秘密結社が乱立してるんですけど!?
すっかり日が暮れてしまった。病院の外で軽く伸びをする
「で?クローディアも結局電征すんの?」
「ちょっとシャクっスけどね、寿命気にせず研究出来るのは魅力的っスね」
コイツの考えはちょっと理解出来ないな
自分の名前や親の記憶が無くなるんだぞ、そんな大事なものなのか研究ってモンは
「…それよりヨルカはどうするの?」
ヒガナ先輩に聞かれる
私は…
「やめときます」
電征は確かにメリットが大きい、けれど私は永遠に自分と親を忘れたまま生きていくことなんて出来ない
「…じゃあエステルから手を引くってこと?」
エステル?
そうだエステル、私の最愛の人
彼女の名前、記憶は電征しても忘れない、忘れるハズがない
私が電征しなかったらどうなる?
100万電能力に到達したエステルは電征するだろう
エステルとヒガナ先輩とクローディアは老いていく私を尻目に永遠とてぇてぇし続けるのか?
そんなのは嫌だ
「私も電征する」
帰り道の車内でマネちゃんから電征について詳しい補足を受ける
要約すると、私たちはまだ完全に電征したわけではない
完全に電征覚醒するには儀式が必要、粛清が終わった後に100万到達したVtuberを集めるので
そこで儀式を行う
儀式が完了したら再び元の身体に戻ることは出来ない
儀式に参加しなかったら電征しないが自分や親の記憶は徐々に戻る
もう後戻りは出来ない
「着きました」
マネちゃんが車を止める、私のマンションまで送ってくれた
無能マネだけどたまには良いとこあるな
「ありがと」
お礼を言って車から出ようとするが、隣に座っていたクローディアに引き留められる
「なんだよ?」
「とりあえず同盟を組まないっスか?」
「…同盟?」
「エステルのことっスよ…」
珍しく恥ずかしそうにクローディアが呟く
てかなんでエステルのこと呼び捨てにしてんだ
「電死させないように…だね」
ヒガナ先輩が同意する
確かに私はエステルの為に電征するんだ、彼女が電死したら意味がない
「同盟はかまいませんが気をつけて下さいよ?」
マネちゃんが車のハザードを炊きながら注意した
「何が?」
「エステルさんの行いはVtuberを逸脱した行為です。希望さんの耳に入れば電死させられます」
「え?」
「今は眼を瞑りますが、いずれは一人に絞って頂かないと」
エステルの女たちの三人は眼を見合わせる
秘密結社エステル様好き好き同盟の誕生だ
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