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episode52〜神の存在〜

たくさんの作品の中から見ていただき、ありがとうございます。

最後まで読んで下さると嬉しいです!


そしてルクナは改めて、この1ヶ月間を振り返った。

サリドナに向き直ると、その口をゆっくりと開いた。。


「サリドナ殿、色々と世話になった。礼を言う」


「かの国の殿下に、そのように仰って頂けるなんて礼にも及びませぬ… はて、他にもまだ引っ掛かりがありそうですな?」


「あぁ、もう少し聞きたい事がある。その女神達とは、一体何者なんだ? 存在自体がよくわからぬ」


「女体の姿を持つ… 神だ」


(そのままだな… )


「その力は絶大で、かつ絶対的な存在。この世の種族、生き物、自然、あらゆるものを意のままにすると言われておる」


(でもそれって… )


側で聞いていたアルネが、思わず口を挟む。


「ねぇ… おかしくない? 神なんかじゃないわよね… そんなの」


「え?」


「だって100年前の出来事は、おそらくその女神達が原因だったんでしょ!?」


「あぁ、確かではないがあれらを操ることが出来るのは、女神の力しか考えられない… 」


「ふんっ、草ね草!」


(え? く、草?)


「何が神よ!? 女神よ!? それによって、種族が滅びゆく羽目になってるのよ!? 女神を名乗っているのなら、普通助けるはずでしょ!? おかしい! おかしすぎるよ! 彼女達は命を何だと思ってるの!?」


アルネの拳に力が入る。


「アルネ… 其方が憤るのもわかる。では其方の言う神とはなんじゃ?」


サリドナは、その答えのない疑問を投げかける。


「それは… 全ての人を守る、加護を… 」


「そう… 全ては神の手の内… 神が全てを決めることができるのじゃ。つまり思うがままだ。其方の言う守る事も… 滅ぼす事も… 命をもだ。誰も逆らえない」


アルネはその行き場のない感情を、拳を握りしめる事でしか制御できないでいた。


(考えろ… 考えろ… 何か… 何かあるはず… )


ルクナがそんなアルネの震える肩に触れようとした瞬間、ある言葉がその心を前へと押し出してくれた。


「そんな神… クソ喰らえだな」


「え… ? ア、アディ?」


「俺も納得いかねぇ… あんな残酷な事をしておいて… 神だと? ふざけるな! 違うだろ… 奴らは神の姿をした悪魔だ」


ルクナも自身の考えを示そうとしたが、2人の気持ちは更に上へと突き進もうとしていた。


「あぁ、アルネとアディティアの言うことはわかる… しかしだな、相手の素性がわからないままでは… 」


((いいや… ))


「誰も逆らえないんなら、私が… 」

「誰も抗えないんなら、俺が… 」


(え… ?)



「「引き摺りおろしてやるっ!」」



アルネとアディは、揃ってそう言う。


その目は互いが同じ事を言っているのに気が付きもせず、空を睨みつけていた。


勇往邁進。


まさに今、この言葉が合うのは、ここに居る2人が一番ではないか。


それを受け止めるかのように、周りにいる者達はそれぞれに思う。


(ふぅ… その意欲が危う過ぎる… 本当… 目が離せない… )


(あぁ… アルネ様が2人に見える… )


(何でこう… いつも… まぁ… アルネらしいが… 周りの身にもなって欲しい)


すると、アルネはふと思った。


「あれ? ちょっと待って!? 女神がいるって事は、男の神も居るって事なんじゃない!?」


「はっ! そうじゃ! 1人居た! 女神達よりも力を持つ真の神がっ! しかし彼は… 」


サリドナは大きく声を張り上げた。


(存在感薄いのかしら?)


