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うたいびと  作者: 元帥
第二章~消失~
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 日本に向かうこと指名されたのはロウとアレクの二人だけとなった。元々帰ってくるつもりのなかったエイブラハムはジークに、この際だからお前も鍛えてやると言われ強制的にバーツと共に訓練に参加する羽目となった。

 バーツも訓練のために今回の日本遠征では同行することは無かったが、自身も色々と気持ちに整理を付けたいと言って日本に行くのは断っていた。残るはこの二人となるのだが、そもそも日本に派遣させていた情報院の一人にアレクの部下がいる。その者が日本にうたいびとが居るとの情報を本国へと送り届けたのだ。

 だからと言って、どうして日本のような僻地にいるのかは、そこにいるうたいびとにしか分からないが、ロウはため息を吐くことしか出来なかった。

 日本に向かう最中の飛行機内、人手不足もあり乗客人数は二人と操縦者の二人のみだ。組織用のジェット機は小型に作られているので旅客機よりかは燃費が良い仕上がりだ。

「日本か……」

 うたいびとが居る、それだけならば嬉しく思いたい所でもあったが、アメリカの件もあり、うたいびとを殺すことが出来ないという現実を突き付けられてしまえば、自分が何をしているのか目的を見失いそうになる。

「嫌か?」

 短く聞いてくるアレクの質問にロウは空返事で頷く。日本には苦い思い出があるからこそ、もう二度とあの場所へと戻ることは避けてきていた。だが、うたいびとがいるという理由だけで行かなければいけないのも、そして自分がうたいびと殺す事を目的としている以上は避けられない運命だ。

 日本到着まで、まだ余裕があるのでロウは仮眠をとることにした。



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