表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/32

27:崩壊の足音


Vatican VCSO headquarters



バチカン沸き立つ歓声で揺れていた、それもそのはず、決勝戦、そう、今ここでホーリナーの最強が決まる。

支部のホーリナーからしたら化け物同士の戦い、まさに神と神のぶつかり合い、既に次元の違う領域にまで達していた。

広場の真ん中にいるタナトスとヘリオス、誰もが思う、この二人は確実に歴史になるであろうと。

タナトスはポケットに手を突っ込みながら早くしろと、ステージにいる元帥に訴えかける、ヘリオスはこのお祭り騒ぎで興奮を抑えきれていない。


『ここにいる二人が今から最強を決めるために戦うんだよ?凄い楽しみだよね?ホーリナー史上初の試みだから僕も凄い楽しみだよ。

本当に強い人っていうのは常に強い人の事を言うんだよね、誰が勝ってもおかしくなかったこの戦い、その中でこの二人は確実に勝ち上がって来た。

戦いに偶然なんて存在しないんだよね、最強は最強になるべくここまで来たんだから。

さぁて、じゃあみんながお待ちかねだから始めてもらおうか?』


元帥がパチンと指を叩くと、黒い穴が二人の前に現れた、二人はお互いを見ると、数秒のアイコンタクトの後、黒い穴の中、戦場へと出向いて行った。















二人はキューブの内側に出た、しかしいつもとは違うキューブ、それは天井がない、完全な閉鎖空気ではない、かといって無限に広がる闇があるわけでもない。

二人はバチカンとは違い殺気を放っている、しかしそれは殺意ではなく、戦意、目の前にいる敵、それを倒すために他の多くのホーリナーと戦って来た。

どう色眼鏡をかけようがお互いの力は五分、お互いが最強を名乗っても良いくらいだ、しかし、最強は唯一無二、たった一人に与えられる称号。


「ヘリオス、俺様はすげぇ楽しみだぜ、テメェとこうやってマジでぶつかり合えるんだからな」


「俺もッスよ、神選10階になって3年、タナトスは強い存在だと思ってたんスけど、こんなに近くなってると思うと興奮するじゃないッスか」


二人は得物を顕現する、ヘリオスの得物は片手剣、名はレーヴァテイン、タナトスの得物は大鎌、名はスケイル。


「俺様は本気でいくぜ?」


「俺もッスよ」


タナトスは切っ先を自分の鳩尾に突き付け、そのまま突き刺した、ヘリオスはレーヴァテインを肩に当て、そのまま引き裂く。


「「シンクロ!」」


タナトスの得物から黒い布が現れ全身を包んだ、上空に上がると腕が突き出され、そこに二振りのスケイルが顕現される、そして、タナトスがその場で一周回ると黒い布はローブと化した、フードの奥は闇が広がるだけで表情が分からない。

ヘリオスの傷口からは凄まじい炎が立ち上る、その炎は一瞬でヘリオスの全身を包み込む、そのまま倒れるように手を地面に着くと、凄まじい爆発が起こり、そこには全身が太陽のように燃えるヘリオスがいる、目も鼻も確認出来ないが、捕食者である大きな口だけは確認出来る。


「「一瞬で終わらせるッスからね」」


ヘリオスは一瞬でその場から消えた、ヘリオスが通った数瞬後に凄まじい炎が立ち上り、ほんの数秒でキューブは炎に包まれた。

タナトスは視認を止め、聴覚に神経を注ぐ、そして、全方向から何かがはじけた音が聞こえた、それはヘリオスが放った火球、その包囲は逃げ出す事の出来ない炎の檻。

タナトスは体中から紐を出し、編み込むように絡めるとそれは繭と化した、火球が当たると凄まじい爆発が起きた。

煙が立ち込める中からヘリオスが弾丸のようなスピードでタナトスを捉える、そのままヘリオスが馬乗りになり、地面に叩きつけると、口を開けてエネルギーを集める。

ヘリオスが炎を放射したその瞬間、タナトスは影となり床を移動し、ヘリオスの後ろを取った。

タナトスはスケイルでヘリオスを切り払うが、それは陽炎であり、消え失せてしまう。


「ナカナカヤルジャネェカ」


「「タナトスもあり得ないくらい強いッスね」」


いつの間にか後ろにいたヘリオス、しかしヘリオス首もとにはスケイルが突き付けられていた、未だにその力は五分、更にあまり時間が経っていないにも関わらず、フィールドは半壊状態、この戦いの凄まじさを物語っている。

