episode46〜3つの耳飾り〜
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こうして、シュリによりすぐにアルネのもとへと連れてこられたゾルの祖母。
名はサリドナ。
「あの、サリドナさん。私、この耳飾りをゾルからもらって、詳しい機能を知りたいんです。その、姿をある特定の者から見えなくするとお聞きしたのですが、本当なのでしょうか?」
「あぁ、これはこれはユマンの娘さん。そして大聖女… えぇと… 」
「アルネです」
「おぉ、大聖女アルネ。やっと其方のもとにいったかの。行き着く所に収まった… そうかそうか… 」
「あ、ええと、サリドナさんが作ったというこの耳飾りの機能を知りたいんです。そして、今すぐにそれを使いたい。その方法を教えて頂けませんか?」
「そうかそう… か… え? えぇえ!? この機能をすぐにと!? やはり、先程の鉄矢の雨は彼女らの… しかし何故… 」
「私はキティール島の出身です。この世の最果てに存在する島。あ、地上の方ですけど… 」
「話は聞いておる… やはり、それは誠の事なのじゃな。まさか本当にあの島に住んでいる者がいたとは… しかし其方はユマン。そうじゃな?」
「はい。そうです。あと… もう1人… その島から一緒に来た者がおります。デイルという精霊族です。パストゥール族。そう呼ばれております… ご存知でしょうか?」
「パストゥール… 神に最も近い精霊… そうか、しかしパストゥールは精霊だったはずじゃが?」
「それが… いつの間にか、種族になって… いや、してしまったようで… 」
「誰が?」
「私が… ほら… 一応、大聖女のようなので、私… 」
「なるほど。しかし、そこまでの力を持っていたとは… 其方は本物じゃ… して、その2名が例の彼女らに狙われているとな? キティール島の名でも口にしたか?」
コクリと頷くアルネ。
「本に、地獄耳な奴らじゃの… して、耳飾りの機能じゃな?」
「はい… 使い方を教えて欲しいんです」
(彼女ら… ある特定の者か… やはり、この機能はその女神達から、姿をわからないようにする為? でも本当にそうだとしたら… )
アディは真剣な眼差しで、その会話の行方を聞き入れていた。
「その機能は、その者の姿を見せなくする事ができるという事じゃ。方法… それは」
「それは?」
「それは… これじゃ」
そう言って、サリドナは自身の懐からキラキラと星のような粒を出した。
(え? 今、どっから出した?)
アディは引っ掛かりが出来た。
アルネはそれを手のひらに受け取ると、不思議そうに眺めながら尋ねる。
「ん? こ、これですか? これは?」
「あぁ、これを口に含めば、一時的にその存在を彼女らに気が付かれずにいられる」
「この… 飴? を?」
コクリと頷くサリドナ。
「あ、でも耳飾りは付けたまま口に含むとか… そういう条件が… ?」
「いんや、耳に付けるも良し。付けないでもイケる。これはまだ使わぬ」
「… っな」
(((耳飾り関係ねぇーーー!!)))
「勘違いをするでない。 ’今は’ 使わぬという事だ」
「今は? それはどういう事だ?」
アディが聞き返す。
「この耳飾りは、全てで3つある。それを必要な三者が付け合う事で発動する。その付け方も独特であるでな」
(ん?)
「ちょっと待って!? 三者? 今三者って言った? 当てはまるのが、私とデイルの2人しかいないわ? あと1人。揃わないとそれは発動しないの?」
「あぁ、残念じゃがそうじゃ… 疑心があるなら、一度試してみたらどうじゃ?」
(ただ… 真の付け方をしたことによって、存在を消す以外の事も発動するんだがな… それはまた後にでも… )
「あ… うん、そうね… 試しに誰か… と言いたいところだけど、それは後で考えるわ! それと、サリドナさん、この飴は何個か予備があるんですか?」
「ある… というか、これは飴でなく木の実だ」
(ん? 木の実? 確かどこかで… )
「月華糖と言ってな、この山の泉の近くにのみ生息する。後でたくさん採るといい。しかし用法容量守るのじゃぞ?」
(薬師…? でも… )
「ありがとうございます! 助かります! デイルにも早くこれを届けないと! じゃっ、早速… 」
そう言い、アルネはその月華糖を1つ手に取ると、口に含んだ。
(うんまっ! なんじゃこりゃ!)
アルネのその表情を見て、アディは思った。
(表情管理ができないタイプか… )
アルネはまず片手を出してから、その手をひらひらと石橋を叩くように降った。
そして、その身をゆっくりと陽の当たる場所に現した。
「降っ… てこない! よし! 行ける! アディ! シュリさん! 手分けしてデイル達を探すわよ!」
そう言いながら、散らばろうとしたアルネの腕を、すかさず太く大きな手が掴んだ。
「… っ!? えっ!? ネネちゃんっ!? いつの間に!? んっ!? まさか私を止めようとしているの!?」
その微動だにしない手は、掴んだままだった。
コクリと頷くネネルト。
「どうして!? 早くこれを… っ」
すると、思ってもいない低い声が、耳元へと流れ込んできた。
「お立場を… ルクナリオ様に鬼のように… きつく言われておりますゆえ… 」
(きゃー! ネネちゃんの生声っ近い! はっ… そうじゃなかった!)
「ネネちゃん、お願い離して!」
「いけません… 手分けはしません、させません… 」
(良いっ! もっと話したい… こんな形じゃなくて… )
そう思いながらも、ニヤけ顔が溢れ始めるその表情に、周りの者は若干引き始めていた。
(何であんなにニヤけてるんだ? アルネは… )
(大聖女… 笑ってる… )
(不気味な笑い… 一体何を言われているんだ?)
