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episode47〜実験台〜

たくさんの作品の中から見て下さり、ありがとうございます!

最後まで読んでもらえると嬉しいです。


アルネはハルザの指示を全うするネネルトによって、その身を担ぎ上げ込まれていた。


その場から遠く離れた場所へと、強制的に移動させられていたのだ。


「ねぇ… ネネちゃん? さっき、名前で呼んでくれたでしょ?」


「……… 」


「もっかい呼んで欲しいな?」


「……… 」


アルネはその筋力を駆使して、ネネルトの身体に巻きついた。


「… くっ」


「ふ… ふふふふふ… くすぐったいでしょう?」


「… おやめ… 下さい… 危ないので」


「呼ぶまでやめないわ」


「… 必要であれば、その時にお呼び致しますので… おやめ下さい…… アルネ… 様」


その瞬間、笑顔と共にその筋力の効力は切れた。


そして、ある場所まで来ると、その身は解き放たれた。


「え? もう下ろしちゃうの?」


「…… 」


(あ… そうだ)


「ねぇネネちゃん… サリドナさんの所へ連れてってくれない?」


「… ? もうご自分で歩けるのでは… ?」


しかし、その背に飛びついたアルネ。


(えぇ… )


「こっちの方が速いんでしょ? へへへ」


「…… 」


(この姿を見られたら… まぁすぐ近くで下ろせばいいか… )


そう思いながら、アルネの思うがまま背負わせられるネネルトだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして、今度はアルネの指示により、アンセクト族が待つ場所まで戻った。


その状況を見られない為に、その近くでアルネを下ろそうと目論んだネネルト。


しかし、その選択がいけなかった。

後ろからその声が聞こえた時には、ネネルトは死をも覚悟したくらいであった。


「アルネ… ?」


その声は一気に冷たく暗くなる。


「ネネルトと一緒だったのか? … 随分親密になったんだな?」


「…… っ!」


ネネルトは思わずひざまづく。


心臓が高鳴るのがわかる。

しかし、幸いにもその鼓動もすぐに引く事となった。


「ルクナッ! 無事だったんだね!」


そう言いながら、アルネがルクナへと大きく手を広げ、抱きついたからだ。


その横にいたヴィカにも一言添えた。


「ヴィカもついでに無事で良かった!」


「ついで… ですか。はい… アルネ様もご無事で何よりです」


アルネがその手を話した瞬間、ルクナは真っ赤にした顔を隠すように背けた。


「ん? ルクナ? どうしたの? どこか痛む?」


その言葉に、すかさず従者の方が応える。


「いえ… ルクナ様含め、私共に怪我人は出ておりません。殿下は、アルネ様をとてもご心配なされておりましたよ?」


冷静を装い、ルクナが尋ねる。


「何があった? あの鉄矢は一体… 」




そして、今までの出来事を簡潔に説明するアルネ。



「そうか… キティール島が… 」


「うん。それで、その三者っていうのが、どうも引っかかるのよね… あと1人、その島の出身者を見つけないと… それとも違う人物が当てはまるのかしら?」


「… わからない。調べる必要があるな。それよりも、ハルザが心配だな」


「えぇ… ハルザ… 眠れば大丈夫とか言ってたけど、本当心配… でも… 信じるしかないから」


「そうだな… ネネルトッ」


そう言いながら、ルクナはネネルトに強めの合図を送った。


(やはり… 怒ってらっしゃる… )


そう思いながら、指示を受け入れその場を離れたネネルト。


すると、ヴィカは何かが気になったようにルクナを呼んだ。


(なんだ?)


念の為の言葉を、アルネへとかけたルクナ。


「アルネ… 決してここを… 」


「うん、大丈夫よ。ちゃんと言うこと聞くから」


(やけに素直だな… )


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そうして、暫し何かを話し合ったルクナとヴィカ。


話が終わり、その身をアルネがいた方へと向けたルクナ達。


空気が変わった。


「……… 」


「… おりませんね」


「……… 」


恐る恐る眼球のみを横に向けるヴィカ。


とてもじゃないが、身体はその方へと向けることができなかった。


アルネの姿が、例の如く忽然となくなっていたのだから。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


当のアルネはというと、ある話をしにゾルの祖母にあたるサリドナのもとへと近づいていた。


「あの… サリドナさん、先程の続きなのですが… この耳飾り、あと2つあるんですよね?」


「おぉ、其方無事であったか。月華糖が役に立って良かった。して、例の耳飾りじゃな? そうじゃ。全部で3つある」


「とても大切な物だということは、重々承知なのですが… その2つの耳飾り、私に譲ってくれませんか? 1つはデイルに… でももう1つは… えとその… きっとこれから出会うキティール島の仲間に… 」


「ふふ、もちろんじゃ… しかしキティール島から来た者である限り、必要不可欠な物じゃと思っておるからの。それに持つべき持ち主に返す。それがこの任務を与えられた、わしの役目だからな」


「与えられた任務ですか?」


「あぁ、まぁ詳しい事は時が来れば、いずれわかる」


(時? 一体何のかしら?)