タナトスは宙に舞い上がった、ヘリオスは警戒しながらタナトスの動きを伺う、得物を複数顕現させて紐に掴ませる。

一点集中で相手の盾を貫くヘリオスとは違い、徐々に徐々に敵を蝕むタナトス、消耗戦になればタナトス、先を急げばヘリオスの勝利だ。

一気に降下してヘリオスとの間合いを詰める、牽制程度に火球を放つが、全て消されてしまった。

ヘリオスはタナトスに真っ正面から突っ込むが、様々な方向からスケイルが襲って来る、四肢を使いスケイルを防ぎ、タナトスとの距離を詰めると腕でタナトスを貫こうとするが、スケイルで防がれてしまった。


「「まだまだッスよ!」」


ヘリオスが口を開けると、タナトスに向かって火球が放たれた、何とか横に体をずらすが、かすっただけの火球により火傷を負ってしまう。

しかし火球を放ったせいで出来た隙、それによりヘリオスは無数のスケイルから逃げ遅れてしまい、脇腹を斬られてしまった。
















バチカンは大歓声に呑まれていた、二人の熾烈な戦いは終わるところを知らず、激しさが増す一方。

阿修羅はこの戦いを見て本当に戦わなくて良かったと思う、となりにいるあの人外と戦った帝釈天には悪いが、ヘリオスとタナトスに戦いを挑むのは無謀。


「結局この二人が決勝というのは決まっていたんだな」


「兄さんもヘリオスと戦ったのによく危険しなかったわね?」


「この力、試してみたかっただけだ」


「でもぶっつけ本番よね?」


「あぁ、あくまで感覚の話だったからな」


“紅蓮の剣”と“白銀の盾”の事は二人はまだ知らない、ただお互い天竜という事だけで今の力を手に入れたと思っている。

確かに阿修羅と帝釈天の持っている力はイリーガルな力、だが、目の前のモニターに映る人外の戦いを見たら可愛く思える、まさに核兵器同士のぶつかり合い。

無数の大鎌が舞い、フィールドは炎に包まれ、乱舞による攻防、ここにいるホーリナー全員が初めて見る戦いだ。


「この戦いは本当に終わるの?」


「共倒れとも言い切れん、今はまだ甲乙付けがたいな」


それ程お互いの力が拮抗していた、神同士の戦いを見ているかのように、1日で終わるのかと思えた。












ヘリコプターから地上を眺める素戔嗚、バチカンのモニターで流れている映像はこのヘリコプター内でも流れている。

素戔嗚はモニターの前に戻ると嘲笑うような笑みを浮かべ、あぐらに肩肘をついてモニターを見る。


「無駄にド派手な戦いだなぁ」


「素戔嗚、この二人に勝てるか?」


「父ちゃん何言ってんだよ?拙者ならこんな奴ら一瞬だぜ、あんなド派手にやる必要もないね」


その表情は嘘を吐いているようには思えない程自信に満ち溢れている、そしてそれを否定しようとしない天照と月夜見。


「叔父ちゃんの方がよっぽど強よいぜ?」


「彼ら、井の中の蛙、拙らの相手ではない」


「天照はどうだ?」


(わたくし)達の目的はお姉様の奪還とお兄様の排除です、無益な殺生は行いたくありません」


「ならばどうする?」


「反撃させる前に終わらせます」


素戔嗚がニヤリと笑い下を見る、そこは既にバチカンがある、人の群れが奏でる歓声という雑音、抑えきれない素戔嗚は体に梵字を浮かべ、身を乗り出している。


「素戔嗚、目的を忘れるなよ?」


「応よ!」


「じゃあ始めるぞ」


素戔嗚は天照を肩に乗せ、そのまま飛び降りて行った、月夜見は軽く沈むとその場から消える。

ヘリコプターは徐々に降下してバチカンに近付く、阿修羅達の平穏を崩す影と共に。

ついにラストスパートです!

ここから最終回に向けて様々な謎が現れ、解けていきます。


そして今回のテーマでもある“最強”、それが真に分かります。

陰謀の先の陰謀。

最後までお付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