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「はじめまして、アリスです。みんな仲良くしてね」


教壇の前に立ち挨拶をする女の子。ピンクのふわふわツインテールに青い瞳、アリスはデフォルトネーム。


間違いない、この子がヒロインだ。


あのお茶会の日から4年余り経ち、とうとうゲームの始まりの日を迎えた。


この4年、私は誰かに相談することも出来ず、没落回避の為に動くも上手くいかなかった。



*****



4年前まず行ったのが、王子以外の攻略対象者に会うこと。王子ルート以外は我が家が没落することはないから、攻略対象者と仲良くなってヒロインとの仲を取り持とうと思ったのである。


ところが、攻略対象者をお茶会に招待するがことごとく断られる。これは攻略対象者に限らず、私の主催するお茶会では令嬢の参加率100%に対し、子息の参加率はほぼ0%だった。


大公家の招待を断るとは、もしや没落の始まりかと思いつつ、断ることができないように王家の威光を笠に着て王宮でお茶会を開催すれば、何故か終始アル兄様が隣にいて攻略対象者との接触を妨害された。


「アル兄様は招待していません」

「ここは私の家だからね。何処にいるのも自由なんだよ」

「そうですか、私はあちらの方々とお話がしたいので失礼します」

「あれは騎士団長の息子に魔術師団長の息子か。彼等に何の用?」

「用と言いますか、主催者として皆さまと交流を深めたいのです」

「それなら彼女達が先程から君と話したそうにしているよ。彼等は……君達!!確か用事があると言ったね。遠慮はいらない、私が退出の許可を与えよう。早く帰りたまえ!」


こんな調子で毎回彼等を追い返すので、攻略対象者との接触は早々に諦めた。



次に考えたのは、王子とエリザベスの仲が盤石になれば王子がヒロインに惹かれることは無いのではないかということ。


すぐにエリザベスを訪ね王子について聞くと、


「王子様ヲオ慕イ申シテオリマス」


!?棒読みで答えられた?


「えっと、王子と仲良く出来そう?」


「勿論デゴザイマス」


「………」


「………」


後日、公爵より『この婚約に異議などございません。王家に感謝します。決して異議は唱えません。』と連綿と続く手紙が届いた・・・



では王子本人にと会いに行くと、


「……最近、ジルベルト王子をお見かけしないのですが?」

「ジルも一応王子だから忙しいんだよ」



───一応王太子のアル兄様はお暇なんですか?


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