかったと。

第1話を読んでいただき、ありがとうございました!

次回から、幸木の運命を変えるある鬼が登場します。 よろしければ、引き続きお楽しみください!

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