そう思われてるとは、露知らずにアルネは続けた。
「時間が惜しいのわかるでしょ!? 今にもデイル達に、矢が降り注いでるかもしれないのよ?」
「探さないとは申しておりません。アルネ様は、私と一緒に行動し… して頂きます」
その言葉にアルネの自我が、一気に開花するのを察した。
(名前! また名前呼ばれた!! しかもネネちゃんが一緒にいたいって… これはもう友情… )
「うんっうんうんうん! 一緒に行こう! じゃっ! そういう事だから、アディとシュリさんはあっちを探してね!」
そう言い放つと、勘違いまっしぐらなアルネは、その気まずさ満点の逞しい腕を、両手いっぱいに抱きかかえた。
(はぁ… この場にルクナ様が居なくて良かったわ… )
シュリはもしもの事に、ゾッと鳥肌が立った。
しかし、その手はすぐに離された。
かと思えば、その腕はアルネの腰へとガッチリ添えられた。
いや、巻き付いていた。
そして次の瞬間、その身体が浮く感覚に襲われた。
「え?」
「この方が速いので… 」
(荷物じゃないんだから… でも… 嬉しいっ!)
アルネの悦びも、更に加速した。
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そして、その目にも止まらぬ瞬足と精霊達の導きにより、アルネ達はデイル達の居場所をすぐに見つける事ができたのだ。
その身はアルネ達と同じように、大きな岩の下に身を潜めていた。
「デイルッ! ここに居たのね! 無事で良かっ… 」
「アルネ… 無事だったか… 」
いつもとは違うデイルの様子が、おかしいことに気が付くアルネ。
デイルがしゃがみ込んでいるその手の先には、弱々しくもたれかかるハルザの姿があった。
その身体には何本もの矢が刺さった跡があり、出血が多量である事は容易にわかった。
「ハルザッ!? 何!? 一体どうしたの!? はっ… 嘘… 矢を… ? 何本受けたの!?」
腹部を抑えながらも応えるハルザ。
「あぁ、アルネ様… ご無事でしたか… 良かった。それより… もうすぐ満月… しかし、またこの間みたいに… 1日、何故かずれが生じる可能性もございます… なので、早めに私から離れ… 」
「何を言っているの!? こんな時に! 嫌よ! 言ったじゃない! ハルザがいないと困るって!」
「ふふ、そんな愚かな事を言うのは、あなたくらいですよ。しかし、この量だとおそらく… 」
(あぁ… 眠りたい)
瞼の重さに耐えられなくなるハルザ。
「え… や、やだ! ハルザ!! やだ! やだよ!」
「アルネッ! ハルザはもうっ… ねむ… 」
気が動転したアルネは、必死にその目を開けようと、顔を叩いた。
(い、痛い… うるさい… )
「起きて! だめよ!? ダメだってば! ハルザ! ねぇ!」
胸ぐらを両手で揺さぶりながら、泣き喚くアルネ。
(静かに… してくれ… )
心肺蘇生をしようと、胸を強く圧迫し始めるアルネ。
(痛… い、痛… )
「痛いですって!! それにさっきからうるさいですよ! 少し静かにして下さい!」
「アルネ様… 心臓圧迫は、心音がなくなってからするものですよ?」
(そこじゃないっ!!)
そう呟くネネルトの声に、ハルザは睨みを放った。
「え… ? 死んだんじゃないの? 不死身? … なんだっけ?」
「何年生きながらえてると思ってるんですか!? こんなことじゃ死にませんよ! 少し眠れば… 」
「良がっだぁぁあうわぁぁん! ハルザァァァアッ!」
泣きじゃくりながら、抱きつくアルネ。
「はぁ… 全く… もういいですから」
「うっぐっ… ズビッ、そ、そうだったわね… ハルザは意外とおじいちゃんなんだもん! 労わらないと!」
「どの口が言ってるんですか… とにかく… 俺は眠って傷を癒します。この量の失血ならば… おそらく力が弱まってるので、元の姿になれる程の力がないかと… しかし、念の為離れておいて下さいね」
「嫌です。断固拒否よ!」
「… はぁ、あなたって人は… ネネルト、頼んだ」
「御意。あ、デイルさんこれを… 」
デイルは不思議に思いながらも、その木の実を受け取った。
「なんだ? これは?」
「これを口に含めば、一時的にその身を隠せるのだとか。アディティア殿の話によると、あの鉄矢はアルネ様とデイルさんを狙っているようなので… それでアルネ様も、ここまで矢の襲撃を受けずに来られました」
(え? 何か私と話すより饒舌じゃない? 何で? え、何で?)
「これを… わかった。詳細はまた後ほど聞く。とりあえず今は… 」
「御意。アルネ様、失礼します」
「ん? ネネちゃん? ま、まさか… またっ… はぅっ」
しかし、アルネの言葉を遮り、先程と同じようにその身体を担ぎ上げるネネルト。
そのまま遠くの方へと移動した。
その後ろ姿を見ながら、ハルザは思った。
(はぁ… ここまでとは… とんだ大聖女様だ… )
「俺がいないと困る… か」
「うまいなこれ… ん? 何か言ったか?」
「いや、それよりお前もここから離れた方がいい。その木の実の効果は、確実そうだからな」
デイルはハルザにそう言われると、その場から離れた。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
突っ走って書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。
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