そうしてアルネは、少しの疑問を抱きながらも、その耳飾りを受け取ると、ある場所へと向かった。


後で、地獄のようなお説教が待っているとも知らずに…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


段々と辺りが暗くなり始めてきた頃。


ルクナが夕餉の支度をしているライに、アルネの行方を尋ねた。


「ライ、アルネを知らないか?」


「え? アルネ? サリドナさんと話した後は、姿を見てないけど… ゾルやノギジ達の所かな?」


ルクナの表情は曇ったままだ。


しかし、ゾルやノギジ達もその後のアルネの存在を、把握していなかった。


「さっき耳飾りの機能について聞かれたから、追加で教えたら、すぐに何処かへ行ったぞ」


ルクナのその表情は、完全に影った。


(くそ! 即刻約束破りやがって! あいつ!! 何故じっとしてられない!)


そうしてルクナのその青い瞳からは光を通り越して、光線を放っていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一方、その頃。

アルネはというと、その水音のする場所へと向かっていた。


そして、先程のサリドナと別れた後、ゾルのもとに会いに行った際に聞いた耳飾りの機能。


その事をある ’人物’ に実行しようとした。


そう、その手に持つ黙ったままの ‘彼女’ に。


アルネのその手には、ある姿を模った薄汚れた人形があった。


 ’彼女である’ とアルネは、それを感じ取っていたのだ。


しかし、普通に見るとそれが彼女だとは、到底思えない。


それには理由がある。


全体が藻や泥まみれになっていたからだ。


それは、狼の幽谷への入り口にあった滝の水場で、ハルザが水底から拾い上げたものだった。

これをこの月華の泉に着いた時に、預かっていたのだ。


(ハルザ… このお人形さんの事、何だか気に入ってたからなぁ… 意外と乙女? この子の事は任せて! だから、安らかに… )


そう思いながら、アルネはゆっくりと目を瞑った。


泥だらけの人形を撫で、微笑むアルネはある行動に移った。


(かくゆう私も、何だかこの人形が気になるのよねぇ… ほとんど意味ないと思うけど… この機能、ちょっと使ってみたいし、試しにっと… すまぬな)


そう思いながら、アルネは自身の左耳から飾りを外した。


先程ゾルから聞いた、全ての機能の発動方法を試したくて仕方なかったのだ。


そして今、大聖女の目の前には、いたいけな人形が横たわっていた。


ここに、新たな犠牲者が増える事となるのだ。


「さてと、怖くないよぉ… だいじょぉぶ大丈夫! 試しに良いかしら? 良いわよね? ふふっふ… 」


じりじりと近づきながら、怪しく指先を動かす。


この女主人公は、あろうことか従者の大切な預かり物を、実験台に使おうとしているのだ。


更に深まる不気味な笑みは、その汚れた人形より不気味であった。


そこはかとなく、少し怯えているようにも見える。


「サリドナさんが言っていた機能は、 ’存在をわからなくすること’ よね? んで、ゾルが後からつけてくれた私の耳飾りには、その蓄光石に加え、 ’突風を起こす’ の機能が備えられている。

そして… この蓄光石機能と突風機能を同時に使う事によって、ある事がわかるって言ってたのよね… 光と風か… よし! やってみよう!」


そして、その耳飾りを人形の耳であろう部位につけた。


蓄光石と突風を起こす機能を同時に使う為、教えてもらった通りにある特定の手順を同時に行った。


その瞬間、アルネの予想の遥か上の、更に上の出来事が起こる事となる。


徐々に光を蓄めたその耳飾りが眩い光を放ち、そして人形の足元からも同時に風が起こった。


そしてそのまま、人形とその光を包むように、天空へと向かって、竜巻となり一直線に一気に伸びていった。


そう、それはまるで光の柱のように。


「え… な、何… これ… き、聞いてないっ!! 聞いてないよぉー!」


アルネは事の重大さに気が付き、両手でそのオーバーヒート状態の頭部を抱えて叫んだ。


「これっ、突風っていうより、竜巻じゃん! に、逃げ… なきゃ… 」


しかし、すぐに事は収まった。


アルネは、人形がいたであろうその場所を恐る恐る見た。


そして、更に衝撃の事実を知る事となる。





最後まで読んで頂きありがとうございます。

突っ走って書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。

何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。


また、心ばかりの評価などして頂けると、励みになります。何卒よろしくお願いします。


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