「… 絶対神か?」


アディが反応を示す。


「そうじゃ。その名もゼアリウス」


「ゼアリウス… ? ものすごい力を持ってそうな名前ね」


「全知全能の神と言われているゼアリウスだが、その存在も居場所も何も知られていない未知のお方だ」


「そう… 彼の力を借りれればいいんだけど… 見つけるのは相当困難なのかしら?」


(ゼアリウス神… 確か彼は何かの姿に… )


アディは、再び空を睨みつけた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


たった今、得たばかりの膨大な新たな真実を胸に抱え、その場を後にしたアルネ達。


アンセクト族達はその場に残り、王子であったライとの関係を再確認していた。


アルネはその姿を見ながら思う。


(ライ… まさか王族だったなんて、本当驚きだわ。でも彼なら、人の上に立つ素質は十分あるし… それにきっと、皆とはこの先もそのままの関係で、あまり変わらないんじゃないかしら?)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その夜、テントの中で床に就く支度をしていたアルネ。


そして、横になると今日の出来事を思い返していた。


(女神達… いや、こりゃもう悪女達よね! 何とかしないと… はぁ… でも最優先は他種族を探す事… それに絶対神ゼアリウス… 彼もなんとしても見つけたいんだけど、でも一体どこに… ゔーん)


アルネが目を瞑りながら唸っていると、こちらをじっと見つめる視線を感じた。


「今日の事だろ?」


ルクナが、真っ直ぐに見つめながらそう言う。


「あ、う、うん… えと、そうなんだけど… 」


「あまり考えすぎるな。先程も言ったが、まずは種族達の探索じゃないのか?」


「うん… わかってる。わかってるんだけど… 何だか世界は、本当に彼女達の手のひらの上って感じがして… なんか… 悔しい… 悔しいよね!」


「あぁ、その気持ちはわからなくもなくも… なくもないが… 」


「どっちよ」


「まぁ何処かに女神達の思惑に、対抗する為の手段になり得る何かがあるはずだ。それに… 」


「ん? それに?」


「それに、お前がいるだろ?」


「私? いやいやいやいや! 私なんて大聖女の風上にも置けないわよ!?」


「だからだろ? だから、これから新たな発見や考えを繰り出す可能性が大いにある。今までの大聖女が思い付かなかったようなな。それに、負けん気が強くて、お節介焼き… 突飛な思想で、奇行を奇行とも思ってない」


「それ… 悪口?」


「ふふ、何より人の気持ちがよくわかる。一緒に涙を流しちゃうくらいにな」


「な… あんたに私の何がわかるっていうのよ?」


「ふふ、わからない。全くだ。予測不可能だから面白い。だから、知りたい。もっと近くで見ていたいんだ。そう思ってる」


「… ぐぬぬぬ… 何なのよ… 一体… 」


(私の事… そんなふうに思ってたなんて… )


「アルネ… その力が未だ繋がっているということは、何か術があるという事。この先、それを見つけ出し、俺達のできる事をやっていくしかない。その手段がまだわからず、手探りになると思うがそれでもやるしかないんだ。不安なのはわかる。俺もだ… すごく」


「ルクナも?」


「あぁ、当たり前だ。俺は思っている以上に弱い人間だ。それをギリギリで食い止めている。色んな助けがあり、支えがあり、考えを与え、見つけさせてくれる、そういう存在が、周りにはたくさんいる。それに応え切れない事も、多々ある。しかしやれる限りのことはするつもりだ。もちろんアルネの存在に助けられる事も多くあるんだ… だから、これからも一緒に居てくれないか?」


「え… な、何でそこに繋がるの?」


アルネへ向けられる瞳は、曇りなく真っ直ぐだった。


「そ、そんなに言うんなら、い、いてあげてもよくてよ? ゔゔんっ… ん!?」


長く太い腕が伸びる。


その手はアルネの頭を撫でるように滑ると、そのまま頬へと流れた。


「なっ… 何!? 頭なんて撫でたって、な、何にも出ないんだからっ!」


そう言うとその手を離し、そっぽを向いてしまったアルネ。


肌寒くなってくる気候なはずなのに。

そんな中、彼女だけはとても暑くなっていた。


(ふっ、何も出ないか… )


「おやすみ、アルネ」


「…… おやすみ」


アルネは、ルクナの言葉の意味を理解できずにいた。


そして、その被った布を朝まで開けることはなかった。





最後まで読んで頂きありがとうございます。

突っ走って書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。

何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。


また、心ばかりの評価などして頂けると、励みになります。何卒よろしくお願いします。


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